株式会社フジクラ

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ESG

フジクラグループのCSR

サステナビリティ目標2025

サステナビリティ目標2025の考え方

フジクラグループは、グループ経営理念MVCVに基づき、サステナビリティ実現のためには「持続可能な企業経営」のために必要とされる活動と、「持続可能な社会」の構築に役立つ活動の両輪が必要と考えています。
これまでは、環境・社会マテリアリティとして5か年のCSR 重点方策2020(2015〜2020年度)を定め、各方策を関係部門と連携しながら推進してきました。しかし、目標設定時より社会の変化が早く、抜本的な見直しが必要となりました。そこで2021年度から始まる新たな5か年のサステナビリティ目標2025(2021〜2025年度)では、環境・社会マテリアリティを踏まえつつ、財務マテリアリティの視点も加味した目標設定としました。また、フジクラグループが定める長期ビジョン(2030年ビジョンやフジクラグループ環境長期ビジョン2050)と連動させることで、より将来を見据えた目標にしました。
サステナビリティ目標2025は、サステナビリティ戦略会議(議長:社長CEO)で審議・承認を得ました。

ダブルマテリアリティを導入

サステナビリティ目標2025の設定にあたり、CSR 重点方策2020の結果を検証するとともに、最新トレンドを踏まえ新たに盛り込むべき観点を整理しました。最新トレンドの把握では、国内外の社会課題や国際的なガイドライン、ESG 評価機関の評価項目やステークホルダーからの声を参考にしました。
また、サステナビリティ目標2025ではESGの観点にF(財務・将来)を加え、環境・社会が企業業績に与える影響を新たに盛り込むとともに、2030年ビジョンなど自社の長期ビジョンの達成を考慮しました。

マテリアリティマップの策定

フジクラグループは、「フジクラグループCSR基本方針」と「4つの重点課題」をベースに、サステナビリティ目標2025のテーマを定めるためにマテリアリティマップを策定しました。これは、ステークホルダーインクルーシブを念頭に「マテリアリティマップ分析」を行い、「ステークホルダーの関心事」と「自社事業への影響度」の2つの視点から評価・検証を行いました。
その結果、F(財務・将来)で3項目、E(環境)で5項目、S(社会)で3項目、G(ガバナンス)で5項目設定し、2025年度の目標達成へ向けて、毎年目標と実績を評価しています。目標に対する進捗は毎年統合報告書やESGウェブサイトで公開します。

新目標の追加事項

サステナビリティ目標2025の設定にあたり、CSR重点方策2020の結果を検証するとともに、最新トレンドを踏まえ新たに盛り込むべき観点を整理しました。最新トレンドの把握では、国内外の社会課題や国際的なガイドライン、ESG評価機関の評価項目やステークホルダーからの声を参考にしました。
また、サステナビリティ目標2025ではESGの観点にF(財務・将来)を加え、環境・社会が企業業績に与える影響を新たに盛り込むとともに、2030年ビジョンなど自社の長期ビジョンの達成を考慮しました。

サステナビリティ戦略会議での審議

サステナビリティ目標2025の重点方策や達成目標・達成へ向けた施策や指標を設定するにあたっては、まず事務局が素案を作成し各部門との協議を行いました。その後、サステナビリティ戦略会議で進捗報告および審議が行われ、2021年8月の2021年度第2回サステナビリティ戦略会議において承認されました。

