株式会社フジクラ

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R&D
フジクラ技報

No.131 2018年7月

論文記事

スーパーキャパシタにおける急速充電モデル

蓄電デバイスを搭載した移動体は,様々な業種で利用される状況が近年増えている.移動体は能率の高い状態で常に維持されるのが理想的ではあるが,充電ステーションへの移動時間あるいは充電時間そのものの生産性のない時間(Idle time)を本質的に内包している.電気二重層キャパシタあるいはリチウムイオンキャパシタのような急速充電が可能で大静電容量のスーパーキャパシタは,この課題解決に最適な蓄電デバイスである.一方でスーパーキャパシタの能力を最大に発揮できる現実的な電源供給システムがなく,急速充電システムの構築が急務であった.本稿ではFlash Charging法に基づいてスーパーキャパシタを急速充電する際に所望の充電率と充電時間を実現する数学モデルを示し,その実証実験の結果を報告する.

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車載シート内蔵ハイブリッドデバイス

当社は,車載シート内に搭載して乗員と荷物を判別可能なシートベルトリマインダ(SBR)用センサや,乗員の体格や動的着座姿勢を検知する体格検知センサなどを,電子メンブレン技術を応用したデバイスとして開発し供給してきた.

一方,自動車産業の自動運転システム導入,EV化の流れの中で,従来型の車載電装品の概念を超えた搭乗者の安全性と快適性を追求した様々な電子電装デバイスの開発が業界内外で加速しており,軽量省スペースに加え省電力,多機能な検知・監視を可能とするデバイスの実現が求められている.

私たちは,従前の乗員検知センサデバイスに加えて,加温(シートヒーティング),検知情報の無線通信,運転者の生体情報(呼吸,心拍)検知などの機能を一体的に搭載したハイブリッドデバイスの開発を進めており,本稿ではプラットフォームとしての新配線基板を適用したSBR+シートヒータのハイブリッドデバイスを紹介する.

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HEV/EV用高柔軟耐熱アルミケーブルと接続技術

近年,環境保護への関心の高まりと各国の規制強化の潮流から,ハイブリッド電気自動車(HEV)や電気自動車(EV)の市場拡大がみこまれている.それらに用いられる電源システムは高出力化の傾向にあり,使用するケーブルは大電流化に対応するため大サイズ化し,重くかつ曲げにくくなる傾向がある.このような背景から,ケーブルの軽量化と柔軟性向上のニーズが高まっており,これにこたえるためわれわれはアルミ導体を採用することにより軽量化を行いつつ,従来の銅ケーブルよりも曲げやすいケーブルを開発した.加えて,アルミ導体と端子の接続を確かなものとするため,従来の圧着に代わる接続方式もあわせて開発した.

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LCP基板を用いたミリ波デバイス

近年,無線通信の高速大容量化が進んでおり,従来使用されてきたマイクロ波帯(~30GHz)では無線通信の高度化に対応できなくなっている.ミリ波帯(~300GHz)は光ファイバによる通信に匹敵する無線通信の実現が期待されており,とりわけ60GHz(V-band),70/80GHz(E-band)が次世代の高速無線通信の周波数帯として期待されている.ミリ波帯の無線通信機器を構成する場合,その周波数の高さから損失の増大が懸念されるため機器内の基板には低損失なものが求められる.液晶ポリマー(LCP)は低誘電でかつフレキシブルプリント基板の基材として用いられているポリイミドに物性が類似していることから高周波特性,基板製造の面で優位性を持つ.本報告ではLCP基板を用いた各種ミリ波デバイスの設計開発事例について紹介する.

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高偏波純度高出力半導体レーザ

ファイバレーザの励起光源として用いられるLDモジュールの高出力化が求められている.LDモジュール高出力化のために用いられる偏波合成技術においては,偏波純度の高いLDを用いることが重要である.本稿では,独自のSAS構造LDで99%以上の偏波純度が得られ,高偏波純度のLDを用いた偏波合成LDモジュールで最高出力394Wを達成したことを報告する.

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5kWシングルモードファイバレーザ

高い出力とビーム品質を有するシングルモードファイバレーザは,様々な材料加工への応用が期待されている.今回,5kWという高出力のシングルモードファイバレーザを実現した.高出力化の際に問題となる誘導ラマン散乱(SRS)は十分抑制されており,加工現場への導入を見据えた20mのデリバリファイバ長においても問題のないレベルであった.また本レーザを用いて高反射材である無酸素銅の加工実験を行い,レーザが高い加工性能と耐反射性を持つことを確認した.

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200µmファイバを用いた超多心高密度ケーブル

光ケーブルの高密度化を実現するため,Spider Web Ribbon(SWR)と呼ばれる革新的な光ファイバテープ心線を用いたWrapping Tube Cable(WTC)が開発され,実用化が進んでいる.

今回,われわれはWTCの超多心・高密度ケーブルの開発として,200μmファイバを用いたSWRを実装した3456心WTCの開発に成功した.開発したケーブルは,250μmファイバを実装したWTCと同等の作業性を有するとともに,Telcordia GR-20-COREの仕様を満足することを確認した.本稿では,新たに開発したWTCについて紹介する.

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シングルモードレンズコネクタ

近年のインターネットを利用した情報通信の発展により,情報通信量が急激に増大している.これに伴い,データセンター内装置の配線の光化が検討されているが,光接続部のダストによる通信品質の劣化が懸念となっている.これに対し,われわれは,耐ダスト特性や良着脱作業性が特長のMMFレンズコネクタを開発してきた.一方で,データセンターは更なる大規模化が必要となるため,建屋内通信の長距離化を図る必要があり,今後,光配線のSM化が必須となることが想定される.これに応えるため,今回,SMFレンズコネクタを開発し,接続損失1.0dB以下となり,実用可能レベルであることを確認したので報告する.

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新型被覆除去器及びファイバホルダ

次世代の光通信には,莫大な量の光ファイバが必要とされる.そのようなネットワークを経済的かつ効率的に構築するには,光ファイバケーブルの径や重さを減らすことが重要である.これを実現するために,より被覆が薄い被覆径φ200μmの光ファイバを使ったSpider Web Ribon*(以下SWRと記す)の研究が進められている.しかしながら,従来の被覆除去器はφ200μmの被覆が除去できない.さらに,光ファイバネットワーク構築現場での効率的な融着接続作業を実現するためには,調整または交換することなくすべての種類の光ファイバの被覆を除去できる工具が必要である.今回,これらの要求を満たす新しい被覆除去器とファイバホルダを開発した.

*“Spider Web Ribbon(SWR)”とは, 隣り合う2心の光ファイバを間欠的に接着したテープ心線を指す1),2).

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技術トピックス & 新製品紹介


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