兵庫県三田市における安全運転支援実証へ参画~60GHzミリ波による電柱間無線接続に成功~ 2022年5月17日 株式会社フジクラ 株式会社フジクラ(取締役社長CEO 岡田 直樹)は、関西電力送配電株式会社を含む11社と共同で、2022年4月18日から22日にかけ、兵庫県三田市において、安全運転支援実証および見守り支援実証を実施いたしました*1。 このうち、当社が機器を提供した安全運転支援実証は、バスが死角により歩行者等の動向が確認しづらい交差点を走行する際に、電柱を活用した「路車間通信」および自転車との「車車間通信」による安全運転支援の有効性を確認するものです。 具体的には、交差点周辺の電柱や自転車に設置した情報通信機器が、死角からの歩行者や自転車の速度や位置などの情報を検出し、事故の危険性がある場合に、バスの運転者等に注意喚起することで、安全運転を支援します。 本実証において当社は、歩行者等の動的情報を検知するセンサーや、バスとの路車間通信を行うITS無線機が設置された電柱2本と、LED表示板が設置された支柱に当社60GHzミリ波通信機を取り付けることで、3柱間を接続する制御信号網を構築しました。 センサーや表示板等の機器は、交差点の形状や交通量等に応じて最適な設置場所が異なりますが、従来は1本の電柱に集中して設置されていました。本実証では、低遅延な60GHzミリ波無線を用いて3箇所に分散配置された機器を接続することにより、最適な機器配置を実現しました。この構成により、センサーで捉えた危険情報を、当社60GHzミリ波通信機を介してLED表示板やITS無線機などの機器に伝え、バスの運転者にタイムリーに注意喚起する安全運転支援実験に成功しました。 60GHzミリ波無線は、免許不要で扱える手軽さ、低干渉、低遅延、高速大容量といった特徴を備え、街中に様々なセンサーやカメラを設置するスマートシティにおける無線中継網への適用が期待されています。本実証では、こうした無線中継網への適用の有効性が確認できました。 当社は今後もこうした実証を通じて60GHzミリ波無線の様々な適用例を実証し、よりよい社会の実現に貢献していきます。 *1:https://www.kansai-td.co.jp/corporate/press-release/2022/0318_1j.html 【用語の説明】 路車間通信:各種走行支援のために道路に設置された通信設備と車両との間で行われる双方向通信のことです。 車車間通信:各種走行支援のために車両同士で行われる双方向通信のことです。 ITS無線:ITS(Intelligent Transport Systems :高度道路交通システム)専用周波数(760MHz)を利用した車と車、車と路側インフラ設備をつなぐ無線システムのことです。 安全運転支援実証システム全体 自転車の接近をセンサーにより検知し、LED表示板で危険を通知している様子 バスへの安全運転支援模式図 以 上