プレスリリース
ヘリカル方式のフュージョンエネルギー開発を進める「Helical Fusion社」に出資
株式会社フジクラ(代表取締役社長CEO:岡田直樹)は、このたび、ヘリカル方式のフュージョンエネルギー炉開発を進める株式会社Helical Fusion※1(以下「Helical Fusion社」)に出資しました。
【Helical Fusion社について】
Helical Fusion社は、ヘリカル方式の核融合研究を牽引してきた大学共同利用機関法人 自然科学研究機構 核融合科学研究所をはじめとする日本の先進的な研究成果を基盤に、フュージョンエネルギー炉の開発および社会実装に取り組むスタートアップ企業です。
ヘリカル方式は超高温のプラズマを閉じ込める「磁場閉じ込め方式」の一種で、高温超電導線材※2を用いた螺旋状のマグネットが作り出す強力な磁場を利用します。定常運転の実現可能性を有する方式と期待されており、持続可能なエネルギー供給を支える有力な選択肢の一つとされています。
【フュージョンエネルギーについて】
フュージョンエネルギーとは、太陽で起こっているように、軽い原子核同士(重水素、三重水素)が融合して別の原子核(ヘリウム)に変わる際に放出されるエネルギーのことです。燃料1グラムで、石油8トンを燃やしたときと同等のエネルギーを生み出すことができるとされています。
燃料となる重水素は海水中に豊富に存在し、フュージョンエネルギーを用いた発電の過程では二酸化炭素(CO₂)を排出しません。このため、地球温暖化をはじめとする環境問題の解決策として注目され、カーボンニュートラル社会の実現に向けて重要な役割を果たすものと期待されています。
【出資の目的】
フジクラは、Helical Fusion社が進める研究開発を、国内におけるフュージョンエネルギーの社会実装に向けた重要な取り組みと捉えています。
フジクラは30年以上にわたり高温超電導線材の研究開発に取り組み、国内外のフュージョンエネルギー関連プロジェクトに線材を供給してきました。
今回の出資を通じてHelical Fusion社との連携を深め、長年培ってきた高温超電導線材に関する技術・知見と供給実績を活かし、フュージョンエネルギーの社会実装に貢献してまいります。
フジクラは今後も、持続可能なエネルギー社会の実現に向け、高温超電導技術のさらなる高度化を進めていきます。
※1 Helical Fusion社
会社概要
【社名】株式会社Helical Fusion
【所在地】東東京都千代田区
【設立年】2021年
【代表者】代表取締役CEO 田口 昂哉
【事業内容】ヘリカル型核融合炉の設計および技術開発
※2 高温超電導線材
ある温度以下になると電気抵抗がゼロになる現象を超電導といいます。液体ヘリウム(沸点:-269℃)を用いて冷却する低温超電導(金属系超電導)と、液体窒素温度(沸点:-196℃)でも超電導を示す高温超電導(酸化物系超電導)があります。
フジクラは30年以上にわたり高温超電導線材の開発に取り組み、この分野で世界をリードしてきました。
フジクラが研究開発しているのはレアアース系高温超電導線材で、ニッケル基合金などのテープ状金属基板上に、中間層を介してレアアース等からなる酸化物超電導材料を結晶成長させながら成膜した線材で、超高磁場中でも高い特性を示します。将来の次世代超電導機器の実現に向けて普及が期待されています。
フジクラは、日米欧を中心に開発が進められているフュージョンエネルギー開発プロジェクトに向けて高温超電導線材を世界中に提供するとともに、その生産能力を拡大しています。
