株式会社フジクラ

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ESG

環境

水リスクへの対応

水リスクに対する方針・指針

 フジクラグループは、水リスクに対応するため、環境長期ビジョン2050のチャレンジ項目として「工場の水使用の最小化と排水管理」を掲げています。工場の水使用の最小化については、「使わない、繰り返し使う、きれいにして自然にもどす」を合言葉に活動を進めています。排水管理については、国内製造拠点を対象に、最終排水升における「pH」「油分」「濁度」の常時監視システムの設置を推奨しています。
 また、環境長期ビジョン2050を受けた「フジクラグループ2025環境管理活動指針」では、国内外連結対象会社において、水の使用原単位を2025年度において、2020年度比5%以上改善する目標を掲げて活動しています。

水リスク領域の把握とフジクラグループの事業展開との関連

 2023年3月に開催された国連水会議(United Nation Water Conference)では、“すべての人々に公平な水へのアクセスを確保する活動を緊急に拡大する”ために議論がなされました。その成果である「水行動アジェンダ」には、水危機にある世界から水が確保された世界への変革を推進するための700を超えるコミットメントが盛り込まれました。
 国連水関連機関調整委員会(UN-Water)は2021年度の報告書*で、地表水の変化について、過去5年間に世界の河川流域の1/5に大きな変化があり、乾燥地域の湖の乾燥や、氷河の融解や永久凍土の融解による湖の拡大などの気候変動に起因する影響を、要因の一つとして指摘しました。
 また、世界気象機関(World Meteorological Organization )は、2021年の報告書**の中で、中国北部地域、南アジア地域、地中海沿岸地域などを水ストレス***のホットスポットとしています。フジクラグループは、中国、インド、ヨーロッパに事業展開しており、引き続き、水リスクへの対応が必要性を認識しています。その対応として国内のフジクラグループ指針として、水の使用原単位を2020年度対比で1%以上削減(2025年時点で5%削減)を目標に掲げて活動しています。

* Progress on Freshwater Ecosystems 2021:
https://www.unwater.org/sites/default/files/app/uploads/2021/09/SDG6_Indicator_Report_661_Progress-on-Water-related-Ecosystems_2021_EN.pdf
**2021 STATE OF CLIMATE SERVICES
https://library.wmo.int/doc_num.php?explnum_id=10826
***水ストレス:農業、工業、エネルギー及び環境に要する水資源量は年間一人当たり1,700m3とされ、利用可能な水の量が1,700m3を下回る場合は「水ストレス下にある」状態、1,000m3を下回る場合は「水不足」の状態、500m3を下回る場合は「絶対的な水不足」の状態を表すとされている。

過去グループ拠点で発生した水リスク

 フジクラグループでは、2011年、タイ王国で発生した50年に一度ともいわれる洪水により、タイ王国地区にある製造拠点が大きな被害(水害)を受けました。その後2016年に洪水からの復興宣言を果たしましたが、これを教訓に、近隣国への製造拠点の分散化や防水壁の設置などを進めています。その後、タイ国内においては、BCP活動のなかで洪水および渇水をテーマとし活動しています。また、新拠点選定に関しては、過去の洪水や標高などを十分に調査し決定しています。


2022年度の取組み

国内外の総取水量と水資源別取水量、使用量

 フジクラグループでは、事業活動に関する水の取水量と使用量を同量としています。
 取水について、国内では渇水の水ストレスはありませんが、洪水に対する予防処置として、法面の整備、雨水溝の増強、防潮堤の強化等を実施しています。
 2022度の水使用量は、国内、海外ともには2021年度より減少しました。水源別では、上水・工業用水は減少、井戸水はほぼ横ばいで推移しています。

グラフ1:総取水量

グラフ2:水源別取水量

国内の排水量

 2022度の国内排水量は、2021年度より1.7%減少しました。国内拠点の排水について、ほぼすべての拠点で、最終排水升での、pH、濁度、油分の自動監視を実施しています。

グラフ3:国内の排水量

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