サステナビリティ目標2025一覧

テーマ 重点方策 2025年度の達成目標
財務・将来(F) “つなぐ”ソリューションの提供により、快適で持続可能な“みらい”社会の課題を解決し、継続的な企業価値を高める
1.2030年ビジョンで想定する4つの分野から新規事業を探索
 ①既存事業におけるコア技術の進化と発展
   ・コア技術を発展させて、社会的価値の高い製品・サービスの開発
   ・WTP(Willingness To Pay:支払意思額)が高い製品・サービスの販売
 ②新たな技術や事業分野の探索
   ・オープンイノベーションも考慮
   ・モノ売りに加え、コト売りによる事業の探索
地球環境に配慮された安心して使える製品の開発 1.2050年に、フジクラの全製品を環境配慮型製品(グリーン関連製品)に置き換える
 ・2020年度実績:約40%
2.2030年に、グリーン製品創出活動を全グループ会社に展開する
 ・2020年実績:国内1社(西日本電線
データやデジタル技術を活用した既存事業の効率化と新たなビジネスモデルの創出 1.製造現場でのDX(スマートファクトリー化、AI活用)
2.営業部門でのDX(デジタルマーケティング)
環境(E) 【チャレンジ1】工場CO2排出総量「2050年ゼロチャレンジ」
1.CO2排出量の削減【対象範囲:フジクラグループ(国内外)】
 ・2025年度目標:2018年度比20%以上削減(350千トン/年以下)
 ・2030年度目標:2018年度比40%以上削減
 ・2050年目標:工場からのCO2排出ゼロ
2.生産効率の向上(省エネの推進)【対象範囲:フジクラグループ(国内外)】
 ・生産エネルギー原単位:2025年度において、2020年度比10%以上改善
3.製品物流効率の向上【対象範囲:フジクラグループ(国内)】
 ・製品物流のエネルギー原単位:2025年度において、2020年度比5%以上改善する
【チャレンジ2】工場の水使用の最小化と排水管理 1.水リスク低減への貢献
 ・水の使用量原単位:2025年度において2020年度比5%以上改善する
【チャレンジ3】工場の人と自然の共生 1.事業所内自然を有効活用し、生物多様性の拡大に貢献する
2.地域の自然環境保全活動を推進する
【チャレンジ4】資源の有効活用と資源循環 1.投入資源を減らし、資源の効率的な利用を推進する【対象範囲:フジクラグループ(国内外)】
2.事業活動に伴う廃棄物排出量の削減【対象範囲:フジクラグループ(国内)】
 ・廃棄物排出量原単位:2025年度において、2020年度比5%以上改善する
3.廃棄物ゼロエミッションの達成【対象範囲:フジクラグループ(国内)】
気候変動ガバナンスの構築(TCFD対応) 1.気候変動リスクと機会の把握
2.戦略および財務への影響の把握
社会(S) 働きがい変革(エンゲージメント強化) 1.社員一人ひとりが自己実現を通じて人として成長し、公私ともに充実している
 ・社員の自発的貢献意欲の向上 ・時間、場所にとらわれない働き方の環境整備
 ・健康経営によるモチベーション向上 ・労働生産性の向上
グローバルに活躍できる人財育成
ダイバーシティ&インクルージョン(社員の人権配慮)
1.フジクラグループ全社員がグローバルな視点で活躍をしている
 ・会社の成長と社員の成長がシンクロする組織風土
 ・イノベーション創出をリードする人財の育成、発掘、獲得
 ・自律的なキャリア構築の支援、成長機会の提供
 ・社員同士が互いを認め・高め合う組織(個の尊重・信頼)
2.多様な背景・考え方を持つ人財が活躍している
 ・多様な個人が活躍できる環境
 ・国籍・人種・性別・宗教・年齢などにとらわれないキャリア機会の提供
 ・身体的または性的マイノリティへの配慮
ガバナンス(G) 取締役会の機能整備 1.中長期の企業価値向上
 ・取締役会の実効性向上と監督機能強化
 ・経営の透明性・公正性を高め、迅速な意思決定を図る
 ・取締役会の多様性の確保
2.最高経営責任者(CEO)等の次代を担うリーダーが成長している
 ・後継者計画の策定・運用
 ・育成計画の適切な監督
グループ経営理念MVCVの実践 1.私たち一人ひとりが社会の一員として正道を歩むこと
 ・グループ経営理念実現のために新行動基準の実践
グループガバナンスの構築(リスクマネジメント強化) 1.戦略的経営に資するリスクマネジメント体制の構築とリスクコントロール(PDCA)
2.投資管理の強化
サプライチェーンマネジメント(責任ある鉱物調達含む) 1.社会課題(児童労働や強制労働など)に配慮したサプライチェーンマネジメントの確立
2.責任ある鉱物調達の体制確立(3TGを中心にコバルト、マイカなどのデューデリジェンスシステム)
3.NGOなど外部からの指摘ゼロ(または指摘があった際の早期の是正)
4.他社との連携(他社の取り組みを学び自社の取り組みに活かす)
安全保障輸出管理の徹底 1.輸出管理法令順守
 ・重大な法令違反件数 0件/年

