バックナンバー Fujikura Technical Review
取締役社長 辻川 昭
当誌「フジクラ技報」はおかげさまで本号をもちまして創刊100号を迎えることができました。これもひとえに当誌をご愛顧いただいております皆様方のご支援とご指導の賜ものと心から感謝申しあげます。
振り返ってみますと、フジクラ技報の前身は1935(昭和10年)に創刊いたしました「藤倉電線彙報」であり、1938年に戦火のために中断するまでの3年間に第7号までの発行を数えました。そして、戦後の混乱も収まりつつあった1950年に「藤倉電線技報」と表題を改めて再刊第1号として本誌の創刊号を発行いたしました。その後50年間にわたり絶えることなく発刊を続けて、ここに100号を数えるに至ったのであります。この間、社名変更にともない、1985年(第70号)には「フジクラ技報」と表題を改めております。
当誌は、弊社の技術的成果を広くご紹介することにより、多方面の方々との技術交流を深めさせていただくとともに、科学技術の進歩にいささかなりともお役に立てればと言うことで発刊してまいりましたが、幸いにして海外からも強いご要望をいただき、それにお応えすると言うことで英文版の技術報告誌として「FUJIKURA TECHNICAL REVIEW」を1969年に創刊し、既に30号を数えるに至っています。また、最近では弊社のホームページ(http://www.fujikura.co.jp/)上に96号以降のPDFファイルを掲載しており、ウェブ上からも本誌全文をご覧いただけるようにしております。
さて、最近のIT技術に代表される科学技術の世界の変化は目を見張るばかりであります。そして、これからも技術の変革はますますスピードを上げて進展するものと思われますが、このような中で、創業以来培われてきた「技術の創造こそが企業発展の礎である」という考えに基づく弊社の<技術を重視する>経営理念が、今こそその真価を問われる時であると認識しております。
本誌が掲載してきた論文の内容もその時代を反映して、当初は電線/特に超高圧電力ケーブルの技術開発に関するものが主であったのですが、近年では光通信技術・情報伝送用機器技術・電子材料/電子デバイス技術等に関するものが徐々に増加し、現在ではそれらが多数を占めるようになってきており、ここにも技術開発の変遷を実感するのであります。
弊社はますますスピードをあげて変化する時代に対応できるように、絶えず新技術の開発に総力をあげて挑戦し、その成果をこの「フジクラ技報」においてご紹介してまいる所存でございます。皆様方には今後とも相変わらぬご指導ご鞭撻をお願いいたしますとともに、引き続き「フジクラ技報」をご愛顧賜りますようお願いいたしまして、創刊100号発刊に際してのご挨拶とさせていただきます。
尚、本号は弊社の事業概要をご紹介する記事と、創刊号から本号までの総目次などを掲載した特集号といたしましたので、ご高覧いただければ幸甚に存じます。
本年表は以下の資料ほかより技術に関する事項を中心に抜粋したものです。
「フジクラ100年の歩み」(1985年)/ 当社「経歴書」(2000年)
第1号~第69号 藤倉電線技報(19501950年1月~1985年6月)
第70号~第100号 フジクラ技報(1985年10月~2001年4月)
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