株式会社フジクラ

R&D

当社の主力製品である「光ファイバ/光ケーブル」等の光関連技術を生み出すテクノロジープラットフォームです。近年は、通信用光ファイバで培った幅広い光関連技術を応用し、情報通信分野以外も見据えた研究開発を進めています。

光通信技術

テクノロジープラットフォーム「光」の中の「情報通信」に関する技術です。当社の主力製品である「光ファイバ/光ケーブル」を始めとし、現代のICT社会に必要不可欠な光情報通信網の構築に貢献しています。

関連する技術

光線路部品

光線路部品

データセンター、5Gの普及に伴い、世界各国で光ファイバ網の構築が急速に進んでいる。そのためには光ファイバをつなぐための接続技術が必要不可欠であり、コネクタ接続、融着接続、メカニカルスプライス等、用途に合わせて様々な接続技術が開発されてきた。特に屋外での接続では、現場で簡易に接続が可能であることと高い信頼性が求められるため、FA (Field Assembly) ネクタ(図1)と呼ばれる接続技術が開発された。FAコネクタとは、工場であらかじめ内蔵ファイバが接着固定され、端面研磨されたフェルールから構成されている。それが現場で端末処理された光ファイバとメカニカルスプライス(図2)で接続される。メカニカルスプライスとは、V溝基板、上蓋およびU字型バネから構成され、光ファイバを接続する際は、メカニカルスプライスの側面からくさびを挿入し、対向する光ファイバ同士を突き合わせて接続する。その後、くさびを抜くことで、U字型バネにより機械的に固定される構造となっている。接続される光ファイバの端面間には、フレネル反射を抑制するため、屈折率整合剤が使用されている。メカニカルスプライスの組立には、接着剤や研磨作業等は必要なく、電源不要の光ファイバ接続技術である。光ファイバ網の信頼性にとっては、光ファイバが接続された後、どのように収納、維持されるかも非常に重要であり、雨、風、紫外線等、様々な自然環境下においても長期的な信頼性を確保する必要がある。図3はコネクタ接続収容ケースであり、プラスチック筐体とゴムパッキンで構成されており、経済的で長期信頼性が確保された構造である。

図1 FAコネクタの構造

1) 内部構造 2) クサビ挿入

図2 メカニカルスプライス

図3 コネクタ接続収容ケース

光コネクタ

光コネクタ

光コネクタは、光ファイバ同士を精密に軸合わせし、端面を近接または接触させて、低損失・高信頼の繰返し接続を実現する製品です。光コネクタは、単心ファイバ接続から多心一括接続へ適用され、それぞれに複数の接続方式があります。フジクラは、各接続方式におけるコア技術を有し、お客様の用途に応じた多様なソリューションを提供しています。
PC接続(図1)は光ファイバ端面同士を物理的に接触する方式であり、フジクラは高精度研磨技術や精密樹脂成型技術等により、光コネクタの低損失化・多心化を進展させてきました。PC接続に加え、屈折率整合材や融着機による接続を組み合わせた、現場組立型光コネクタ(図2)ソリューションも提供しています。
近年、伝送機器内のトラヒック増大やシリコンフォトニクス技術等の進展にともない、光モジュールや光デバイスへの、光ファイバの近接・非接触接続が注目されています。フジクラは、光デバイスに対して光ファイバのモードフィールドを調整し光結合を実現したバットジョイント接続技術(図3)や、空間光学設計と光学樹脂成型技術を融合したレンズコネクション技術等(図4)によるソリューションをこれら新分野に展開しています。

図1:単心および多心コネクタのPC接続図 (左:模式図、右:単心コネクタの例 LCおよびMPOコネクタ)

図2: 現場組立コネクタの例(左:融着型MPOコネクタ、右:屈折率整合型単心コネクタ)

図3: MFD調整バットジョイントの例(上:接続部概念図、下:製品外観図)

図4: レンズコネクションの例(左:レンズMPOコネクタ、右:即断面図)

