株式会社フジクラ

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データセンタ冷却用高性能ヒートパイプの開発

2022年10月26日
株式会社フジクラ

株式会社フジクラ(取締役社長CEO 岡田直樹)は、データセンタ冷却用に当社従来品よりも最大熱輸送量を約2倍に向上し、サーバ向けCPUの大発熱量化に対応したヒートパイプを開発しました。

データセンタでは、5GやAIの普及による高速通信化にともない、サーバのCPUも高性能化が進んでいます。CPUは高性能になる程発熱量が増加し、能力を発揮するには高い冷却機能が必要になります。対策として高性能な液体冷却システムは有効ですが、設備費用が高額になるため、ヒートパイプを利用した従来の安価な空冷システムの更なる高性能化が求められています。

ヒートパイプは、内部に封入された作動液体が加熱と冷却によって気体と液体へ繰り返し変化しながら内部を循環し、熱を移動させます。さらなる高性能化のために、今回、ヒートパイプの作動液体を還流するための内部毛細管構造を改良しました。これによって、外径8mmのパイプを4mm厚さに潰し、厚さを抑えても、限界熱輸送量の目安をヒートパイプ1本あたり従来の55Wから100Wへと大幅に向上することが出来ました。

当社は今後も冷却モジュールの高性能化を通じてお客様のご期待にこたえ、情報通信インフラのさらなる発展に貢献してまいります。

                     データセンタ冷却用ヒートパイプモジュールのイメージサンプル

【用語の説明】
・ヒートパイプ
金属の中空のパイプの内部にウィックと呼ばれる毛細管力を有する構造体を設け、作動液を封入し、密閉した構造になっています。
ヒートパイプの一端を加熱すると加熱部分の作動液が蒸発し、蒸気流となってもう一端の低温側へ移動します。
低温側で冷却された蒸気は凝縮して液体になります。
凝縮した液体はウィックの毛細管力により、加熱側に戻り、再び蒸発します。
このサイクルを繰り返し、作動液体の蒸発と凝縮の相変化で効率よく熱を輸送します。

                     ヒートパイプの作動原理

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