株式会社フジクラ

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環境

環境長期ビジョン

[方針] 地球環境憲章

 フジクラグループは、1992年に「フジクラグループ地球環境憲章」を制定し、2013年に「生物多様性の保全」を重要な環境テーマの一つとして追加しました。

フジクラグループ地球環境憲章

制定 1992年4月 / 改訂 2020年11月

[目標] フジクラグループ環境長期ビジョン2050

 フジクラグループは、2015年の国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)における「パリ協定」の採択や、2016年3月「地球温暖化対策計画」における2050年「CO2を80%削減」(2015年比)等を踏まえ、2016年に「環境長期ビジョン2050」を制定しました。

フジクラグループ環境長期ビジョン2050

2016年7月19日制定

 フジクラグループは、1885年の創業以来、電線ケーブル、電子配線部品、自動車電装部品など“つなぐ”テクノロジーを通じ顧客の価値創造と社会に貢献して参りました。加えて、2009年より、人にやさしい、地球環境にやさしい企業グループとして、持続可能な社会の実現に向けた「企業の社会的責任」(CSR)の取り組みを進めています。
 経済協力開発機構(OECD)等国際機関の予測では、地球環境は今、危機的な状況に向かいつつあります。温室効果ガスによる気候変動に起因する異常気象は、私たちの日常生活への脅威となり、また人口増加や経済活動の増大と共に水不足や資源枯渇、深刻な大気汚染、生物多様性の劣化など、環境問題は広範囲にわたり、地球規模で深刻化しています。
 このような現状を踏まえ、グローバルに事業を進めるフジクラグループは、地球市民の一員として、2050年の未来を見据え、環境負荷の最少化に向けた「4つのチャレンジ」に取り組みます。
 さらに、“第4の創業”を迎える2065年には、グループの環境負荷削減を進めて、地球環境への負荷をゼロから、さらにマイナスへのチャレンジ(地球環境にプラス効果)を進めて参ります。

4つのチャレンジ

CO2排出量ゼロへ向けたロードマップ

 フジクラグループ環境長期ビジョン2050では、チャレンジの1つに「2050年に工場からのCO2排出量ゼロにチャレンジする」を掲げています。その達成向けたCO2排出量削減に向けてのロードマップを以下のように設定しています。省エネルギーや脱化石燃料の活用、ゼロエミ工場の認定や社内省エネ基金設立など、具体的な施策を推進していきます。

年度ごとのCO2削減目標の設定

  • 2020年度:2013年度比3%以上削減
  • 2030年度:2018年度比40%以上削減
  • 2050年度:工場からの排出ゼロチャレンジ

CO2総排出量削減ロードマップ(国内)

CO2総排出量削減ロードマップ(国内)の図

ロードマップ達成へ向けた取り組み

 フジクラ本社ビルおよびR&D センターでは、2017年9月よりアクアプレミアム電力の使用を開始し、フジクラダイヤケーブル福井工場では、2018年4月再生可能電力の使用を開始しました。また、海外ではタイ王国のFETL社のカビンブリ第1工場では、ため池に水上太陽光パネルを設置し、2019年より給電を開始しています。さらにはアユタヤ第1工場、ナワナコン第3工場で屋根置き型の太陽光パネルの設置も行われています。

本社

工場

タイ王国パネル

外部との協働

 フジクラグループでは、気候変動対応に向けて社外の有識者とさまざまなコミュニケーションを図り、今後
の取り組みに生かしています。また、CDP( Carbon Disclosure Project)の気候変動プログラムへの回
答を継続しており、2020年度はA-の評価を受け、社内の対応強化に生かしています。

TCFD※1への賛同表明およびRE100※2の参加、SBTiへのコミット

 フジクラグループは、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)が2017年に公表した提言に賛同しました。気候変動がもたらすリスクと機会を分析し、ステークホルダーの皆様に情報開示していくことで、持続可能な社会の実現に貢献します。
 また、事業活動に要する電力を100%再生可能エネルギーで調達することを目標に掲げる企業が参加するイニシアチブであるRE100にも加盟しました。2050年に工場CO2総排出量ゼロを掲げ、その一環として2050年に電力の再生可能エネルギー化100%を目指し、中間目標として、2030年に45%、2040年に90%を設定し、達成へ向けたロードマップを作成、遂行しています。
 さらに、パリ協定(世界の気温上昇を産業革命前より2℃を十分に下回る水準に抑え、また1.5℃に抑えることを目指すもの)が求める水準と整合した、5年~15年先を目標年として企業が設定する温室効果ガス削減目標に対し、参加を承認するSBTi(Science Based Targets initiative)の認定取得に向け、科学と整合した目標を設定することをコミットしています。

