株式会社フジクラ

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FUJIKURA ODYSSEY
FUJIKURA ODYSSEY vol.02

世界No.1シェア

デファクトスタンダード “光ファイバ融着機” 開発物語

Phase.2 開発のドラマ

マルチモード融着機で世界デビュー。そしてシングルモード用コア直視型融着機で一気に先行。奇跡的な大発見と極秘開発を経て、名機「FSM-20」が誕生。

初期の融着機はマルチモード光ファイバ用で、コア径も太く(50μ)、比較的繋ぎやすいものだった。シングルモード用L光ファイバ(コア径10μ以下)に移行していくのは、1980年からで、ここからが本当の意味での苦難が始まる。

一番のクリア課題は、コア部の接続。当初は、「位相差顕微鏡」や「偏光顕微鏡」を使い、屈折率の違いから「見えるコア部」を目安にしようと考えたが、いずれも装置が大掛かりで布設現場で使う融着機に導入するには難があり、ここで大きな壁にぶつかる。そんな折、当時の日本電信電話公社の研究所から電話があり、「普通の顕微鏡を使っているが、光ファイバのコアのようなものが見える。ちょっと調べてほしい」という依頼が舞い込む。最初は「見えない」「確かに見える」「いや見えない」そんなやりとりが続く。これはいわば天体観測のようなもので、微かなものは最初なかなか見えないが、一度実体を捕えると、よく見えてくるものなのである。顕微鏡のピントを少しずらしてみると、確かにコア部と思われる影が朧げながら見えてくる。そこで解析してみると、まさしくコアだったのである。普通のコンパクトな顕微鏡なら融着機にも組み込めるということで、研究室は興奮に包まれる。
コア直視型融着機「FSM-20」
コア直視型融着機「FSM-20」
早速、この方式で試作機をつくり、海洋通信研究室で試してもらったところ、「これは使える!」ということになった。この大発見こそ、今日、フジクラが世界シェアNo.1となるきっかけであり、最大のブレークスルーポイントとなったのである。
その後、フジクラは極秘裏で開発を進め、約1年間、専任の研究者が実験室に籠り、ただひたすら改良とアルゴリズム開発に明け暮れる。そして1985年2月、コア直視型融着機「FSM-20」として実用化に成功。ここでの1年は、完全にフジクラの先行メリットとなり、他の追随を許さない地歩を固める。

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