CSR基本方針

フジクラグループは、経営理念MVCV「フジクラグループは"つなぐ"テクノロジー™を通じ顧客の価値創造と社会に貢献する」をサステナビリティ活動の基軸とし、社会的責任の国際規格であるISO26000をサステナビリティ活動のベースとしています。

フジクラグループのCSR理念、基本方針、活動指針

フジクラグループCSR理念

フジクラグループが果たすべき企業の社会的責任とは、フジクラグループの経営理念MVCVに基づき、「持続可能な企業経営」のために必要とされる活動と「持続可能な社会」の構築に役立つ活動から成立っていると考えています。

フジクラグループCSR基本方針

フジクラグループは、「社会」から成長・発展を望まれ、期待される企業となるため、"つなぐ"テクノロジーを通じて、人、社会、地球環境の豊かな未来への架け橋となることを目指します。そのために私たちは、企業活動のあらゆる面において社会的責任を果すために4つの重点分野を定め、各国・各地域の法令・国際的なルールとその精神を遵守すると共に、社員一人ひとりが「社会」の一員として自分達の役割を自覚し、社会的良識をもって行動します。

【4つの重点分野】

  • 誠実な企業活動
  • 環境への配慮
  • 人間の尊重
  • 社会との調和

フジクラグループCSR活動指針

  1. 1.誠実な企業活動

    1. ① 各国・各地域の法令、ルール及びそれらの精神を遵守し、誠実な企業活動を行います。また、社会の一員であることを自覚し、倫理観及び社会的良識をもって行動します。
    2. ② お客様の立場に立ち、有用かつ安全で品質の高い製品及びソリューションを提供することにより、「お客様満足度」の維持・向上に努めます。
    3. ③ 自由でオープンな競争のもと、公正で透明な取引を行います。
    4. ④ 政治、行政並びに市民及び各種団体と健全かつ正常な関係を維持します。
    5. ⑤ 自社及びお客様にかかわる情報の管理・保護の徹底に努めます。
  2. 2.環境への配慮

    1. ⑥ 各国・各地域の環境規制を遵守するとともに、自主的な管理基準を設定し、その維持・向上に努めます。
    2. ⑦ 製品の開発、設計、調達、生産、施工、販売、物流、廃棄に至るすべての事業活動における環境負荷の低減を推進し、地球環境と調和の取れた持続可能な社会を目指します。
    3. ⑧ 環境に配慮した技術革新の推進と環境に優しい製品づくりを行うとともに、お客様に対して、製品の適切な使用方法、再資源化、廃棄方法などの情報を提供します。
    4. ⑨ 各国・各地域において、環境保全活動への積極的な参画を行い、広く社会に貢献します。
    5. ⑩ 地球環境における生物多様性の重要性を認識し、生態系保全に努めます。
  3. 3.人間の尊重

    1. ⑪ グループの企業活動にかかわるすべての人の安全を確保し、働きやすい職場環境の維持・向上に努めます。
    2. ⑫ すべての社員が自主性と創造性を十分発揮できる、差別のない、明るい職場作りを目指します。
    3. ⑬ 社員の機会均等及び仕事と私的生活との調和に努めます。
    4. ⑭ すべての人の人権を尊重し、強制労働・児童労働などの人権侵害を絶対に許しません。
  4. 4.社会との調和

    1. ⑮ 各国・各地域の文化や慣習を尊重し、積極的に社会貢献活動を行います。
    2. ⑯ すべてのステークホルダーに対し、広くコミュニケーションを行うことにより、健全な関係の維持発展に努めます。
    3. ⑰ 適時適切に企業情報の積極的な開示を行います。

