CO2排出量の削減（地球温暖化対策）
方針・ガイドライン
その目標達成に向け、再生可能エネルギーの利用と、省エネ投資の促進やZEB（ゼロ・エネルギー・ビルディング）などエネルギー使用量の削減による、二方向から目標の達成に向けて取り組んでいます。
CO2排出量の基準年度、原単位の考え方
- フジクラグループのCO2排出量は、年度毎のエネルギー別消費量に、エネルギー種類毎のCO2換算係数を乗じて算出
- 2016～2020年度環境活動管理指針では、この換算係数を削減目標で定める基準年に固定して各年のCO2排出量を算出することで、削減成果が判りやすい方法を採用
- 基準年度 国内：2013年度 / 海外：2014年度
- 換算係数 国内電力：各電力会社の排出係数 / 海外電力：IEA排出係数 / 国内外燃料：環境省公表の排出係数
- 海外におけるCO2排出量は、売上高原単位によるグループ統一のCO2排出量削減目標を設定
排出GHG総量と使用エネルギー
2017年度の排出GHG総量は、すべてCO2で合計43万5千トンで、国内での排出は17万2千トン、海外での排出は26万3千トンでした。
使用エネルギーは電力が90％で、燃料としての使用が10％でした。
サプライチェーン排出量の算定（スコープ1、2、3）
CO2排出量の情報開示は、2011年にGHGプロトコル（※）によりScope3基準が策定されたことにより、自社範囲の事業活動からサプライチェーン全体での情報開示が求められています。
フジクラでは、2017年度も継続してGHGプロトコルScope3全カテゴリーについて簡易算定を行いました。2013年度～2017年度のScope1,2,3の算定結果は下記となります。今回から上流の輸送については、Cat１に含めました。下流の輸送についてはトンキロ法のデータから求めました。
- ※GHGプロトコル（The Greenhouse Gas Protocol）： WBCSD（World Business Council for Sustainable Development）とWRI（World Resources Institute）が主体となって策定した温室効果ガスの算定基準注
フジクラのScope1,2,3算定結果
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2017年度の活動結果
フジクラは、佐倉事業所における光ファイバー製造設備の増強や、電力ケーブル事業の再編によりCO2排出量が10万トンとなり、基準年の2013年度対比で1.0％増加しました。しかし、生産設備の改善、事務所やクリーンルームの空調設備の改善や更新、工場ユーティリティ設備の省エネタイプへの更新や工場水銀灯のLED化などの省エネ投資を積極的に進めています。
また、本社とR&Dセンターでは水力発電による電力へ切替えて、年間で約3300トン、当社が排出するCO2の3.3％を削減するとともに、本社ビルのエネルギー使用に伴うCO2排出量ゼロを実現しました。
国内グループでは事業の再編により拠点が増え、CO2排出量は7万2千トンと基準年の2013年度対比6.5％増えました。しかし、生産設備の改善や、省エネタイプのエアーコンプレッサへの更新、空調設備の更新、工場照明のLED化などによる省エネを進めています。
このような取組の結果、資源エネルギー庁が公表した「工場・事業場における省エネ法定期報告（平成29年度提出分）に基づく事業者クラス分け」で、3年連続で当社グループの4社が省エネ優良事業者（Sクラス）と評価頂きました。
海外グループではCO2排出量が26万3千トンと増加しましたが、生産性の改善などによりCO2排出量原単位は前年度比3.0％の改善が進んでいます。
国内外CO2排出量と売上高原単位の推移
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輸送・移動に関する活動
物流活動に伴うエネルギー原単位改善について、前年度比1％減（43.1KL/キロトン）を目標としていましたが、実績値は42.3 KL/キロトンとなり目標を上回って達成しました。荒引線のパレットレス化などの取組により、積載率が向上しました。
また、資源の効率的な利用促進を継続しており、梱包材・木製ドラムの再利用を進めています。また、積載率向上の為に開発した2段積用治具（正式名称：電線ドラムパレット）について、利用を積極的に推進しています。
梱包材・木製ドラム再利用状況
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電線ドラムパレット |
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省エネの取組み
環境省のキャンペーン推進
フジクラグループは、地球環境にやさしい企業グループとして、環境省の進める2030年に向けた温暖化防止の新国民運動｢COOL CHOICE(クール・チョイス)｣に参加・登録を行い、積極的な取り組みを進めています。また、夏季の省エネやクールビズ、また冬季のウォームビズに取り組んでいます。
LED照明導入推進
フジクラグループではLED照明の導入を進めています。佐倉、鈴鹿、沼津の各事業所で政府の補助金を利用して水銀灯からLED照明への切替を促進しました。今後も「水銀に関する水俣条約」締結に伴う2020年の規制にむけた水銀灯の計画的なLED照明への切替およびその他の天井照明を中心にLED化による省エネとCO2排出量の削減を進めていきます。
事業所での省エネの取組み
2017年度、佐倉事業所では、年間を通じて昼夜操業している光ファイバー製造工場のクリーンルーム用空調設備の省エネ改善を実施しました。従来、水冷式パッケージエアコンは、生産設備の稼働状況と外気温度に応じて負荷が変動し、冷却水温度も変動していました。今回、冷却水循環系統に温度センサを設置し冷却水温度をモニタリングするともに、冷却水温度を一定に保つことができるように循環ポンプを制御する技術を開発しました。これにより、CO2の排出量を年間151トン削減しました。
また、クリーンルームの大型外調設備を計画的に更新して、ユーティリティ設備の省エネを進めています。
グループ会社での省エネの取組み
沼津熔銅では、鋳造設備により工場の天井付近が高温になるため、従来はLED照明が使用できませんでしたが、省エネ補助金を利用して高温用LED照明に更新し、省エネを実現しました。
また、西日本電線では、大型伸線設備の更新に併せて、省エネモーターへ更新してCO2排出量を年間49トン削減しました。他のグループ拠点でも省エネモーターへ大型モーターの更新を進めています。