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CSR統合報告書

フジクラグループCSR統合報告書2016
第三者意見 / ご意見を受けて

第三者意見

本木 啓生

フジクラグループは「2015中期経営計画」の最終年度において、売上高は過去最高で営業利益も大幅に増益し、当初の計画をほぼ達成した結果となりました。伊藤社長の巻頭言では、5カ年計画として今年度よりスタートする「2020中期経営計画」において、財務パフォーマンスの追求とともに、CSRの推進も加速していく旨が謳われており、財務・非財務の両面において今後のさらなる企業価値向上が期待されます。

フジクラグループのCSR統合報告書は、伝えるべき内容を絞り込んだ冊子版と、一段と開示レベルを掘り下げ、詳細な情報を掲載したWebサイトの連携により、紙媒体と電子媒体のバランスが取れたものとなっています。また、フジクラグループにとっての主なステークホルダーの特定と自らの責任と課題、さらにコミュケーションの手段を整理していることからも、真摯にCSRに取り組む姿勢を伺うことができます。

2015年度にも様々進展があった中で重要なものの一つとして、「2020中期経営計画」策定に合わせて実施された、マテリアリティ項目の見直しが挙げられるでしょう。昨今のグローバルにおける社会・環境課題や、ESG(環境、社会、ガバナンス)評価を組み込んだ長期投資家の視点などを念頭に、重点方策を12項目に絞り込んでいます。どのようなステップでマテリアリティの絞り込みを行ったのか、その結果どのような課題が特定されたのかが報告され、さらにはSDGs(持続可能な開発目標)との関連性も示しています。

また、フジクラグループCSR理念の下に、「フジクラグループ環境長期ビジョン2050」を制定し、4つの革新的なチャレンジを掲げたことも特筆すべき点です。特に2050年に向け、工場からのCO2排出総量ゼロの目標設定は、昨年12月のCOP21の合意を背景とした世界的な時流に合致したものであり、産業界のあるべき方向性を示したものとなっています。具体的な施策が見えない中でも到達すべきチャレンジングな目標をトップダウンで指し示すことで、マネジメントレベルや現場レベルから様々な創意工夫が生まれ、その実現に着実に近づいていくものと考えます。

今後に向けた課題は、CSRや環境の目標設定の内容が、いずれもコーポレート活動の域に留まっている点です。事業領域にサステナビリティ要素をビジネス機会として組み込むなどCSVの発想を織り込んだ目標設定を行うことで、CSR重点方策と2020中期経営計画とのさらなる一体化を図ることができると考えます。

CSRの本質的な取り組みが求められることと同時に、より洗練された情報開示が望まれます。環境データのページではサイト別に規制値と自主基準値を掲載するなど、詳細な情報開示を行っていますが、データ集として環境データに限定せず、グループ全体のESGの主要データを経年で示すことで、閲覧者は全体像の把握が容易になります。

障がい者雇用の特例子会社フジクラキューブの設立が、特集に掲載されています。入社式を終えたばかりの新入社員のすがすがしい笑顔が印象的です。経営哲学として創業の精神を大切にするフジクラならではの本業と一体化したCSRが実践されていくことに期待しています。

ご意見を受けて

当社グループを取り巻くESG(環境・社会・ガバナンス)に関する環境変化は、ますます速くなっています。昨年は「COP21パリ協定の締結」や「国連SDGsの採択」など、CSRに関する新しい方向性が示されると共に、社会の企業への要請や求められる責任も年々大きくなっています。また、ESGを重視した情報開示への関心も高まっています。私たちは、このような社会の変化や要請にしっかりと応えるため、本木啓生様とのダイアログを経て、今後5年間に取り組む「20中期CSR重点方策」を策定し、本年度より活動をスタートしました。私たちは、CSR重点方策として定めたこれらの活動を、グループをあげて着実に確実に進めてまいります。

本木啓生様より専門家としてのお立場から広い視野に立った第三者意見をいただきました。ご評価をいただきました「マテリアリティ項目を見直した20中期CSR重点方策」や「フジクラグループ環境長期ビジョン2050」につきましては、取り組みを進めると共に、その目標の実現に向けて一層の努力を尽くしたいと思います。

また、本木様から今後の課題として、「CSVの発想を織り込んだ目標設定」「より洗練されたデータの情報開示」のご提言をいただきました。これらのご提言を受け、フジクラグループCSR委員会は、ご提言の一つひとつをしっかりと受け止め、取り組みへの検討を進めてまいります。

私たちは、今年7月に「フジクラグループ環境長期ビジョン2050」を制定しました。これは2050年にCO2の排出量をゼロにすることを含む、大変大きなチャレンジで、未来を見据えたCSR活動への強い決意でもあります。私たちはこれからも高い目標に果敢にチャレンジすると共に、”お客様に感謝され、社会からは高く評価される企業グループ”を目指し不断の努力を重ねて、持続可能な社会の実現のために、企業グループとしての社会的責任の一端を果たしてまいります。