エネルギーハーベスト(EH)型LoRaWANTM準拠センサノードを販売開始 2018年12月5日 株式会社フジクラ(取締役社長:伊藤 雅彦)は、IoT無線センシングをより広範囲なエリアへ適用可能にするLPWA(Low Power Wide Area)技術の一つであるLoRaWANTM方式の無線を搭載した「エネルギーハーベスト(EH)型LoRaWANTM屋内/屋外センサノード」を開発し、2019年1月より順次販売を開始いたします。 このセンサノードは、周囲の照度環境から効率よく電力を得られるエネルギーハーベスト・デバイスである「色素増感太陽電池(DSC:Dye-sensitized Solar Cell)」を電源として搭載しています。DSCは、特に屋内照明や屋外の日陰などの低照度環境で、従来の太陽電池よりも高効率で電力供給が可能なため、屋外の日陰程度の照度でも充分にセンサノードを駆動することが可能です。加えて、IoTセンシング端末の電源工事や電池交換などのメンテナンスが不要となるため、ランニングコストも抑えることができる最新のIoTセンシング機器です。センサノードは温度、湿度、照度、気圧の4項目についてセンシングを行い、データを一定の間隔(標準:5分間隔)で、定期的に無線で発報することが可能です。屋内センサノードは更に人感センシングも可能です。これらの動作に必要な電力をDSCによる光発電で賄い、エネルギーハーベスティング駆動を実現しています。センサノードの仕様諸元を下記に示します。 項目 屋内センサノード EHユニット 屋外センサノード 本体サイズ ※突起部含まず 97(W)×70(H)×23mm(D) 97(W)×77(H)×23mm(D) 135(W)×155(H)×85mm(D) 本体質量 約75g 約85g 約720g 電源 一次電池 色素増感太陽電池 色素増感太陽電池 +一次電池 使用環境 【温度】-10℃~50℃ 【湿度】20%Rh~85%Rh 【温度】-20℃~50℃ 【湿度】20%Rh~85%Rh 【防水耐性】IPX4 無線仕様 準拠法 ARIB STD-T108 周波数帯 920.6~928.0MHz 送信出力 13dBm(20mW)以下 LoRaWANTM仕様 Class A / v1.0.2 認識方式 OTAA / ABP データレート DR0~5(SF7~12) / ADR その他 ダウンリンク設定サポート センシング仕様 送信間隔 1~1440分 標準搭載センサ 温度、湿度、照度、気圧 人感(屋内ノードのみ) 拡張センサ 黒球温度 etc. ペイロード長 標準 7byte / 最大 11byte データフォーマット バイナリ LoRa®変調方式を代表とするLPWA(Low Power Wide Area)無線通信技術は、従来の通信方式に比べデータ転送速度が遅いため、一回の通信時間が長くなる事から、EH化が難しい無線方式と考えられてきました。我々は既に製品化している920MHz帯マルチホップ無線EH型センサシステムで培った省電力回路設計技術と、低照度領域で非常に高効率な自社開発の色素増感太陽電池を組み合わせることで、低照度化でもEH駆動が可能なLoRaWANTMセンサノードを具現化しました。 当センサノードを用いた千葉県佐倉市周辺におけるフィールド実験では、ゲートウェイから2km離れたセンサノードからも、通信欠損のないセンシングデータ収集を確認できており、LoRaWANTM通信方式の特性を生かした製品を実現できています。 フジクラでは、エネルギーハーベスト駆動が可能で、長距離伝送をすることができる低コストなセンシングシステムの製品化に加え、データの蓄積と見える化、アラート発報などを行うクラウドサービスも用意し、ワンストップでご提供が可能です。我々は今後もEH技術でIoTセンシングを手軽に導入可能とすることで、普及に貢献して参ります。 ■お問い合わせ先 株式会社フジクラ 総合開発営業部 E-mail:ask-dsc@jp.fujikura.com