株式会社フジクラ

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R&D
FUJIKURA ODYSSEY
FUJIKURA ODYSSEY vol.01

マリアナ海溝ロマン

1万m級無人探査機 “かいこう” 用ケーブル開発物語

Phase.2 前人未踏の領域へ

特殊ケーブル開発ノウハウの素地に加え、世界屈指の光ファイバ技術の組み合わせで、難易度の高い開発要件にトライ。前人未到の領域へのチャレンジが始まる。

海洋開発用ケーブルは、海底ケーブルと同様にケーブルに抗張力が要求されることは同じだが、常に機器に繋がれ、海中を縦横無尽に移動して使われるという点に大きな違いがある。フジクラは海底ケーブルでも日本の草分け的存在であり、膨大な納入実績を誇るとともに、陸上の大型クレーンに使用される特殊キャブタイヤケーブル、エレベータケーブル等の移動機器に使用されるケーブル技術も持っており、この分野に進出する素地は十分にあった。今回の海洋開発用ケーブルは、これらの素地に加え、世界屈指の光ファイバ技術を組み合わせ開発したものである。

求められた要件は、1万m潜航可能な無人探査機システム“かいこう”で、母船からランチャー、そして子機ビークルへ電力を供給し、情報を伝送する、一次ケーブルおよび二次ケーブルの開発。当時、米国イーストポート社(現:Oceaneering International,Inc.)の「マゼラン750」が最も深く潜航できたが、公称最深度は7,000mだった。

受注後の1988年4月に被覆線事業部内(現:メタルケーブル事業部)に新しく海洋技術開発室が発足。本格的な開発体制を整えたが、当初はわずか4名でのスタートだった。システムは、ケーブル(一次・二次)と付属品(引留金物・水中コネクタ)で構成され、開発期間がタイトのため、すべて同時進行で開発が進められた。一次ケーブルは12,000mもの超長尺ケーブルであり、50トンの機械強度を確保。また、二次ケーブルは子機ビークルの運動性能に影響を与えることのないように、可とう性に優れ、しかも海水よりも軽いケーブルをめざす。そして一次・二次ケーブルとも電力線心と光ファイバ線心を有した複合ケーブル構造とした。かくして前人未到の領域へのチャレンジが始まる。

かいこう7000 提供:独立行政法人海洋研究開発機構
かいこう7000 提供:独立行政法人海洋研究開発機構

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