プレスリリース
業界最高水準の性能を実現した5Gミリ波インフラ向けフェーズド・アレイ・アンテナ・モジュール『FutureAccess™』を発表 --固定ワイヤレスアクセス、モバイルブロードバンド、バックホールアプリケーション等の様々な用途に幅広く対応--
2021年8月2日
株式会社フジクラ
株式会社フジクラ(取締役社長CEO 伊藤雅彦)は、この度、5Gミリ波インフラ用途向けに、業界最高水準の性能を誇る最先端の28 GHzフェーズド・アレイ・アンテナ・モジュール (Phased Array Antenna Module:PAAM)『FutureAccess™』を発表しました。今後、2022年3月末までに、お客様向けにワーキングサンプルの提供を開始する予定です。
当社の最新PAAM製品である『FutureAccess™』は、アンテナアレイ、ビームフォーミングIC、周波数変換ICおよびフィルタを一体に集積したモジュールです。本モジュールはミリ波を利用した固定ワイヤレスアクセス(FWA)*1、モバイルブロードバンド(MBB)*2、バックホールアプリケーション*3などの各用途に適しています。当社はミリ波がモバイルインフラの将来を担うと考え、長期的な事業戦略のもとで開発を進め、本製品をはじめ高度に差異化できるミリ波RF-IC*4モジュールをインフラ市場のお客様に継続的に提供してまいります。
フジクラ28 GHzフェーズド・アレイ・アンテナ・モジュール『FutureAccess™』 |
『FutureAccess™』は、業界最高水準の性能を誇るだけでなく、お客様にとって最適な総所有コスト(Total Cost of Ownership:TCO)も実現します。加えて、他の多くのミリ波 RF-ICプロバイダとは異なり、アンテナアレイ、ビームフォーミングIC、周波数変換IC、およびフィルタを組み合わせ、システムレベルで高度に統合したモジュールを提供するという当社独自のアプローチにより、5Gミリ波インフラを構築されるお客様のシステム開発時間の大幅短縮にも大きく貢献することができます。
当社は、米国International Business Machines Corporation(IBM)社と共同でPAAM 製品 の開発を進めており(https://www.fujikura.co.jp/newsrelease/products/2058962_11541.html)、共同開発の最新成果の一部は国際会議や学術誌で発表しています。最近では、2021年6月に米国アトランタで開催されたIEEE International Microwave Symposium (IMS 2021)*6のIMS SectionのTh3E‐1や、RF-IC SectionのTu2E‐2にて成果発表をしました。
当社は、今後、世界各地の5Gインフラ構築を推進されるお客様に向けて『FutureAccess™』をご提供していくことで、5Gミリ波ネットワークおよび5Gサービスの成長と拡大に貢献してまいります。
『FutureAccess™』に関する詳しい情報を掲載する特設サイトも設けていますので、是非ご覧ください(https://mmwavetech.fujikura.jp/ja/5g/ )。
スケーラブルなミリ波フェーズド・アレイ・モジュールを乗せた評価装置 |
用語の解説
*1 FWA:通信事業者と加入者宅を結ぶ回線に無線を利用する方式
*2 MBB:モバイル端末(スマートフォン等)向け高速無線アクセス
*3 バックホール:通信事業者の基幹ネットワークと基地局を結ぶ中継回線
*4 RF-IC:高周波集積回路
*5 3GPPバンド:5Gなどの移動体通信システムの国際標準化を行うプロジェクトである3GPPが策定した5G周波数帯域
*6 IEEE International Microwave Symposium:アメリカ合衆国に本部を置く世界最大規模の電気・情報工学分野に係る学術研究団体・技術標準化機関であるIEEEが主催するマイクロ波シンポジウム