サステナビリティ推進体制

フジクラグループは、2009年度からフジクラグループCSR委員会を中心としたマネジメント体制のもと推進してきました。
近年は、気候変動問題への対応が広く社会から求められるなど、機関投資家によるESG投資が主流となる時代において、企業活動は社会的責任(CSR)だけでなく、ESG活動を踏まえた持続的成長(サステナビリティ)を目指すことが重要視されています。
このESGの視点を経営計画に取り入れ、企業価値向上および持続的成長(サステナビリティ)を実現させるために、従来のCSR委員会を発展させたサステナビリティ推進委員会(以下、本委員会)を新設しました。社内規程に基づきサステナビリティガバナンスの整備を進めています。本委員会は、ステークホルダーが要請するESGの視点を盛り込んだサステナビリティ戦略の立案およびその業務執行の監視・監督のための、報告・討議と情報共有を行っています。本委員会の議長は取締役社長CEOが務め、取締役(一部の取締役および社外役員除く)および執行役員で構成されています。

サステナビリティ推進体制

サステナビリティ目標2025の考え方

フジクラグループは、グループ経営理念MVCVに基づき、サステナビリティ実現のためには「持続可能な企業経営」のために必要とされる活動と、「持続可能な社会」の構築に役立つ活動の両輪が必要と考えています。
これまでは、環境・社会マテリアリティとして5か年のCSR 重点方策2020(2015〜2020年度)を定め、各方策を関係部門と連携しながら推進してきました。しかし、目標設定時より社会の変化が早く、抜本的な見直しが必要となりました。そこで2021年度から始まる新たな5か年のサステナビリティ目標2025(2021〜2025年度)では、環境・社会マテリアリティを踏まえつつ、財務マテリアリティの視点も加味した目標設定としました。また、フジクラグループが定める長期ビジョン(2030年ビジョンやフジクラグループ環境長期ビジョン2050)と連動させることで、より将来を見据えた目標にしました。
サステナビリティ目標2025は、サステナビリティ推進委員会(旧サステナビリティ戦略会議)で審議・承認を得ました。

サステナビリティ目標の策定プロセス

サステナビリティ目標の策定プロセス

ダブルマテリアリティを導入

サステナビリティ目標2025の設定にあたり、CSR 重点方策2020の結果を検証するとともに、最新トレンドを踏まえ新たに盛り込むべき観点を整理しました。最新トレンドの把握では、国内外の社会課題や国際的なガイドライン、ESG 評価機関の評価項目やステークホルダーからの声を参考にしました。
また、サステナビリティ目標2025ではESGの観点にF(財務・将来)を加え、環境・社会が企業業績に与える影響を新たに盛り込むとともに、2030年ビジョンなど自社の長期ビジョンの達成を考慮しました。

ダブルマテリアリティを導入

マテリアリティマップの策定

フジクラグループは、「フジクラグループCSR基本方針」と「4つの重点課題」をベースに、サステナビリティ目標2025のテーマを定めるためにマテリアリティマップを策定しました。これは、ステークホルダーインクルーシブを念頭に「マテリアリティマップ分析」を行い、「ステークホルダーの関心事」と「自社事業への影響度」の2つの視点から評価・検証を行いました。
その結果、F(財務・将来)で3項目、E(環境)で5項目、S(社会)で3項目、G(ガバナンス)で5項目設定し、2025年度の目標達成へ向けて、毎年目標と実績を評価しています。目標に対する進捗は毎年統合報告書やESGウェブサイトで公開します。

マテリアリティマップの策定

サステナビリティ推進委員会(旧サステナビリティ戦略会議)での審議

サステナビリティ目標2025ではESGの観点にF(財務・将来)を加え、環境・社会が企業業績に与える影響を新たに盛り込むとともに、2030年ビジョンなど自社の長期ビジョンの達成を考慮しました。

