環境 生物多様性確保 当社およびグループ会社は、“人にやさしい、地球環境にもやさしい企業グループ” を目指しています。当社グループは、2012年度に「フジクラグループ生物多様性確保ガイドライン」を制定し、その運用をスタートしました。生物多様性とは、生態系の多様性、種の多様性、遺伝子の多様性を含んで、地球上に存在する生きものたちの豊かな生態系やつながりのことです。全ての生きものは、直接的、間接的にお互いに支えあって生きています。この「生物多様性」によってもたらされる多くの恵みによって私たちの命も暮らしも支えられています。私たちは、このことをグループ社員一人ひとりがしっかり認識するとともに私たちの事業活動に中でフジクラグループ生物多様性確保ガイドラインの実践を進めていきます。 フジクラグループ生物多様性確保ガイドライン 1.事業計画等の策定などにあたっては、関係する国内外の生態系、地域社会に及ぼす影響に配慮します。 2.製品・工事・サービスなどにあたっては、生態系の保全に配慮した原材料調達・環境配慮(LCA・環境負荷物質削減など)等に努めます。 3.事業活動で排出する廃棄物、廃油、排水等は適正処理、リサイクルに努めるとともに、環境美化活動を通じて地域社会の生態系保全に努めます。 4.NGO/NPO、教育・研究機関、地方自治体等とのコミュニケーションを通じて、生物多様性の拡充、連携、協力に努めます。 5.生物多様性を育む社会づくりに向けて、全社員に自然環境教育を行い、意識の向上に努めます。 フジクラグループの取り組み指針 1.緑化の推進には自生種、在来種の優先的な導入等に配慮します。 2.製造工程で利用した排水を水生生物や農業利用ができる水に戻すなど循環利用に努めます。 3.ビオガーデン「フジクラ 木場千年の森」をモデルとして、地域社会と密着した生物多様性保全活動と緑化を推進します。 4.生物多様性民間参画パートナーシップに参加します。 事業活動と生物多様性の関連性 当社グループの事業活動と生物多様性の関連は、以下の通りです。 生物多様性に関する事業拠点のリスク 平均生物種豊富度(MSA)の推移 生物多様性の損失は、平均生物種豊富度(MSA)という指標によって計測されており、これは生物多様性条約でも生物多様性を測定するうえで信頼のおけるものだと認識されています。2010年と2050年のマップでは、アフリカ、インド、中国、ヨーロッパで顕著な影響が表れています。 地図出典:「生態系と生物多様性の経済学 中間報告」日本語版 / The economics of ecosystems & biodiversity (TEEB) http://www.ecosys.or.jp/teeb/ フジクラグループは、ヨーロッパ、中国、インド進出しており、これらの拠点では今後リスクとしての認識が必要になってきます。 フジクラグループの海外拠点(2016年度) 2016年の主な取り組み フジクラグループ生物多様性長期ビジョンロードマップ2030と具体的展開 2010年11月に創設したビオガーデン「フジクラ 木場千年の森」は6年目を迎えました。現在この森はフジクラ生物多様性のフラグシップとなっています。カルガモに加えて、ここ数年カワセミが営巣しています。 現在、地球温暖化や人間の生産活動等によって、地球上の多くの生きものたちの絶滅が進んでいます。当社グループは、かれらを絶滅から護ろうとする活動である生物多様性確保の取り組みをグループ全体へと広げるために、2013年1月、「フジクラグループ生物多様性長期ビジョン・ロードマップ2030」を策定しました。 2016年度は、佐倉事業所内自然の活用のために、「佐倉千年の森プロジェクト」を立ち上げました。森に遊歩道を整備するとともに希少種の保護を図り、社員の健康づくり、生物多様性の確保、将来的には、地域の皆様とのコミュニケーションの場として活用していく計画です。 