株式会社フジクラ

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ESG

トップメッセージ

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岡田取締役 写真

コロナ禍における現場社員への感謝

 日頃よりフジクラグループの事業活動を支えていただいておりますステークホルダーの皆様には、格別のご高配をいただき厚く御礼申し上げます。
 2020年から続く新型コロナウイルス感染症の対応が現在でも続いています。フジクラグループでは、現場で働く社員の感染防止と安全衛生の確保を最優先に細心の注意を払い操業を続けております。
 例えばメキシコでは、現場で働く社員の感染防止を最優先にしつつ安定操業を続けるため、勤務する班の編成を複数つくり、万が一感染者が発生しても影響を最小限にする対策を行うほか、個人の衛生意識の啓発を行うなど、クラスター発生を回避するための施策を続けています。
 私は、このような有事の際の対応、現場のオペレーションの底力について、改めて多くのステークホルダーの皆様にご紹介することで、現地の幹部や社員一人ひとりのマネジメントに感謝と敬意を表したいと思っております。

品質不適切事案を風化させない

 2018年に公表した品質不適切事案について、社会からの信頼回復に向けた取り組みに終わりはありません。
 品質は企業価値そのものであるという意識を社員にあまねく根付かせ、品質不適切事案を風化させないために、トップが強い意志をもって、風土改革を含む再発防止対策についてメッセージを発信し続けてまいります。

事業再生フェーズから持続的成長フェーズへ

 当社グループは、2019 年度の急速かつ大幅な業績悪化を受けて基本戦略を「早期の事業回復への集中」に転換し、2020 年度下期以降を「事業再生フェーズ」と位置付けて全社一丸となって諸改革を推進してまいりました。事業再生計画「100日プラン」に基づき、「グループガバナンスの強化」及び「既存事業の聖域なき『選択と集中』」を重点施策として、主要事業の安定化・収益性向上を図っています。
 具体的には、「グループガバナンスの強化」として、2021年4月1日より取締役及び執行役員の人数を半減するとともに、カンパニー制の発展的解消等の組織改革を実施して、責任と権限の明確化、機動的な意思決定及び効率的な事業運営を実現してまいりました。
 一方、「既存事業の聖域なき『選択と集中』」として、光ケーブルトータルソリューション事業の強化、エネルギー事業子会社の売却、設備投資の厳選、拠点の統廃合、不動産売却等、様々な施策による固定費低減・事業安定化、最適事業ポートフォリオの追及に努めてまいりました。その最大の改革として、エネルギー事業及びFPC(フレキシブルプリント配線板)事業について、分社・再編することといたしました。
 以上の取り組みを持って、事業再生フェーズ下における一連の取り組みに目途がついたものと判断したことから、持続的成長フェーズへ舵を切ることを決断したものです。

代表取締役及び最高経営責任者の異動

 これまで取締役社長CEOの伊藤が構造改革を、取締役COO(最高執行責任者)の私、岡田が中核事業の推進を担っておりました。
 この度、前述の通り、事業再生フェーズにおける構造改革等に一定の目途がついたことから、2022 年4 月より岡田が取締役社長CEO として当社グループを率い、伊藤は業務執行を行わない取締役会長として新体制による事業運営の監督と支援を行う体制といたします。なお、これは社外取締役が過半数を占める指名諮問委員会の答申を得て、取締役会において決定したものです。

CFO(最高財務責任者)、CTO(最高技術責任者)の設置

 取締役社長CEOの交代を行いましたが、一方、高度なガバナンスと高い企業価値を求められるプライム市場を選択した「モノづくり」の会社である当社には、極めて高い専門性を必要とするコーポレートファイナンス分野、および技術開発分野においてそれぞれ高い専門的知見を有するとともに全社的な視座を持って業務を執行出来る人材を登用することが必須であると考えています。

 2019 年度における急速な業績悪化の一因として、非常に多額の設備投資を行った結果、事業環境の変化に機動的に対応することが困難となってしまったという大きな課題があることを認識しております。今後の成長戦略においては、企業価値最大化をミッションとして負い、全社的な投資判断の適正化、リスク管理強化が必要であるとの観点から、財務規律を強化するためCFOを設置することとしました。

 また、当社は「技術のフジクラ」を標榜し、少なからずその分野において浸透していたとの自負があります。今後起こるであろう社会の多様な変化や技術の進展があるところには、必ずフジクラグループの優れた技術を活かせるビジネスチャンスがあると考えています。そのために今一度「技術のフジクラ」として、技術力の強化が必要であるとの観点から全社事業戦略策定を担うCTOを設置することとしました。

 つまり、CEOの機能の一部、すなわちCFOが財務面の専門性を活かした機能を、またCTOが技術開発面の専門性を活かした機能をそれぞれ補完し、取締役社長CEOが全社戦略の推進を遺憾なく発揮できる体制とすることで当社の持続的成長を図ってまいります。

 当社は、第173 期定時株主総会招集通知や本年度発行の統合報告書に掲載のスキルマトリクスでもお示ししております通り、財務及び技術にかかる専門性を具備した業務執行取締役を適切に配置できておりませんでした。今回のCFO、CTOの設置により、社内取締役の保有スキルの体制は全社戦略・財務・技術・グローバルがそろうこととなります。

