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CSR統合報告書(HTML)
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CSR

CSR統合報告書

フジクラグループCSR統合報告書2014
第三者意見、ご意見を受けて / 独立した第三者による認証

第三者意見

大森 慶子

今回で3年目のレビューとなりますが、2013年度は一段と大きく歩みを進められました。まず注目されるのが「国連グローバルコンパクト」への支持表明です。これにより、「人権」「労働」「環境」「腐敗防止」という国際社会が重視する課題に向き合い、自らの事業活動において国際原則を尊重していくことを宣言されました。国際的な原則やガイドラインに照らして必要な方針・指針を整備され、社内外に対し普及・定着のための活動を積極的に展開、関連する活動の報告についても本報告書において真摯になされています。

こうしたグローバル視点の一方で、足元の基盤づくりも着実に進められていることが分かります。健康経営宣言により、企業価値の源泉となる社員一人ひとりの健康に目を向け、予防的アプローチで社員の健康増進にますます注力されることを宣言。また、地域コミュニティとの関係をしっかりと築いていくことを改めてフジクラグループ社会貢献基本方針として明確にされるなど、数々の取り組みを進められています。グループ各社の社会貢献活動の状況を集計され、数値として共有したことも先進的な取り組みの一つと言えるでしょう。CSR活動と事業成長は、木に例えれば、根と枝葉のような関係にあります。創業130年を迎え、世界を舞台に事業を展開し成長する御社の姿は、こうしたCSR活動を通して大地にしっかりと根を張り、大きく枝葉を伸ばす大樹のようであり、時宜を得たCSRの発展を遂げているとの印象を受けます。

今後さらに期待されることとしては、一つに、統合思考の深化が挙げられます。国際統合報告評議会(IIRC)により統合報告フレームワークが発表されました。その背景には、過去の業績を示す財務情報だけでなく、企業が将来にわたって価値創造を可能とするためにどのような取り組みを行っているのか、いわゆる非財務情報を重視する投資家の存在があります。CSRは企業の価値を支え、将来の価値を生み出す取り組みであり、経営戦略と一体のものとして考える統合思考が求められています。今年、統合報告書としての一歩を踏み出され、財務情報と非財務情報の一体化を目指す姿勢は大いに評価されます。事業とCSRの関係性をより明確にし、御社ならではの価値創造のストーリーを伝える報告書へと今後発展していくことを期待します。

もう一つが、女性を含めた多様な人材の活用です。世界経済フォーラムが毎年発表する国別の日本の男女平等(ジェンダー・ギャップ)指数では、日本は136カ国中105位と、国際的にも低水準です。日本全体の課題でもありますが、これから人口減社会に突入する日本では、女性を含めた多様な人材をいかに活用できるかは企業競争力に影響する課題の一つです。すぐに成果が期待されるものではないため、中長期での着実な取り組みが求められます。すでに海外では女性が活躍する拠点も多いとのお話を伺いました。CSR重点方策の一つとしても位置づけられ、課題として認識されていることが伺えますが、具体的な取り組みの報告がなされていくことを期待したいと思います。

最後に、CSRは終わりなき挑戦です。取り組みを進める一方で、表面化する問題もあることでしょう。問題に学び、リスクを先取りし、これからも絶え間ない努力と深化を進められるものと期待しております。

 

ご意見を受けて

宮城 秋男

本報告書は、従来のCSR報告書から「CSR統合報告書」へと変わりました。この統合報告書への変更は、国際統合報告評議会(IIRC)が昨年12月に公表した「国際統合報告フレームワーク」に対応したものです。私たちは、このフレームワークの公表をステークホルダーからの要請、社会からの期待と受け止め、新たな一歩を踏み出しました。当社グループの統合報告書へ変更のプロセスは、「企業はステークホルダーとのコミュニケーションを通して社会の変化や要請をいち早く察知し、社会の期待に迅速に応えていく」とする当社グループCSR委員会の決定に基づくもので、この方針に基づき、専門家のご意見をベースに将来のあるべき姿を視野において、検討と論議を重ねたものです。とはいえ、当社グループの統合報告書への取り組みは、まだ緒に就いたばかりです。当社グループは、統合報告書のさらなる充実を図ると共に、企業としての説明責任を果たして参りたいと考えております。

専門家としてのお立場から大森慶子様より広い視野から第三者意見を頂きました。ご評価を頂いた「グローバル視点から国際社会が重視する課題への取り組み宣言(国連グローバルコンパクトの支持表明)」、「企業価値の源泉となる社員の健康増進の取り組み(健康経営宣言)」、「地域コミュニティの新たな関係構築に向けた方針制定(社会貢献基本方針の制定)」等については、さらに取り組みを進めて、先進的な企業の取り組みだとご評価を頂けるよう努力をしたいと思います。

また、大森様から今後に向けた取り組みとして、「1.統合報告の深化で当社グループならではの価値創造の過程の報告」と「2.女性を含めた多様な人材の活用の具体的な取り組みの報告」の2つの課題を頂きました。これらはいずれも私たちの現在の取り組み課題であり、また中期的なCSRテーマでもあります。とはいえ、私たちは、大森様からのご提言を受けて、現在の取り組み課題を再確認し、日々変化していくCSRの問題として社会からその動向を学びながら、リスクを先取りし、終わることのない挑戦を通じて、企業としての社会的責任を果たして参りたいと考えています。

グローバル化を進める当社グループの事業環境は常に変化しています。私たちは、それらの変化を具体的なCSR課題として捉え、グループの重点方策と位置付けながらPDCAを回して、大森様より頂いた「CSRは終わりなき挑戦」のお言葉を旨に、絶え間ない努力で深化を追求して参りたいと思います。またそれらの活動を通して、持続可能な社会の実現と当社グループの短期・中長期的視野から企業価値創造の両立を図って参ります。

 

独立した第三者による認証「第三者レビュー報告」

「フジクラグループCSR統合報告書2014」では、開示する環境パフォーマンスデータの信頼性を向上させるために第三者による審査「レビュー」を受審しました。

「第三者レビュー報告」は、2013年度の「エネルギー起源CO 2 排出量(Scope1&2)」及び「水使用量」の報告データの収集・算定・報告の方法についてビューローベリタスジャパン株式会社*が審査した結果の報告です。

*船級や建築、システム、消費財などの検査、審査、試験・分析などを行なう認証機関です。

第三者レビュー報告

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