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ESG

フジクラグループのCSR

第三者意見 / ご意見を受けて

第三者意見

本木 啓生 株式会社イースクエア 代表取締役社長

本木 啓生
株式会社イースクエア
代表取締役社長

 統合報告書2021では、フジクラグループは事業再生計画「100日プラン」の完遂に向けた変革の途上にあるとしています。CEOメッセージでも詳しく述べられていますが、「選択と集中」と「ガバナンスの強化」を重点施策として設定しているということで、痛みを伴う変革を進めていることを理解します。「選択と集中」においては各事業領域における取捨選択を明確化することでスリム化を図り、固定費削減の効果も出ています。「ガバナンスの強化」においては、カンパニー制の廃止と事業部門制への移行を行うとともに、新設されたポストCOOにより、中核事業間の壁を取り払い、シナジーを加速させていく戦略を開始しています。取締役、執行役員の数を半減させ、社外取締役の構成比率を50%まで引き上げるなど、フジクラグループが抜本的な変革を断行する決意が報告書の随所に感じられます。

 価値創造の源泉として、「技術力」「顧客との長期的な信頼関係」「社会変化への対応力」の3つを競争優位性として挙げています。社会が求める課題に対応できる技術力をベースに、“営事製開”一体となり、顧客の期待を超える提案をし続けることができれば、確かに顧客価値創造サイクルを回し続けることができます。さらに、過去にも困難を乗り越えてきた実績に基づくレジリエンス力により、社会の大きな変化にも対応していくことができるでしょう。

 カーボンニュートラルに向けた取り組みについては、昨年の第三者意見において、2050年CO2排出ゼロに向けた道筋として2030年に向けた削減目標と具体的な方策を示していくことが大切との指摘をさせていただきました。その後、科学的な知見と整合した目標設定を行っていくことを主導するSBTi認定取得に向けた準備を進めるなど、進展が見られています。

 サステナビリティと事業を統合していく観点では、各事業部門のページにおいて関連性の高い社会課題として事業環境の変化についての説明が追加され、一歩前進しています。ただし、気候危機、資源枯渇や経済格差など、各事業を展開していく上で想定される深刻なサステナビリティ課題に関するジレンマや制約条件あるいは事業機会などを事業戦略上どのように認識し、対応していこうとしているのかという点は気になります。

今後の改善点として以下の3点を挙げさせて頂きます。
・価値創造モデルについては一通りの説明はできているのですが、さらに深堀りして頂きたいと考えます。現在進行中の事業再生計画「100日プラン」も織り込み、今後の価値創造のあり方についての経営レベルでの徹底した議論の結果を盛り込むことで、より説得力のあるストーリーになると思います。現在直面する危機を乗り越えるために得られた様々な学びを反映させることで、他社とは一線を画すより力強い価値創造モデルに昇華できるのではないかと期待しています。

・ダブル・マテリアリティの考え方を盛り込み、マテリアリティ特定の考え方を整理しています。議論の過程が見えるようになり改善されていますが、F(財務・将来)、E(環境)、S(社会)、G(ガバナンス)の枠に囚われすぎている印象です。4つのテーマの枠を取り払い、各項目に対する自社にとってのマテリアリティの優先順位を経営視点で検討すると良いと思います。マテリアリティ・マップにおける相互の位置関係や、ビジネスと人権の観点を強めるとしながらも従業員のことしか重点方策に組み込まれてないなど、4つのテーマを前提とすることで違和感が出てきてしまう箇所があるからです。

・人権デュー・ディリジェンスの推進に関しては、想定される人権リスクの特定をされていますが、具体的にどこに課題があり、この一年間でどのような進展があったのかが分かりません。「ビジネスと人権に関する指導原則」が求めているのは、企業にとってのリスクではなく、人にとってのリスクです。人権侵害を受ける可能性がある人の目線による人権リスクの優先順位付けを行い、特定した顕著な人権課題を事業プロセスにどのように組み込んでいるのか、あるいは組み込もうとしているのかについての開示が望まれます。CEOメッセージにおいて人権は事業を行う前提条件だと明言されていることからも人権意識の高さがうかがえます。デュー・ディリジェンスの整備をしていく中で、リスクとして気づけていなかったことが多々あったとCEOメッセージで説明されていますが、詳述のページにおいて検討の状況が開示されると良いと思います。

 フジクラグループの報告書を継続的にレビューさせて頂く中で、経営状態の如何に関わらず一貫してサステナビリティを追求し続ける姿勢に敬意を表します。今後、事業経営にサステナビリティの要素をより一層統合していくことで、中長期的な企業価値向上を実現することへの説得力が増すと考えます。現在、IFRS財団が中心となり国際会計基準の中にサステナビリティの要素を組み込むための議論が始まっており、サステナビリティが主流化する動きが世界的に加速しています。持続可能な“みらい”社会の実現に向け、より本質的なサステナビリティ経営を追求して頂ければと期待しています。

ご意見を受けて

齊田 昭
執行役員(コーポレートスタッフ部門)

今回も第三者意見をいただきありがとうございます。
フジクラグループは 2019年度の大幅な決算悪化を受け、2020年度を最終年度とした中期経営計画を断念、「ガバナンス強化」と「聖域なき選択と集中」を要諦とした事業構造改革「100日プラン」を策定し、その実行にあたってきました。この「100日プラン」は伊藤社長CEOが主査を務める経営資源効率化委員会で議論を重ね、これまで計112のアクションアイテムを設定、2021年末にはそのうち約9割のアイテムは既に実施済みもしくは方向付けが完了しています。

一方で、 国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)の成果文書では、産業革命以前と比べて世界の気温上昇を1.5度に抑える努力を追求する旨が明記され、野心的な気候変動対策が求められるようになりました。そのような状況のなか、フジクラグループはフジクラグループ環境長期ビジョン2050を2016年に制定し、環境負荷の最少化に向けた4つのチャレンジに取り組んでいます。特に、カーボンニュートラルの実現に向けては、自社のCO2排出削減や再生可能エネルギーの導入推進だけではなく、サプライチェーン全体での脱炭素を目指しています。現在、SBTi認定取得に向けた準備を進めており、今後も気候変動対策に注力していきます。

さて、本木啓生様より専門家としてのお立場から第三者意見をいただき、主に「価値創造モデルのさらなる深堀」「マテリアリティの優先順位の経営視点での検討」「人権デュー・ディリジェンスの推進」についてご提言をいただきました。ご提言一つひとつをしっかりと受け止め 、サステナビリティ戦略会議の検討課題とさせていただきます。ご提言一つひとつをしっかりと受け止め 、サステナビリティ戦略会議の検討課題とさせていただきます。

フジクラグループは経営理念MVCV『フジクラグループは“つなぐ”テクノロジーを通じ顧客の価値創造と社会に貢献する』の実現を目指し、ESGを含む様々な社会課題の解決にむけた取り組みを続けていきます。

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