プレスリリース
英国核融合プログラム実行機関(UKIFS)と高温超電導線材の供給に関するフレームワーク契約を締結
株式会社フジクラ(取締役社長CEO:岡田直樹)は、英国の核融合開発プログラムを実行するための機関である「英国インダストリアル・フュージョン・ソリューションズ(UK Industrial Fusion Solutions Ltd.:以下UKIFS)※1」と高温超電導線材の供給に関するフレームワーク契約を締結しました。
英国政府機関は民間企業から調達する際、入札によって供給社と契約しており、この度、当社はUKIFSが進めるフュージョンエネルギー(核融合)炉開発のSTEP(The Spherical Tokamak for Energy Production)プログラムにおいて、高温超電導線材の供給社に選定されました。
フュージョンエネルギー炉では、核融合で発生する1億度以上のプラズマを維持するために閉じ込める必要があり、当社の高温超電導線材は、強磁場を生み出す高温超電導マグネットに適用されます。
英国の核融合炉開発においては、当社はこれまで英国原子力公社(UK Atomic Energy Authority:UKAEA)向けのフュージョンエネルギー炉用高温超電導マグネット領域の研究推進プロジェクトで京都フュージョニアリング株式会社と協業するなど研究開発に携わってきましたが、今回、新たに上記フレームワーク契約を締結しました。
今回の契約にあたり、UKIFSのコマーシャルディレクターであるSho Dutta氏は、以下のように述べています。
「STEPプログラムにおいて、フジクラと高温超電導線材に関するフレームワーク契約を締結でき、大変嬉しく思っています。この契約により、英国のプロトタイプ核融合発電所の実現と核融合エネルギーの商業的可能性を実証するという当社のプログラムは、さらに一歩前進します。各契約およびサプライヤは、英国の核融合技術の発展に貢献します。ノッティンガムシャーの施設では発電所の設計が完了し、まもなく建設が始まります。当社のチームは、核融合発電の実現に向け、フジクラと共に取り組むことを楽しみにしています。」
フュージョンエネルギー開発については、欧米はもとより日本でも国家戦略の改訂を検討するなど各国がエネルギー政策として取り組みを進めています。また、日欧米で産業化を推進する民間団体が設立されるなど、産業化に向けた活動も活発化しています。
当社の高温超電導技術は、コンパクトな核融合炉を実現するために重要な素材・製品であると考えており、当社は世界トップレベルの高温超電導製品および技術を通じて、核融合開発の推進に貢献し、カーボンニュートラル社会の実現に向けて取り組んでいきます。
※1 英国インダストリアル・フュージョン・ソリューションズ(UK Industrial Fusion Solutions Ltd.:UKIFS)
英国の核融合プログラムを実行するために英国政府が設立した機関。ノッティンガムシャーのウェストバートンで、2040年までに球状トカマク型エネルギー核融合施設(STEP)を建設する予定。


レアアース系高温超電導線材
※1 英国インダストリアル・フュージョン・ソリューションズ(UK Industrial Fusion Solutions Ltd.:UKIFS)
英国の核融合プログラムを実行するために英国政府が設立した機関。ノッティンガムシャーのウェストバートンで、2040年までに球状トカマク型エネルギー核融合施設(STEP)を建設する予定。