AIを用いた路線バスの乗客安全監視システムの実証実験を開始~将来的な自動運転社会の実現に貢献~ 2021年10月11日 株式会社フジクラ 株式会社フジクラ(東京都江東区、取締役社長CEO:伊藤雅彦)は、山梨交通株式会社(山梨県甲府市、代表取締役社長:雨宮正英)と、株式会社エジソンエーアイ(東京都港区、代表取締役:山浦真由子)と共同で、山梨県庁のご協力のもと、山梨県甲府市において、車内カメラを用いたAI画像解析によるバス乗客の安全監視システムに関する実証実験を2021年10月18日より開始します。実際に営業走行する路線バスで、AIを用いた乗客監視エッジコンピューティング*1の実証実験は日本初となります。 バスの車内で発生する事故の65%は、加減速時に車内を移動中の乗客の転倒によって発生し、特に高齢者に多い事例です(国土交通省の統計をもとに自社でまとめ)。今回の実証実験では、車内に設置したカメラの映像をもとに、独自開発したAI画像解析システムを使って乗客の姿勢を解析した結果を運転手にリアルタイムで伝えます。その仕組みを、実際に運行する路線バスに搭載します。運転手は、死角が発生し得る車内ミラーだけに頼る場合と比べ、車内の状況をより正確に把握でき、乗客が着席前に発車してしまうことを防止できます。本システムにより車内で乗客が転倒する事故の減少に寄与することが期待されます。 このシステムは、運転手の補助のみならず、運転手がいない自動運転の路線バスへの応用も目指しており、本実験は、将来の自動運転社会への備えとなります。本実験はまた、主要な公共交通機関の1つである路線バスを、高齢者などの転倒リスクが高い人でも安心して利用できるものとするための取り組みという側面を併せ持っています。フジクラグループはその2030年ビジョン*2の中で、『Vehicle(次世代モビリティ社会への貢献)』並びに『Life-Assistance(クオリティオブライフの向上)』の分野で新たな価値創出を目指すことを表明しており、今回の実証実験は、これらテーマの具現化に向けたアクションの一例です。 私たちは、これからも、先進的でスマートなソリューションを継続して創出していくことを通じて、誰もが快適で安全に移動できる社会の実現に貢献してまいります。 ≪AIバス乗客安全監視システム概要≫(写真はイメージ)①乗客が着席前であることをAIが検出し(図1)、その結果を運転席付近に表示(図2)。 図1 図2 ②乗客の着席が完了したことを検出し(図3)、その結果を運転席付近に表示(図4)。 図3 図4 ③走行中に立ち上がった乗客を検出し(図5)、その結果を運転席付近に表示(図6)。 図5 図6 以上より、運転手はバスを安全に発車させることができ、走行中に立ち上がった乗客に注意を促すことができます。 *1 エッジコンピューティング クラウドなどを介さず、データが発生するその場で情報処理を行うことを意味し、今回の実証実験ではバスの車内に設置した市販の小型汎用デバイスでAIを駆動させます。 *2 フジクラ2030年ビジョン フジクラグループは、2017年3月に「2030年ビジョン」を策定しました。「フジクラグループは、“つなぐ”ソリューションの提供により、快適で持続可能な“みらい”社会の課題を解決し、継続的に企業価値を高めている」とのスローガンのもと、想定する4つの市場分野(Advanced Communication、Energy & Industry、Life-Assistance、Vehicle)において、オープンイノベーションを通じた新たな価値の創出に取り組んでいます。 https://www.fujikura.co.jp/esg/value_creation/2030vision.html ●山梨交通株式会社 山梨県を中心に、バス・タクシー事業に加え、観光関連事業、自動車教習事業、不動産事業など幅広い事業を展開。中心となる路線バス事業は、甲府駅を中心に約100系統を運行し、1日1万人以上のお客様の移動に貢献。輸送の安全確保を経営の根幹に据える地域密着企業。 http://yamanashikotsu.co.jp/ ●株式会社エジソンエーアイ 独自アルゴリズムを有する最先端AIカンパニー。日本および米国特許取得済みの画像解析技術に強みを持つ。SNS上の画像解析によるマーケティングツールや、無人店舗システム、その他画像解析を中心としたAIソリューションを提供する。 http://edison.ai/ この件に関するお問い合わせ先: 株式会社フジクラ コーポレートコミュニケーション部 Email:wwwadmin@jp.fujikura.com 以 上