環境配慮型製品の拡大 グリーン関連製品 フジクラグループでは、地球環境保護の観点から「環境配慮型製品」の認定制度を設けています。社内で定めた製品環境アセスメントチェックシートに従い、各事業部門から申請された製品をグリーン関連製品委員会(研究開発各部署や事業部門のメンバーを委員として構成)で審査し、基準を満たした製品は環境への貢献度合いによりグリーン製品、またはグリーンマインド製品として認定・登録しています。 2022年度は、グループ全体で63件のグリーンマインド製品が審査され、関連する300製品以上を新たに登録いたしました。これにより、関係する事業部門の売上高に占めるグリーン関連製品(グリーンマインド製品とグリーン製品の合計)の比率は58%に達しています。 グリーン関連製品は、2011年の制度開始から累計で4000を超える製品を登録しています。この活動はグループ会社にも展開をすすめており、現在は西日本電線株式会社と株式会社スズキ技研、株式会社フジクラプリントサーキットとともに活動を推進しています。今後他のグループ会社各社とも共同した活動をすすめ、当社グループの収益に占める環境配慮型製品の貢献を高めて参ります。 なお当社におけるグリーン関連製品の認証は、ISO14021に定める環境ラベルタイプⅡを採用しています。 環境配慮型製品 超小型コネクタ 【用 途】スマートフォン,小型電子機器 【環境配慮】スマートフォンをはじめとする小型の電子機器の内部で、配線や基板を接続するための超小型コネクタ。電子機器自体の小 型化・薄型化がすすむと、これらコネクタにも小型化・薄型化が求められます。コネクタは、樹脂成形した部品と、電気的 接続のための金めっきを施した端子から構成されます。 22年度にグリーンマインド製品として新規登録したFPC接続コネクタでは、コネクタ形状や嵌合部の形状を工夫することに より、接続の容易さや信頼性は維持しつつ、端子ピッチ0.2 mm、嵌合高さ0.55 mmを実現しました。これは十分に小型化 されていた従来品と比較して、嵌合高さが0.11mm低背化し、また重量・体積とも40%近く削減しています。 他のコネクタでも同様に小型低背化・軽量化をすすめており、電子機器の小型軽量化に貢献するだけでなく、コネクタに使 用する樹脂量を削減することでCO2排出量削減に貢献しています。 また当社コネクタでは、小型化だけでなく、金めっきの省金化や再生金の使用により、特性や信頼性を損ねることなく希少 資源である金の使用量削減を並行してすすめています。 間欠接着型光ファイバ心線Spider Web Ribbon®(SWR®)及びこれを用いた光ケーブル 【用 途】FTTxや、大規模データセンタ向けの高密度光ケーブル 【環境配慮】単心の光ファイバが間欠的に接着されたSWR®では、リボン形状を容易に変形させることが出来ます。 これにより従来ケーブル化する際に必要だったスロット保護が不要となり、ケーブル自体の外径や重量 を最大60%削減することができました。 また、SWR®を採用した光ケーブルでは、使用する光ファイバ素線を250 μm→200 μmと細径化する ことによりケーブル外径を拡げることなく実装可能な心数を増やし、且つ軽量化も実現しました。 更にSWR®におけるファイバピッチを250 μmファイバと200 μmファイバで同じとすることにより、 相互の融着接続を可能とし、敷設作業時における作業性の向上にも寄与しています。 ラック搭載型光コネクタ成端ボックス 【用 途】データセンタ向けの光ケーブル付き光コネクタ成端ボックス 【環境配慮】高密度化と高メンテナンス性を両立する光成端ボックスを実現しました。 新開発の成端ボックスは他社同等品と比べ同体積比で1.5倍の光ファイバコードを収用することが可能であり、省資源化に 貢献します。 通常は単純に高密度化するとボックス内の光コネクタ挿抜の作業性が損なわれますが、コネクタトレイのスライド機構の採 用により、メンテナンス性を損なうことなく、コネクタの挿抜を容易・且つ安全に行うことが可能となりました。 またSWR®/WTC®の採用によりケーブルサイズは小型化し、ラック内/ダクト内に通線可能な心数も向上されます。 高性能ヒートパイプモジュール 【用 途】車載大容量パワーエレクトロニクス向けヒートパイプ 【環境配慮】ヒートパイプ内部の焼結銅粉の配置を最適化することにより、最大熱輸送容量が20%以上、大幅に向上しました。 これにより、同じ熱輸送容量であれば必要なヒートパイプ数を削減することができ、また同じ容積であればより効果的に 冷却を行うことが可能となります。 キャビネット型高出力ファイバレーザ 【用 途】産業用レーザ加工 【環境配慮】高出力ファイバレーザの構成要素となるファイバレーザモジュールを小型化することにより、最終製品であるキャビネット 型高出力ファイバレーザの小型化を実現しました。ファイバレーザモジュール内の部品配置や設計、構成部品を見直し、 レーザ出力を上げつつフットプリントを40%削減しました。その結果、このモジュールを複数台搭載して構成される高出 力ファイバレーザ加工機において、従来の同出力製品と比較して体積を60%,重量を40%削減しました。また使用する部 品の見直しと設計の最適化により、消費電力を20%削減しました。これにより、年間の稼働時間を2000時間と仮定した場 合、年間の消費電力は一台あたり10,800kWhの削減が可能で、年間約6tのCO2削減に貢献します。