株式会社フジクラ

  1. Home
  2. ニュースリリース
  3. 色素増感太陽電池の実用化で2020年度ヨウ素学会賞を受賞

NEWS RELEASES

製品情報

色素増感太陽電池の実用化で2020年度ヨウ素学会賞を受賞

2020年12月10日
株式会社フジクラ

株式会社フジクラ(取締役社長 伊藤雅彦)は、色素増感太陽電池(DSSC:Dye-Sensitized Solar Cell)の実用化の功績に対して、2020年度のヨウ素学会賞を受賞したことをお知らせいたします。

本賞は、ヨウ素の基礎研究、応用研究、ヨウ素産業の分野で、その発展に著しく貢献した開発者に授与される賞です。

当社のDSSC製品は、室内から屋外まで広い照度範囲で効率的な発電が可能で且つ長期信頼性にも優れることを主な特長としますが、これら製品特長の実現には、ヨウ素系電解液を上手く活用できていることも大きく寄与しています。ヨウ素系の電解液は、DSSCの電荷輸送において優れた性質を示す一方で、ヨウ素の強い反応性や、長期に渡って電解液を飛散させない封止の難しさなどが実用化における技術障壁となっていました。今回の受賞は、これら課題の克服を目指して取り組んできたDSSCモジュールに関する総合技術開発と、そこで獲得された技術・知見をもとにIoTセンサネットワーク端末などに搭載するエネルギーハーベスティング(EH)電源としてDSSCの製品化を実現した成果をご評価いただいたものです。

DSSC製品の外観

DSSC製品の外観

昨今、わたしたちの生活の様々なシーンで、IoTセンシングを活用した効率化や自動化のニーズが高まっています。各種IoTセンサ機器の利用が拡大していますが、それに応じ、それら機器の電池交換等メンテナンスの手間とコスト増大という新たな課題も見えてきています。当社は、わたしたちの様々な生活環境で発電可能なDSSCや各種EH機器の普及を促進するとともに、EH化による電池交換コストの低減並びにこれに関わる電池廃棄物の削減を実現し、環境に優しい快適な社会実現に貢献してまいります。

なお、当社のDSSCおよびDSSCを活用したIoTソリューションの詳細は、それぞれ以下のウェブサイトでご覧いただけます。
・DSSC: https://dsc.fujikura.jp/
・DSSCを活用したIoTソリューション: https://eh-iot.fujikura.jp/

【ご参考:用語説明】

ヨウ素学会:貴重な天然資源であり、且つ人間の成長に不可欠な元素である「ヨウ素」の更なる探求と高度利用を目指し、官界の協力も得て、学界・産業界の有志により発足した学会(http://fiu-iodine.org/ )。

電荷輸送:DSSCは、光を受けて発生した電荷が、電極や電解液の中を、電子やイオンの形で移動することで発電します。電解液中や電極との界面での電荷の移動・授受が適切な速度で安定的に行われることが必要であり、当社ではここにヨウ素系の電解液を用いています。

エネルギーハーベスティング:身の回りにある熱や振動などさまざまな形態の密度の低いエネルギーをハーベスト(収穫)して電気エネルギーに変換すること、またその技術。

PAGE TOP