※1、※2

フジクラグループ環境管理活動指針

2020年度目標・結果、2021年度環境目標

 フジクラグループは、「フジラグループ環境管理活動指針 5版」策定し、環境管理活動に取り組んでいます。

フジクラグループ環境管理活動指針 5版

項目   【フジクラグループ環境管理活動指針 5版】
CSR重点方策Ⅲ CO2の排出量削減
CO2総排出量削減 
国内連結対象会社:2020年度において、2013年度比3%以上削減する
(長期目標 2030年度において、2013年度比 6.5%以上削減する)
海外連結対象会社:CO2排出量原単位を2014年度比で年 1.3%以上改善する
省エネ:エネルギー原単位改善
国内外連結対象会社:年1.3%以上改善する
物流に伴うエネルギー原単位改善
国内:製品物流のエネルギー原単位:年平均1%以上改善する
再生可能エネルギーの導入を推進する
水リスク 水の使用量削減
国内連結対象会社 原単位:年1%以上改善する
生物多様性確保の活動
事業所内自然の有効活用により生物多様性に貢献する
管理項目 資源 投入資源を減らし、資源の効率的な利用を推進する
生産に伴う廃棄物排出量の削減
国内連結対象会社 原単位:年1%以上改善する
廃棄物ゼロエミッション(※)
国内連結対象会社:廃棄物ゼロエミッションを継続する
化学物質 環境負荷物質の削減
国内連結対象会社:主要環境負荷物質の排出移動量を、原単位で2015年度比 年1%以上改善する
揮発性有機化合物(VOC)の排出量削減
主要VOCの大気排出量を、原単位で2015年度比 年1%以上改善する
製品・グリーン調達 環境配慮型製品の拡大
環境配慮型製品の登録件数を毎年60件以上とする
サプライチェーンでの製品含有化学物質管理を推進する
(グリーン調達及び禁止物質管理の徹底)