CSR重点方策の目標・実績・評価

〔評価の基準〕 ◎:目標以上に進んだ ○:目標通り進んだ △:目標未達項目あり X:目標未達

分類 CSR重点方策 2020年度目標 活動結果 評価
環境(E) 1.CO2の排出量削減
1.CO2排出量削減
①当社および国内連結子会社:
 3%以上削減(2013年比)
(長期目標2030年度:2013年比▲6.5%以上)
②海外連結子会社 (中期目標:CO2排出量の原単位を2014年度比で年1.3%改善)
CO2排出量実績
 ・フジクラ(13年比)27.6%削減
 ・国内グループ(13年比)21.6%削減
 ・海外(14年比)11.3%改善(CO2排出量247,540トン)
再エネ導入
 ・非FIT非化石証書への切替(本社ビル分)
 ・RE100の2020年度目標達成のために、2020年度新規購入
2.水リスクへの対応 1.水の使用量の改善目標の設定と改善実施
2.水リスク評価実施、リスク低減実施
3.「CDPウォーター」に回答、評価されている
使用量原単位の改善
 ・20年度 1.07千トン/億円(19年比)7.8%改善
 ・佐倉:従来廃棄していた工水を浄化し使用(浄化設備導入)
 ・メタルケーブルの生産量が減少
3.生物多様性確保の活動
1.構内緑地活用で木場千年の森、佐倉千年の森、鈴鹿千年の森が従業員に親しまれる
2.佐倉、鈴鹿の近隣住民へ開放準備完了し、近隣住民とのコミュニケーション計画が完了
木場千年の森 
 ・新型コロナウイルス感染拡大防止のため、「千年の森へ行こう」キャンペーンなどを中止
 ・樹木の維持、森内の整備を継続実施
佐倉千年の森
 ・希少植物の保護、草刈り作業、剪定作業、歩道部分へのウッドチップ散布等の環境維持活動を継続実施
 ・農園ゾーンでサツマイモを植え応募者による収穫体験を実施
社会(S) 4.人権の尊重 1.国籍・人種・性別・宗教・年齢・出身会社など、多様な人財が活き活きと働く会社になる
2.グループ全体でハラスメントの正しい認識を持ち、ハラスメントをしない、させない風土を醸成
ハラスメント教育
 ・管理職対象で計画していたが全社員対象に変更。受講率97%(2,867名/2,948名)
労働時間管理
 ・採算改善施策により残業時間は大幅減(19年度)25.3時間→(20年度)17.9時間
5.ダイバーシティ 1.「フジクラグループHRMビジョン」が国内外全グループに共有、ゴールに向かい共創している
2.「一人一人が主役」の高い当事者意識の多様な人財が「つながり」、独創的アイディアを生み出し顧客ニーズに応える会社になる
男性の育休取得の促進
 ・具体的には実施できず、第9次行動計画で継続予定
 ・男性の育休取得率(19年度)7.6%⇒(20年度)18.3%
6.グローバルな人財育成 1.「フジクラグループHRMビジョン」が全グループで共有され共通ゴールに向かって共創している
2.社員が尊重され、魅力的な人財をグローバルで創出し、”夢がある会社”になっている
グローバル人財育成教育・研修の見直し
 ・2020年度は予定通り完了。2021年度に社内展開を行う
グループ共通人事プラットフォームの導入
 ・設備投資の絞り込みにより当初の予定を延伸
7.ワーク・ライフ・バランス 1.多様な人材がそれぞれに合った勤務体系で、それぞれの役割を果たし会社に貢献している
2.限られた時間で、生産性高く働くことで、会社に貢献する風土が醸成されている
在宅勤務制度の拡大
 ・テレワーク勤務の限度日数の撤廃や対象者の拡大、テレワーク手当の支給など制度の拡充を図った
 ・テレワーク効率改善チームによる広報物を作成
8.CSRサプライチェーン
・マネジメント
1.カンパニー、主要グループ会社でパートナーズ・ミーティングを開催し適切に運営されている
2.パートナーへアンケートの実施、評価が適切に行われている
3.グループCSR調達ガイドラインが遵守されている
4.リスクが認識され、カンパニー、グループ会社で管理が出来ている
パートナーズミーティングのグループ展開
 ・日本と中国で実施
パートナーCSR推進
 ・パートナーズミーティングでのアンケートを実施
サプライチェーンの人権配慮要請
 ・パートナーズミーティングにて遵守要請を伝達
9.地域コミュニティとの連携と貢献 1.「フジクラがあってよかった」と地域の誇りになる
2.地域を代表する企業になり高く評価される
3.社員はフジクラグループ社員を誇りに思う
コロナ禍により対面イベントが中止にて連携機会が減少
木場千年の森を中心に来訪者との交流に留まった
ガバナンス(G) 10.グループ経営理念MVCV 1.全グループで情報共有化(和・英文)
 ①イントラにMVCV教科書+海外のアクセス
 ③グループ会社へフジクラオデッセイ紹介
2.MVCV研修の充実:浸透調査と活動の活性化
3.フジクラブランドとのリンク
職場伝道師の育成
 ・集合研修(対面式)および外部講師による理念研修を中止
階層別研修
 ・オンラインにて実施、今後もオンライン実施を継続予定
MVCV啓発活動
 ・10月から2月に延期されたが、重要性を再認識いただく
行動基準の見直し検討
 ・強調月間にてMVCVBOOKの活用を呼びかけ、今後も浸透活動を継続
11.「社会」との連携 1.イニシアチブ等の情報にCSR的対応が迅速
2.国や省庁等の規制、方針に迅速に対応
3.関連団体や顧客等の情報に迅速に対応
4.SDGs等の要請に迅速に取り組み情報を開示
ESGに関する最新情報
 ・国連グローバルコンパクトの分科会に継続的に参加し最新情報を取得
国内、国際社会との連携
 ・行政(東京都環境局、江東区など)とは電話等で情報交換を継続
12.情報開示とコミュニケーション 1.国際社会が高く評価する情報開示ができる
2.グローバルインデックス銘柄に安定的に選定
3.ステークホルダーの期待に応える情報開示
4.ステークホールダーとコミュニケーションが定期的にできる
ESGインデックスへの継続組み入れ
 ・FTSE4Goodインデックス、FTSE4blossomに継続選定
株主・投資家への情報提供
 ・統合報告書2020を通じた機関投資家とのミーティングを継続し昨年以上に建設的な議論を実施
社内外への情報発信の工夫
 ・社内報デジタル化を検討(21年度デジタル社内報へ転換)
 ・フジクラニュースへのSDGsロゴの掲載を継続