サステナビリティ目標2025の全体像

サスティナビリティ目標2025の全体贈

サステナビリティ目標2025一覧

テーマ 重点方策 2025年度および将来の達成目標 2024年度の主な実績
F=財務将来 "つなぐ"
ソリューションの
提供により、
快適で持続可能な
"みらい"社会の
課題を解決し、
継続的な
企業価値を高める
2030年ビジョンで想定する4つの分野から新規事業を探索 ①既存事業におけるコア技術の進化と発展
  • コア技術を発展させて、社会的価値の高い製品・サービスの開発
  • WTP(Willingness To Pay:支払意思額)が高い製品・サービスの販売
  • マルチコアファイバやファイバレーザでは、顧客と密に連携を行いながら開発活動を実施
  • ファイバレーザでは、難加工材の加工など、顧客とともに新たな用途探索を開始
②新たな技術や事業分野の探索
  • オープンイノベーションも考慮
  • モノ売りに加え、コト売りによる事業の探索
  • フュージョンエネルギー(核融合発電)の早期実用化に向けて、重要パーツである高温超電導線材の生産力を強化。国際的な取り組みの中で高温超電導線材の需要増に対応することでその開発に貢献し、当社として新たな事業につなげる
地球環境に
配慮された
安心して使える
製品の開発
2050年に、フジクラの全製品を環境配慮型製品(グリーン関連製品)に置き換える
  • 環境配慮型製品の売上高比率67%達成
2030年に、グリーン製品創出活動を全グループ会社に展開する
  • 地球環境委員会での議論を開始。制度化に向けた現状把握や課題の抽出を開始
データや
デジタル技術を
活用した
既存事業の効率化と
新たな
ビジネスモデルの
創出
製造現場でのDX(スマートファクトリー化、AI活用)営業部門でのDX(デジタルマーケティング)
  • AI検査の適用領域を拡大するため、既存AI検査を新規モデルへ展開、SWR®用AI検査システムの開発を継続
【チャレンジ1】
工場CO₂排出総量
「2050年
ゼロチャレンジ」
CO₂排出量の削減 対象範囲:SBT認定バウンダリ※America Fujikura Ltd. (AFL) グループ除くフジクラおよび国内外グループ企業
  • 2025年度目標:2020年度比16.5%以上削減(289千トン/年以下)
  • 2030年度目標:2020年度比33%以上削減
  • 2050年目標:工場からのCO₂排出ゼロ
  • 2024年度目標13.2%以上削減に対し、31%削減(2020年度比)
生産効率の向上(省エネの推進) 対象範囲:フジクラグループ(国内外)
  • エネルギー使用量:2025年度において、2020年度比5%以上改善
  • 昨年より7.7%改善だが、目標には未達
製品物流効率の向上 対象範囲:フジクラグループ(国内)
  • 製品物流のエネルギー原単位:2025年度において、2020年度比5%以上改
  • 2024年度原単位は、前年度比1%減の60.9にて目標達成
【チャレンジ2】
工場の水使用の
最小化と排水管
水リスク低減への貢献
  • 水の使用量原単位:2025年度において2020年度比5%以上改善する
  • 生産量増加による水の使用量の増加により、2024年度目標4%改善(2020年度比)に対して0.1%改善で未達(国内)
【チャレンジ3】
工場の人と自然の
共生
事業所内自然を有効活用し、生物多様性の拡大に貢献する
  • 環境事故の発生なし
  • 海外拠点からの情報収集を開始
  • 環境監査を国内16拠点に対して実施
地域の自然環境保全活動を推進する
【チャレンジ4】
資源の有効活用と
資源循環
投入資源を減らし、資源の効率的な利用を推進する 対象範囲:フジクラグループ(国内外)
  • リサイクル品使用量:目標10,000トンに対して10,759トンで達成(国内)
事業活動に伴う廃棄物排出量の削減 対象範囲:フジクラグループ(国内)
  • 廃棄物排出量原単位:2025年度において、2020年度比5%以上改善する
  • 目標4%改善(2020年度比)に対して11.5%改善で達成(国内)