※廃棄物ゼロエミッションの定義:廃棄物の直接埋立および単純焼却処理がないこと

2020年度目標と結果

[評価] ○…達成   △…未達項目あり   X…未達

項目 2020年度目標 2020年度結果 評価
CO2の排出量削減 ・CO2総排出量の削減:
(国内連結) 2013年度比3.0%以上
(国内連結)
CO2総排出量:2013年度比 フジクラ単体27.6%減少、国内グループ21.6%減少
・CO2 排出量原単位(※1)の改善:
 (海外連結) 2014年度比 5.2%以上
(海外連結)
CO2排出量原単位:2014年度比11.4%改善
・生産性エネルギー原単位の改善:
(国内連結) 2019年度比 1.3%以上
(海外連結) 同上
(国内連結)
生産性エネルギー原単位:2019年度比1.2%改善
(海外連結)
生産性エネルギー原単位:2019年度比8.2%改善
・製品物流のエネルギー原単位の改善:
(国内連結) 2019年度比 1%以上
(国内連結)
製品物流のエネルギー原単位:2019年度比7.6%悪化
コロナ禍の経済の停滞、および19年度の高レベルの反動によるも、18年度までの改善傾向は維持
×
・再生可能エネルギー導入 フジクラ鈴鹿事業所、佐倉事業所について太陽光発電設備の導入を検討した
水リスク ・水の使用量原単位の改善:
(国内連結) 2019年度比 1%以上
(国内連結)
水使用量原単位:2019年度比7.8%改善
生物多様性確保の活動 ・事業所内自然の有効活用 ・「佐倉千年の森」整備を継続
・希少植物保護のため、階段、土留め等の整備を推進
・2019年度の台風15号による大規模被災の復旧を積極的に実施した
資源 ・投入資源を減らし、資源の効率的な利用を推進
梱包材料の投入重量の削減(リサイクル品の使用量):
(国内連結) 7,000トン以上削減
(国内連結)
梱包材料の削減量:10,157トン
・生産に伴う廃棄物排出量原単位の改善
(国内連結) 2019年度比 1%以上
(国内連結)
廃棄物排出量原単位:6.8%改善
・廃棄物ゼロエミッション(※2):
(国内連結) 廃棄物ゼロエミッション
非リサイクル率 (※3)0.45%
ゼロエミッション未達成
中国の廃プラ受入中止により国内リサイクル処理能力が不足したことが影響し、直接埋立量が増加
×
化学物質 ・主要環境負荷物質の排出移動量原単位の改善:
(国内連結) 2015年度比 5%以上
主要PRTR物質排出移動量
原単位:2015年度比37.3%改善
・主要揮発性有機化合物(VOC)の大気排出量原単位の改善:
(国内連結) 2015年度比 5%以上
VOC大気排出量原単位:
2015年度比20.2%改善
製品・グリーン調達 ・環境配慮型製品の登録件数:
年間60件以上
グリーンマインド製品の登録:64件
グリーン製品の登録:2件(上記内数)
・サプライチェーンでの製品含有化学物質管理を推進する ・パートナーズミーティングを東京、中国にて開催、出席社に、環境負荷物質含有防止や温室効果ガス削減への取り組みに関するアンケートを実施
・CSR調達ガイドラインを配布、含有化学物質管理の継続実施を要請、同意書提出を評価項目として設定

※1原単位:売上高あたりの数値(表中のすべてに適用
※2廃棄物ゼロエミッションの定義:廃棄物の直接埋立および単純焼却処理がないこと
※3非リサイクル率(%):〔(直接埋立量+単純焼却量)/廃棄物等総排出量〕*100

「フジクラグループ2025環境管理活動指針」および「2021年度環境目標」

2021年度を迎えるにあたり、2020年12月に開催した地球環境委員会において、新たに2021-2025年度を対象期間とする「フジラグループ2025環境管理活動指針」、およびグループ全体の「2021年度環境目標」を策定しました。

フジクラグループ 2025環境管理活動指針/2021年度環境目標

分類 環境活動管理指針(2021-2025年度) 対象エリア 2021年度環境目標
CO2の排出 ■CO2総排出量の削減
・CO2総排出量:
2025年度において、350千トン/年以下
(2018年度比20%以上削減)
国内
海外
・CO2総排出量:420千トン/年以下
(2018年度比 4%以上削減)
■生産効率の向上(省エネの推進)
・生産エネルギー原単位:
2025年度において、2020年度比10%以上改善
国内
海外
・生産エネルギー原単位:
2020年度比 2%以上改善
■製品物流効率の向上
・製品物流のエネルギー原単位:
2025年度において、2020年度比5%以上改善
国内 ・製品物流のエネルギー原単位:
2020年度比 1%以上改善
水リスク ■水リスク低減への貢献
・水の使用量原単位:
2025年度において、2020年度比5%以上改善
国内
海外
(国内)水の使用量原単位:2020年度比1%以上改善
(海外)水使用量の把握
生物多様性 ■事業所内自然を有効活用し、生物多様性の拡大に貢献する
■地域の自然環境保全活動を推進する事業所内自然の有効活用により生物多様性に貢献する
国内
海外
・事業所内自然を有効活用
・地域の環境保護活動へ参画
資源 ■投入資源を減らし、資源の効率的な利用を推進する 国内
海外
(国内)再生ドラム・梱包材使用量:10,000トン以上
(国内)梱包材の削減重量、通い箱の利用重量:現状把握
(国内・海外)上記以外、各拠点にて削減対象を設定し活動する
■事業活動に伴う廃棄物排出量の削減
・廃棄物排出量原単位:
2025年度において、2020年度比5%以上削減
国内 ・廃棄物排出量原単位:
2020年度比 1%以上改善
■廃棄物ゼロエミッションの達成 国内 ・廃棄物ゼロエミッションの達成
(直接埋立および単純焼却廃棄物の排出量ゼロ
化学物質 ■化学物質使用量の削減
・環境負荷物質(主要PRTR対象物質)の排出・移動量原単位:
2025年度において、2020年度比5%以上改善
・揮発性有機化合物(VOC)の大気排出量原単位:
2025年度において、2020年度比5%以上改善
国内 ・主要PRTR対象物質の排出・移動量原単位:
2020年度比 1%以上改善
・VOCの大気排出量原単位:
2020年度比 1%以上改善
製品・グリーン調達 ■環境配慮型製品の拡大
・グリーン関連製品登録件数:
60件/年以上
・グリーン関連製品の売上高比率:
2025年度において、50%以上到達
国内
海外
・グリーン関連製品登録件数:
60件/年以上
・グリーン関連製品の売上高比率:42%以上
・売上高比率目標達成のための体制を構築
■サプライチェーンでの製品含有化学物質管理を推進する
(グリーン調達及び禁止物質管理の徹底)
国内
海外
・RoHS禁止物質管理、REACH規則の遵守と情報伝達
・SCIPヘの対応を開始
環境トラブル ■地域への有害な環境影響の低減
・環境事故の発生件数:0件
国内
海外
・環境事故の発生件数:0件