佐倉事業所の取り組み 当社佐倉事業所は、フジクラグループ地球環境委員会の策定した「フジクラグループ生物多様性長期ビジョン・ロードマップ2030」に基づく活動と、当社グループの健康経営宣言に基づく社員の健康マネジメントの活動などの観点から、同事業所内に広がる自然豊かな緑地の活用の検討を進めています。2016年11月には「佐倉千年の森プロジェクト」を設立し、3年間の活動計画を立て本格的な活動を開始しました。今後、幅広く意見を取り入れ、緑地の配置や設計、活用方法等の検討を進めていきます。 佐倉千年の森 ウッドチップを敷設した遊歩道 緑地に自生するキンラン ■生物多様性ちば企業ネットワークに参加 佐倉事業所は、グループで進めている生物多様性確保の活動の一環として、地元千葉県が取り組む生物多様性ちば企業ネットワークに参加しています。この生物多様性ちば企業ネットワークは、千葉県が企業による生物多様性の保全および持続可能な取り組みを支援するため、2013年4月1日に設立し、2020年を目標として、生物多様性条約の愛知目標達成に貢献しようとするものです。参加企業は、千葉県と支援団体等と連携して生物多様性の取り組み活動を進めています。 ■佐倉事業所に生物多様性サテライト設置 生物多様性ちば企業ネットワークの取り組みとして、千葉県生物多様性センターのご支援の下、佐倉事業所食堂内に生物多様性サテライトを開設しています。社員だけでなく打合せ等で来所される多くの皆様へ生物多様性についての情報をご提供する場として活用するために、サテライトには千葉県生物多様性センターよりご提供いただいた展示パネルを掲示するとともに、同センター発行のパンフレット、広報誌を置き配布しています。 鈴鹿事業所の取り組み 当社鈴鹿事業所では、事業所内に広がる自然豊かな緑地の管理と活用の検討を進めています。2016年度の活動についても、社員による緑地の維持・管理を行ってきました。また、毎年1月に新成人による記念植樹を行っており、植樹の際には在来種を選定し生物多様性の保護・向上を図っています。 生きもの調査とデーターベース 当社は、2014年4月より2年間に亘り、在来種植栽の普及を目指す東京都の「江戸のみどり復活事業」プロジェクトに参加しました。このプロジェクトの活動の一つとして当社は、「フジクラ 木場千年の森」の動稙物の生きもの情報を収集し、生物多様性確保の効果と在来種植栽による生きもの誘因効果の測定を目的とする「効率的な生ものモニタリング」に取り組みました。2014年8月、生きもの情報を登録するためのデータベース・システムが完成し生きもの調査がスタートしました。この調査には、主に当社本社地区の部門環境責任者が担当し、調査情報を当システムに入力しました。また、入力されたデータは、必要により専門家による鑑定を行いました。この「千年の森」の生きもの調査には、2016年3月末までに、延べ約230名の社員が調査に参加し、約1,900件の生きもの情報(定点自動撮影を含む)の登録が行われました。 生きもの調査 登録情報画面 生物往来事例集(カワセミの例) 都心に息づく自然溢れるビオガーデン「フジクラ 木場千年の森」 ビオガーデン「フジクラ 木場千年の森」は、2010年11月に東京・木場の当社本社横に創設されたビオトープとガーデンの両方の機能を持つ地域コミュニティのための自然空間です。広さ2200m2、2つの池とそれを繋ぐ小川、浮島、遊歩道などがあり、生きものたちが優先される空間として、また数百年前の武蔵野台地の豊かな森や林を再現しています。2014年度から2年にわたり、在来種植栽の普及に向けた東京都「江戸のみどり復活事業」に参画し、「千年の森」で社員による生き物調査などを行っています。 多くの種類の鳥類や昆虫類などが観察されており、都市部での生態系の再生に少しでも貢献したいと思っています。近年は、カワセミやカルガモのひなが巣立ちました。 【開園の時間】 4月~9月 7:00 ~18:00 / 10月~3月 7:00 ~17:00 ※入場は無料 【場所】 深川ギャザリア内(江東区木場1-5-1) 【ホームページ】 http://www.forest1000.fujikura.jp/ 次のページへ→