株式会社フジクラ（取締役社長 伊藤雅彦）はこのほど、その独自技術である間欠接着型光ファイバ心線Spider Web Ribbon^®（SWR^®)を実装する細径高密度型光ケーブルWrapping Tube Cable^®（WTC^®）の製品ラインアップに、新たに200µmファイバSWR®を実装した3000心光ケーブルを加え、その販売を開始しました。

製品開発の背景
近年、動画配信やクラウドサービスが普及する中、5GやIoT、サイバーセキュリティ強化などに対応するため、光ネットワークのさらなる大容量化が必要です。しかし、国内幹線（地下管路）に布設する光ケーブルは、地下管路で使用するインナーパイプ等のサイズ制約から外径24mm以下であることが求められ、光ネットワークの大容量化を実現するために、限られたスペースの中により多心の光ファイバを実装した光ファイバケーブルが必要となっていました。

製品特長

• これまで、国内幹線用途の当社WTC^®製品としては、250µmファイバ8心SWR^®を実装した2000心WTC^®が光ファイバ心線を最大心数実装した光ケーブルでした。今般、当社は、8心SWR^®に200µmファイバを適用することで、ケーブル外径を拡げることなく実装光ファイバ心線数を3000心まで増やし、容量拡大を実現しました。心数は増やす一方で、従来品からの軽量化も実現しており、作業性向上への貢献も期待されます。
• 新たに開発した200µmファイバ実装のSWR^®は、従来の250µmファイバ実装のSWR^®とファイバ間の整列ピッチを揃えた構造を採用しています。そのため、200µm SWR^®相互の⼀括融着はもちろんのこと、既存の250µm光ファイバテープ心線や250µmファイバ実装のSWR^®との⼀括融着接続も可能です。また、既存の融着接続機をそのまま利用できることから、新たに200µmファイバ専用の融着接続機を準備する必要はなく、施工費の抑制にも寄与します。
• また、今回の200µmファイバSWR^®実装の3000心WTC^®の開発にあわせ、光ファイバ収容トレイのサイズや光クロージャ内の配線・収納機構を工夫することで支障移設などの作業を可能とし、且つ、最大3000心までの接続を可能とした光クロージャを新たに開発し、同時に販売を開始しました。

この200µmファイバSWR^®実装の3000心WTC^®は、その性能が高く評価され、すでに大手通信事業者であるColtテクノロジーサービス株式会社^*に採用いただきました。同社には、新開発の光クロージャと併せ、2021年3月より納入を開始しています。同社代表取締役社長兼アジア代表の星野氏は、今回の3000心WTC^®および光クロージャの採用に当たり、次のように述べています。

​「Coltは、フジクラの新しい3000心ケーブルを日本のコアインフラストラクチャーの一部に採用したことを光栄に思います。私たちは長年フジクラと協業してきましたが、市場をリードする彼らの技術の進歩にはいつも驚かされています。このたび導入したフジクラのケーブルは、3000心であっても細径・軽量で、私たちのファイバーネットワークへの投資を最大化し、今後何年にもわたりお客様にサービスを提供できるようになりました。また、200μmファイバを初めて導入しましたが、既存の融着機をそのまま使用することができ、作業性も良好でした。Coltは常に私たちが提供するプロダクトやサービスの向上を目指しており、フジクラの技術力に期待しています。」

当社はこれからも、超多心光ケーブルからその周辺機器、部品に至るまでの先進的な光関連製品の開発・ラインナップの充実、並びに施工やメンテナンスも含めた光ケーブル配線トータルソリューションを提供することで、お客様に高い価値をお届けできるよう、取り組みを進めてまいります。

●3000心WTC^®　ケーブル構造

●8心SWR^®　ファイバピッチ構造

●3000心WTC^®　ケーブル仕様

*Coltテクノロジーサービス株式会社について
英国ロンドンに本社を置く大手グローバル通信事業者Colt Technology Serviceグループの日本法人。アジアおよびヨーロッパ、北米地域において、900以上のデータセンターと29,000以上の商用ビルを接続可能なネットワークを自社運用し、光ファイバ・ネットワークを中心に、データ通信、インターネット接続、音声、ITマネジメントサービス、プロフェッショナルサービスなど、統合的なプラットフォームとプロセスでICTインフラストラクチャ・サービスを法人向けに提供している。