アヴネット社と共同で、5Gミリ波フェーズド・アレイ・アンテナ・モジュール:PAAM『FutureAccessTM』を搭載した開発用キットを発売 ~アヴネット社、ローデ・シュワルツ社と米国通信国際シンポジウムに出展~ 2023年5月25日 株式会社フジクラ 株式会社フジクラ(取締役社長CEO:岡田直樹)は米国アヴネット社(CEO:Phil Gallagher)と共同で、この度、ミリ波周波数帯域向けの28 GHzフェーズド・アレイ・アンテナ・モジュール (Phased Array Antenna Module:以下PAAM)『FutureAccessTM』を搭載した5Gミリ波通信システム開発用キットの販売を開始し、同キットを米国で開催される通信関係の国際マイクロウェーブシンポジウム2023※1(IEEE MTT-S International Microwave Symposium 2023:以下IMS2023)に出展いたします。 【ポイント】 ・ 5Gミリ波通信システムの開発キットの販売を開始 ・ 6月に米国で開催される国際シンポジウムIMS2023に出展 ・ 開発キットを使った試験を生中継のデモンストレーションで実施 <アヴネット社と共同で、PAAM『FutureAccessTM』を搭載した開発用キットを発売> 同キットの特長は、当社が開発したPAAMと米国の半導体製造企業であるAMD社(Advanced Micro Devices, Inc.)の第3世代適応型無線プラットフォーム(Zynq™ RFSoC※2Gen3)を組み合わせた点にあり、高度な 5G ミリ波通信システムのプロトタイプ開発のスピードアップに貢献します。 当社のPAAMは5Gの標準化規格で定めるミリ波周波数帯域n257(28GHz)、n258(26GHz)、およびn261(27GHz)で動作し、屋内外を問わず使用できます。 8x8 アンテナエレメント、高周波集積回路、フィルターが高度に統合されていることから、小型の5Gミリ波通信システムを迅速に設計することが可能になります。高い電力効率と非常に高速なビーム切り替え (<220ns) により、フジクラのPAAM ベースのシステムは業界をリードする性能を得ることができます。 また、キャリブレーション不要のアーキテクチャとフジクラのモジュール化技術により、お客様はシステムの統合、製造、および販売において大きな利点を得ることができます。 開発キットのシステム全体は、MATLAB※3アプリケーションであるRFSoC Explorer® ソフトウェアを用いて制御されます。このRFSoC Explorer®はアヴネット社が開発し、ハードウェア記述言語※4やソフトウェア コーディングなしでビームフォーミング アプリケーションを迅速に実装およびテストすることが可能です。 以上のことから、お客様は5Gミリ波通信システムの開発コストを削減できます。 <アヴネット社、ローデ・シュワルツ社と米国通信国際シンポジウムに出展> 当社、アヴネット社、ドイツに拠点を置く高周波用高性能測定器メーカーのローデ・シュワルツ社(President & CEO:Christian Leicher)の3社は、同キットの性能をR&S®ATS800B ベンチトップ CATR OTA テストシステム※5で検証しており、その結果を6月に米国サンディエゴで開催されるIMS2023で初めて発表します。 また、同発表では、ドイツで実施するテストの様子を生中継し、5G NR※6 テスト信号を使用したデモンストレーションをご覧いただけます。会場にお越しの際は、ブース#2514にお立ち寄りください。 PAAM『FutureAccessTM』を搭載した開発キット R&S®ATS800B ベンチトップ CATR OTA テストシステム ミリ波通信システムは、世界中の通信事業社が5Gネットワークに採用を検討するなど、注目度が高まっています。 世界中で通信の超高速化、低遅延化、大容量化が期待される中、当社は高速大容量通信の実現に向けた機器の開発に取り組み、通信の発展に貢献して参ります。 【用語の説明】 ※1 国際マイクロウェーブシンポジウム2023 世界中の無線周波数およびマイクロ波の技術者や研究者が集う国際シンポジウムで、今年は6月11日~16日に米国サンディエゴで開催。複数の技術会議と商業展示会で構成される。 ※2 RFSoC RF System on Chipの略で、8ch A/D及び8ch D/AとArm CPUコアを内蔵したAMD のFPGAデバイス ※3 MATLAB 数百万人ものエンジニアや科学者がデータの解析やアルゴリズムの開発、モデルの作成に使用しているプログラミング及び数値計算プラットフォーム ※4 ハードウェア記述言語 半導体チップの回路設計などを行うための人工言語。プログラミング言語に似た構文や表記法で、回路に含まれる素子の構成や動作条件、素子間の配線などを記述できる。 ※5 ATS800B ベンチトップ CATR OTAテストシステム コンパクトアンテナ・テストレンジ(CATR)テクノロジーをベースとした、非常にコンパクトな遠方界Over-The-Air(OTA)テストシステム ※6 NR 5Gモバイルネットワーク向けの国際標準仕様に策定された新しい無線アクセス技術 ●アヴネット社について 本社は米国アリゾナ州フェニックス。 アヴネットは、グローバルな技術ソリューションプロバイダとして、膨大なエコシステムを活かし、製品のライフサイクルのあらゆる段階において、顧客へ設計、製品、マーケティング、およびサプライチェーンの知識経験を提供しています。またアイディアをインテリジェントなソ リューションに変換し、商品化にかかる時間、コスト、そして複雑さを減らします。そして、約 100 年に亘り、世界中のお客さまおよび サプライヤーが技術の変革を実現するために支援してきました。 アヴネット社の詳細については、https://www.avnet.com をご覧ください。 ●ローデ・シュワルツ社について 本社はドイツのミュンヘン。 電子関連製品の開発と製造、販売を行い、その幅広い製品ポートフォリオは、世界の安全なネットワーク構築に重要な役割を果たしています。電子計測、セキュリティー通信、ネットワーク/サイバーセキュリティー、放送/メディアといった分野で、世界中で同社の最先端のソリューションが利用されています。すでに確立された事業分野に加えて、人工知能、インダストリアルIoT(IIoT)、6G、クラウドソリューション、量子テクノロジーといった未来のテクノロジーにも積極的に取り組んでいます。 ローデ・シュワルツ社の詳細についてはhttps://www.rohde-schwarz.co.jp をご覧ください。