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小型大容量なリチウムイオンキャパシタセルおよびモジュールの開発

2015年07月06日

株式会社フジクラ(取締役社長 長浜洋一)は、高出力を維持しつつ、小型・軽量かつ大容量なリチウムイオンキャパシタセル及びモジュールを開発しました。
太陽光発電や風力発電などの自然エネルギー発電電力の貯蔵や停電時のバックアップ、電圧の平準化、ピーク電流アシスト、エネルギー回生など、近年様々な分野で蓄電デバイスが利用されています。中でもリチウムイオンキャパシタは、電気二重層キャパシタの原理を使いながら負極材料に炭素材料を使用し、そこにリチウムイオンを吸蔵させることでエネルギー密度を向上させたキャパシタで、そのエネルギー密度の高さから電気二重層キャパシタに代わる大容量キャパシタとして市場拡大が期待されています。
蓄電デバイスは一般的に、エネルギー密度が高く出力密度が低いバッテリーと、出力密度が高くエネルギー密度が低いキャパシタに大別されます。急速充放電を得るためにキャパシタを選択した場合、リチウムイオンキャパシタは電気二重層キャパシタに比べ高いエネルギー密度を持っているものの、十分ではなく、容量を増やすためにはいくつものリチウムイオンキャパシタを並べなければならず、大きな体積を必要としました。フジクラでは独自の電極作製技術を軸に材料技術を活かし、急速充放電を可能とする1mΩ以下の低内部抵抗を満足しつつ、エネルギー密度を従来品の約1.5倍に高めたセルおよびこれを用いたモジュールを開発しました。また、モジュールは従来品に比べ約70%の小型、軽量化に成功しました。更にモジュールは、セル電圧を制御するバッテリーマネジメントシステムやモジュール間の通信機能を搭載し、複数台のモジュールを直列、並列接続することにより様々な電圧、容量を実現することができます。今回、実使用に合わせて12V系、24V系、36V系などの各電圧系に対応した複数セルを組み合わせた電源モジュールを開発しました。
リチウムイオンキャパシタの急速な充放電性能を活かし、大容量化した開発品は、コンパクト、軽量を実現しており、自動車、産業機器/建機、電力エネルギー分野でこれまで搭載できなかった狭い部分などへの適用が可能となり、応用範囲がさらに広がるものと期待しています。

リチウムイオンキャパシタモジュール
(左から12V系、24V系、36V系モジュール)

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