廃棄物ゼロエミッションの達成 対象範囲:フジクラグループ(国内)
  • 埋立・単純焼却量ゼロの目標に対して埋立率0.8%で未達(国内)特殊製品の部材において埋立処理に頼らざるを得ないことが原因
気候変動
ガバナンスの構築
(TCFD対応)
気候変動リスクと機会の把握
戦略および財務への影響の把握
  • 有価証券報告書および統合報告書にTCFDフレームワークでの情報開示を実施
  • 各事業への戦略分析は実施、定量的財務インパクトの把握については検討中
S=社会 働きがい変革
(エンゲージメント
強化)
社員一人ひとりが自己実現を通じて人として成長し、公私共に充実している
  • 社員の自発的貢献意欲の向上
  • 時間、場所にとらわれない働き方の環境整備
  • 健康経営によるモチベーション向上
  • 労働生産性の向上
  • テレワーク利用率:43.8%(フジクラ)
  • 健康経営優良法人2025(大規模法人部門)認定
グローバルに
活躍できる
⼈財育成
フジクラグループ全社員がグローバルな視点で活躍をしている
  • 会社の成長と社員の成長がシンクロする組織風土
  • イノベーション創出をリードする人財の育成、発掘、獲得
  • 自律的なキャリア構築の支援、成長機会の提供
  • 社員同士が互いを認め・高め合う組織(個の尊重・信頼)
  • 総合職に占める海外勤務割合(経験者数):19.7%(フジクラ)
  • 自発的な研修受講:試験受験延べ人数(TOEIC等の試験受験、オンライン英会話/動画学習サービス・社外講習・通信教育の受講など):1,534名(フジクラ)※2023年度は1,327名
ダイバーシティ&
インクルージョン
(社員の⼈権配慮)
多様な背景・考え方を持つ人財が活躍している 目標(2025年度まで)
  • 女性管理職比率:5.6%以上(フジクラ)
  • 女性係長比率:16.0%以上(フジクラ)
  • 女性管理職比率:5.1%(フジクラ)
  • 女性係長級比率:19.5%(フジクラ)
  • 障がい者雇用率:2.74%(国内)
G=ガバナンス 取締役会の実効性向上
  • 取締役会の実効性向上および監督機能強化
  • 経営の透明性・公正性を高め、迅速な意思決定を図ること
  • 取締役会の多様性の確保
  • 後継者計画の策定・運用の監督
  • 育成計画の適切な監督
  • 第三者機関による取締役会実効性評価アンケートの分析・評価を実施
  • 経営人財プールの運用:経営人財育成プログラム受講者数136名(フジクラ)
    ※2020年度以降に本プログラムを受講した人数の累計
グループ経営理念
MVCVの実践
  • 新行動基準の実践によるグループ経営理念実現
  • 2024年度も社員全員参加のMVCV実践に向けた、職場伝道師育成、階層別研修を実施
  • 国内グループ会社およびFELでも実施
グループ
ガバナンスの構築
(リスクマネジメント
強化)
戦略的経営に資するリスクマネジメント体制の構築とリスクコントロール(PDCA)
投資管理の強化
  • 2023年度に定めた「グループガバナンス基本方針」を主要グループ会社に展開
サプライチェーン
マネジメント
(責任ある
鉱物調達含む)
社会課題(児童労働や強制労働など)に配慮したサプライチェーンマネジメントの確立
責任ある鉱物調達の体制確立(3TGを中心にコバルト、マイカなどのデューデリジェンスシステム)
NGOなど外部からの指摘ゼロ(または指摘があった際の早期の是正)
他社との連携(他社の取り組みを学び自社の取り組みに活かす)
  • サプライヤーへのサプライチェーンアンケートを114社に実施し、お取引先にフィードバック
  • パートナーズミーティングを東京・上海・バンコクで実施、計351社が参加
  • RBA 行動規範 ver8に対応したCSR調達ガイドライン改定およびお取引先への周知
安全保障
輸出管理の徹底
輸出管理上のコンプライアンス遵守体制の強化
  • 輸管監査の実効性の向上
  • 重大な法令違反なし
  • 国内外のグループ会社を含めた輸管監査を実施