非リサイクル率(%)=〔(直接埋立量+単純焼却量)/廃棄物等総排出量〕*100

環境パフォーマンスデータの第三者検証の充実と拡大

 フジクラグループは、CSR統合報告書の信頼性を高めるために、毎年、審査機関(独立した第三者)による環境パフォーマンスデータの検証を行っています。2020年度は、フジクラ本社および国内21生産拠点において、エネルギー使用量、水使用量およびCO2排出量を対象として検証を実施しました。

2020年度データ検証の概要

  • 範囲(*):フジクラ本社、および国内連結対象会社の21生産拠点
  • (*)フジクラグループ国内全体のCO2排出量および水使用量の99%以上をカバー
  • データーの期間:2020年4月1日~2021年3月31日
  • 対象:事業活動に伴う、①エネルギー起源CO2排出量Scope1&2 ②Scope3 Cat3のCO2排出量 ③水使用量 ④再生可能エネルギー使用量
  • 検証会社:ビューローベリタスジャパン株式会社


2018年度データ検証画像1

※画像は2019年度審査の様子(2020年度は全てリモート審査)

2018年度データ検証画像2

2018年度データ検証画像3

気候変動対策に関する業界団体への関与

 フジクラは、日本の電線製造事業者の業界団体である一般社団法人日本電線工業会(経済産業省非鉄課が管掌)に所属しています。同会では、経済産業省や日本経団連が掲げる「低炭素社会実行計画」の達成に貢献するため、「環境保全に関する自主行動計画」に取り組んでいます。
 気候変動対策や廃棄物削減など電線業界特有の環境課題の解決に向けて、環境専門委員会を組織しています。 気候変動対策について、主にメタルケーブル・光ケーブル製造に係るエネルギー消費量削減を掲げ、2020年目標・2030年目標といった中長期目標を設定し各社の環境目標に組み込まれています。
 また、循環型社会形成に向けては産業廃棄物のリサイクルの推進に取り組んでいます。 フジクラグループの戦略として上記目標に加えて、RE100加盟、TCFD賛同表明、SBTiにコミットをしています。
  これらの目標及び活動を共有化のために、すべての事業部門、主要な拠点の代表が出席するフジクラグループ地球環境委員会で展開しており、各部門活動との整合性を確認し、必要に応じての計画変更なども含め、気候変動対策を進めています。

RE100署名企業として政府への共同書簡に協力

 フジクラは、国際環境NGOのThe Climate Group(TCG)が運営する事業電力を100%再生可能エネルギーで調達することを目指す国際イニシアチブ「RE100」に加盟しています。
 2020年3月22日、RE100は日本政府に対し、カーボンニュートラルへの転換を急速に進めるために、2030年までの再生可能エネルギー目標を50%以上にまで高め、現行目標の倍以上にすることを求める共同書簡を送付しました。フジクラはこの共同書簡に署名した1社です。

RE100の共同書簡

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