GRIスタンダード側面の整理

 CSR重点方策をもとに、関連性の強いGRIスタンダード側面を整理しています。「サステナビリティレポーティングガイドラインGRIスタンダード対照表」では、関連性の強いGRIスタンダード側面に紐づく項目に限定して掲載しています。

分類 CSR重点方策 GRIスタンダード側面
環境(E) CO2の排出量削減 302 エネルギー
305 大気への排出
水リスク 303 水
生物多様性確保の活動 304 生物多様性
社会(S) 人権の尊重 406 非差別
407 結社の自由と団体交渉
408 児童労働
409 強制労働
412 人権評価
ダイバーシティ 405 多様性と機会均等
グローバルな人財育成 404 研修および教育
202 地域経済での存在感
ワーク・ライフ・バランス 401 雇用
402 労使関係
403 労働安全衛生
CSRサプライチェーン・マネジメント 204 調達慣行
308 サプライヤーの環境評価
414 サプライヤーの社会性評価
地域コミュニティとの連携と貢献 413 地域コミュニティ
ガバナンス(G) グループ経営理念MVCV 205 腐敗防止
206 反競争的行為
419 社会経済面のコンプライアンス
社会との連携 該当なし
情報開示とコミュニケーション 201 経済的パフォーマンス
203 間接的な経済影響
307 環境コンプライアンス
416 顧客の安全衛生
417 マーケティングとラベリング

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