光ファイバ融着接続機

光ファイバ融着接続機

光ファイバの被覆除去、切断、融着接続を行う装置の研究開発に取り組んでいます。光ファイバのコア位置を高精度に測定し、精密軸合わせ機構で2本の光ファイバをサブミクロンレベルで調心し、準コロナ放電あるいはCO2レーザで融着接続を行います。タングステン電極による準コロナ放電を利用した融着接続機は小型化が可能であり、主に通信用光ファイバの接続に使用されます。一方、CO2レーザを利用した融着接続機は、光ファイバへのタングステンの付着がなく、主に特殊光ファイバの加工に使用されます。 接続のみではなく、先端レンズ加工や光結合器製作においてCO2レーザの特性が生かされます。メカトロニクス技術を駆使した本装置は世界トップシェアの地位を築いています。

12心一括融着接続機 放電による12心融着接続 レーザ融着接続機 融着接続型BALLレンズ
光ケーブル

光ケーブル

光ファイバを間欠的に結合させ、リボン形状とすることで、柔軟に変形することができるSpider Web Ribbon® (SWR®)と、それらを束ねて収納したケーブルであるWrapping Tube Cable® (WTC®)を開発しました。SWRとWTCの革新的な技術により、従来と比較しドラスティックな細径高密度光ケーブルを実現し、世界最高心数となる超高密度光ケーブルの開発に成功しました。一般社団法人電気通信協会の「ICT事業奨励賞」を受賞し、日本のみならず世界各国の光通信ネットワークの構築に貢献しています。SWR&WTC™により、大容量光通信を支える超高密度な光ケーブル化技術の開発や、世界各国の用途に合わせた高機能な光ケーブルの開発を進めています。

光ファイバ

光ファイバ

第5世代移動通信システム(5G)などの次世代の無線環境を導入する前提になるのが、光ファイバネットワークであり、光ファイバは高速大容量伝送を支える技術の中でも中心的な役割を果たします。光ファイバは、ほとんどがコードや多心のケーブルとして使用されます。布設作業の効率向上や光ファイバケーブル布設スペースの有効利用を図るため、光ファイバケーブルを高密度化して軽量・細径化する開発が光ファイバメーカーの中で競って開発されています。
当社では、当社の独自技術である12心間欠固定型光ファイバリボンSpider Web Ribbon®を実装した世界最高密度の多心光ファイバケーブルをリリースしていますが、さらにこの技術を進化させ,標準的な被覆外径よりも細い200μmファイバを実装した超多心光ファイバケーブルの開発も進めています。さらなる高密度化に向けてクラッド部分の細径化やクラッドを共有することで高密度化が可能となるマルチコアファイバの開発も進めています。
マルチコアファイバについては、1本の光ファイバに30以上のコアを有する超多コアマルチコアファイバの設計・製造技術を有しています。この超多コアマルチコアファイバを用いた伝送試験結果に対し、デンマーク工科大学、サウザンプトン大学と共同で2016年11月にHorizon Prizeを受賞しました。

受賞したHorizon Prize

この設計・製造技術を生かして、早期の実用化を見据え、現在使用されている標準の光ファイバと同じ細さ(125μm)に、既存のシングルモードファイバと光学的に互換な4つのコアを配置したマルチコア光ファイバを中心に研究開発を進めています。

マルチコア光ファイバの例

研究開発に関するお問い合わせは、こちらからお問い合わせください。

ファイバレーザ技術

世界トップレベルの、高出力レーザダイオード、希土類添加光ファイバ等の特殊ファイバ、ファイバ型光部品などの要素技術、それらの技術を統合して作製されるファイバレーザ光源の開発をしています。ビーム品質に優れた連続波シングルモードファイバレーザの高出力化の研究開発は、国内外でのレーザ関連の学会や国際会議において業績賞の受賞や招待講演の依頼を多数受けるなど、世界からも注目されています。
シングルモードファイバレーザの研究開発以外にも、金属の切断や溶接に用いられる連続波高出力マルチモードファイバレーザ、マーキングや微細加工に用いられるパルス発振ファイバレーザの性能・機能の向上やコストダウンを支える技術開発、新製品開発にも力を入れています。
今後は、ファイバレーザ光源の開発の他にも、ファイバレーザのアプリケーション研究も進め、ファイバレーザの一層の普及に貢献していきます。