 「新生フジクラ」は、この経営体制をもって持続的成長を期すべく事業を推進してまいります。

 なお、新たな成長戦略としての新中期経営計画は2023 年5 月公表を予定しています。

カーボンニュートラルの達成に向けて

 世の中の変化を捉える中で現在直面している最も大きな課題が気候変動対応です。
 グローバルで脱炭素が叫ばれ、日本でも2050年カーボンニュートラルが表明されるほか、一部顧客からもCO2排出量の削減が要求されています。当社では、2016年にフジクラグループ環境長期ビジョン2050を制定し、4つのチャレンジの実現を目指しています。最も野心的なチャレンジは、2050年に工場からのCO2排出量ゼロの実現です。そのためには再生可能エネルギーの導入が効果的であり、当社は国際的な再生可能エネルギー普及のイニシアチブであるRE100にも加盟しています。
 また、積極的な情報開示も注力すべく、カーボンニュートラルを含む気候変動対策の取り組みはTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への賛同を機会に、社内での情報整理を進めています。気候変動関連のリスクと機会が自らの事業成長や財務に及ぼす影響を分析し適切に情報開示することで、顧客や投資家などステークホルダーとの建設的な対話に活用していきます。

 ESGは企業価値そのものであり、更に重要度が増しております。ただ、当社のようなメーカーにとってカーボンニュートラルの達成はハードルが非常に高いのも事実です。達成に向けては、真正面から真摯にこの問題に取り組む以外ないと思っております。徹底した省エネのほか、自前で発電する創エネやクレジット購入などが主な対応策となります。2030年の中期目標達成に向けては省エネをベースにし、分散された拠点の集約など効率の良いオペレーションの実現を目指しています。

研究開発の強化

 成長フェーズにむけては、中核事業の確実な成長とともに、世の中の変化を捉えた新規事業を生み育てていく必要があります。
 CTO(最高技術責任者)の設置により、「技術のフジクラ」を強化、エンドユーザの動向・ニーズを意識し、「フジクラだからこそ提供できる価値」を考慮した研究開発を行うことができるように技術開発を進めてまいります。

革新的な製品に環境付加価値をつけたWTC®

 そこで、当社の細径高密度型光ファイバケーブルであるWTC®をご紹介します。
 WTC®は、既存の細径の中に高密度のケーブルが入れられるようになった製品性能もさることながら、お客様の総保有コスト(Total Cost of Ownership:TCO)削減にも寄与しています。これまでの通信工事は、ファイバ容量の増加に対応するためのダクトやハンドホールなどが必要であり、土木工事のコストの割合が高くなっていました。
 しかし、WTC®は細径・軽量のため、既存の設備を活用することができ、追加の土木工事が不要となるので、お客様の工事費用を大きく削減することができます。また、同じ機能を持ったケーブルを製造する際との比較において、78%の省エネを実現しました。
 製品における使用プラスチック量の削減や製造効率による消費電力量の削減、輸送効率向上に伴うCO2排出削減など様々な環境付加価値が高いことが特徴です。今後は、省エネをキーワードにした製品をいかにつくれるかが重要であり、WTC®をグッドプラクティスに、引き続きグリーン製品の開発を進めるとともに、SDGs 達成の貢献にも寄与していきたいと考えています。

持続的成長フェーズに向けて

 当社グループは、「フジクラグループは“つなぐ”テクノロジーを通じ顧客の価値創造と社会に貢献する」、「私たちは“つなぐ”テクノロジーの分野であくなき挑戦を続け価値ある商品及びソリューションの提供により顧客の信頼に応え社会に貢献します」との経営理念の元、情報通信、エネルギー、エレクトロニクス、自動車電装の分野において、これまで社会及びお客様に対して、決して少なくない貢献をしてきたものと自負しています。

 当社の存在意義は、独自の技術をもってお客様の価値創造と社会への貢献を果たしていくことであり、それこそが当社が生き残っていくための唯一の道であると考えています。
世界では今後も大きな変革が進むとともに、多様な技術革新が起こってまいります。こういった社会の変化や技術の進展があるところには、必ずフジクラグループの優れた技術を活かせるビジネスチャンスがあると考えています。

 近年ますます高まる企業の持続的成長、サステナビリティ追求に対するステークホルダーの皆様からの期待に応えるべく、ESGを経営に統合していく中で、先ほどお話ししたカーボンニュートラルなど直面している新たな課題を克服するため、私が先頭に立ち検討していくとともに、サステナビリティガバナンスの整備を通じて、資本コストの低減にもつなげていきたいと考えています。

 22年1月末に発行した統合報告書では、前社長の伊藤がステークホルダーの皆様に対しまして、品質不適切事案を風化させない取組説明、人材育成の取組、サプライチェーン含めた人権デューデリジェンスの整備推進、フジクラとしてのDX活用等、サステナビリティについて当社の考え方を説明しておりますが、これは経営陣の総意であり、リーダーのバトンを引き継いだ私としても当然にしっかりと推進していく所存です。

 今後、当社グループの持続的成長に向けて、役職員一同、持続的成長フェーズにおける新しいフジクラの創造のため、変革に向けた不断の新陳代謝を促す行動を起こし、優れた技術を顧客価値創造につなぐことで、社会貢献を果たしてまいります。

 そのような行動の結果としてお客様含めステークホルダーとともに栄えることが出来る利益の享受につながると確信します。
 ステークホルダーの皆様には、フジクラグループに対してこれまでと同様のご理解・ご支援を賜りますよう心よりお願い申し上げます。

取締役社長CEO
岡田 直樹

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