330W出力ファイバ結合型
レーザダイオードモジュール
高出力連続波シングルモード
ファイバレーザ試作品外観
パルス発振ファイバレーザ製品外観 マルチモードファイバレーザによる
金属切断の様子

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光応用センシング技術

通信用光ファイバで培った幅広い光関連技術を応用し、光応用センシング技術を研究開発しています。当社は複数の技術を保有しており、「イメージファイバ」・「内視鏡用極細線カメラモジュール」・「光ファイバセンサ」等、お客様の用途に合わせた製品を提案が可能です。

関連する技術

イメージファイバ

イメージファイバ

イメージファイバはレンズを介してファイバ端面に結像した画像を他端へ伝送する光ファイバで、工業用途や人体の内部を観察する医療用内視鏡に用いられています。当社の石英ガラスを主材料としたイメージファイバは、長い年月をかけ洗練された光ファイバの設計及び製造技術を盛り込んだユニークな製品で、世界シェアNo.1を誇っています。
更にこの度、ユーザー各位からの高画質化の要求に応えて、ファイバ外径を維持しつつ画素数を約3倍とした高解像度型イメージファイバを開発しました。
高解像度型イメージファイバは、標準型イメージファイバでは困難であった4.4μm間隔のラインの判別が可能な解像度を有しています。また、高解像度化に伴って問題となる色再現性の劣化を、設計全体を最適化する事で標準型イメージファイバと同等に抑えました。
本製品は工業及び医療分野における顧客から高い評価を得ており、これまで観察が困難であった狭所の可視化技術へのさらなる貢献が期待されます。当社は今後も光ファイバ技術を活かし、社会に貢献していきます。

高解像度型イメージファイバのカラー画像

解像度比較(赤丸内は4.4μm間隔のライン)

内視鏡用極小カメラモジュール

内視鏡用極小カメラモジュール

光ファイバ事業で育んだ光学技術と微細加工技術、電子部品事業で培った極細同軸ケーブル技術およびマイクロ実装技術などの社内技術を集約し、更に新構造と製造技術を開発することで、医療技術を革新する、極細径カメラモジュールを実現しました。
当社の極小カメラモジュールは、16万画素の高画質を有しながら直径φ1.4mmの極細径であり、加えて、容易に曲げられる特徴を有します。これにより、従来直接撮像が困難、あるいは患者に苦痛を与えなければ観察できなかった患部を容易に撮像できる様になります。
加えて低価格を実現したことで、二次感染リスク回避の為の単回使用電子内視鏡の実現も可能となります。
人々の生活の質であるQuality of Life(QOL)の維持向上と、医療技術革新への貢献を目的として、今後も光技術と電子技術の融合により医療イノベーションを創出する研究開発活動を進めて参ります。

内視鏡用極小カメラモジュール
光ファイバセンサ

光ファイバセンサ

光ファイバセンサとは、温度、ひずみ、磁界などに応じてファイバ中を伝搬する光の様々なパラメータが変化する特性を活用し、光ファイバ自体をセンサとして利用する技術です。この光ファイバセンサの代表例が角速度を計測する光ファイバジャイロであり、航空宇宙分野で実用化されています。そして近年では、温度、ひずみ、磁界などに加えて形状や寸法を計測するセンサも提案され、橋梁やトンネルなどの社会インフラ、原子力設備、天然資源の採掘現場、医療機器などへ応用が広がっています。
当社における光ファイバセンサの研究開発事例として、平成28、29年度に国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)殿が実施した光ファイバセンサ飛行実証事業を紹介します。当社が開発した光ファイバセンサが実験用航空機「飛翔」に搭載され、飛行中の機体に生じるひずみをリアルタイムで計測することに成功しました。

平成28、29年度光ファイバセンサ飛行実証事業の概要(JAXA殿ご提供資料)

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