基本的な考え方
グループ経営理念MVCVを体現していくためにフジクラグループの企業価値を高める行動基準に基づく行動だけでなく、これまでに私たちが築き上げてきた企業価値を毀損しない行動も合わせて必要となります。
そのために社員ひとり一人が守るべき行動原則を「グループ行動規範」として定め、グループ全体で企業倫理の確立に向けた取り組みを推進しています。
フジクラグループ行動規範
- 社員の幸せと安心・安全で働きやすい職場環境の実現のための行動規範
- 1.1 労働法の遵守と安全衛生管理の徹底
- 1.2 人権と多様性の尊重
- 社員一人ひとりが適正に業務を行うための行動規範
- 2.1 責任ある業務執行とコミュニケーションの促進
- 2.2 品質保証の徹底
- 2.3 会計・税務ルールの遵守と内部統制の確立
- 2.4 会社財産の管理の徹底と価値の保護
- 2.5 適切な文書・データの管理と情報セキュリティの徹底
- 2.6 適正な知的財産管理
- 2.7 貿易管理の徹底
- 取引先との誠実な関係の維持のための行動規範
- 3.1 お客様との約束の遵守
- 3.2 お客様との健全な関係と公正な競争
- 3.3 販売代理店等との健全な関係と倫理・コンプライアンスの要請
- 3.4 調達先との健全な関係と適正な取引
- 地域・社会の発展への貢献と地域・社会とのコミュニケーションのための行動規範
- 4.1 事業活動を通じた地域・社会への貢献と共生
- 4.2 社会との積極的なコミュニケーションと適切な情報発信
- 4.3 環境負荷軽減と持続可能な社会の実現
- 株主価値の向上と投資家との対話のための行動規範
- 5.1 適時・適切な情報開示
- 5.2 公正で透明性のある意思決定
- コンプライアンスのための基本となる行動規範
- 6.1 法令等と社内ルールの遵守と誠実な行動の徹底
マネジメント体制
フジクラグループは、法令および社会規範を遵守し、企業倫理に則って健全な企業経営を実現することを旨としています。業務の遂行については、フジクラの法務室、輸出管理室、人事・総務部、ファイナンス統括部等の各法令に専門性を有するコーポレート部門が定める社内規程や教育、個別の指導等によって適法性を確保しています。さらに、内部監査部門による監査によって課題の抽出、改善提案および実施確認を行っています。
また、フジクラグループにけるコンプライアンスに関して、経営層での情報共有及び課題討議、ならびにフジクラグループ全体に対する浸透・啓発活動の推進を行う機関として、取締役社長を委員長とするコンプライアンス委員会を設置しています。同委員会は取締役社長CEOを委員長として、少なくとも年2回開催されており、関連部門から法令遵守に関する事例や諸施策の報告等を実施し、情報共有および課題についての議論を行っています。
内部通報制度
フジクラグループは、通報者の保護・守秘義務・不利益取扱いの禁止等を定めた内部通報制度を運用しております。本制度は不正やコンプライアンス違反、ハラスメント、就業規則違反等を早期に発見し、是正することを目的としています。国内拠点の通報窓口はフジクラ本社および各グループ会社窓口に加え、外部弁護士による社外窓口を設置し、フジクラグループ従業員等からの通報を受け付けています。また、海外拠点の通報窓口については、各海外グループ会社の設置する通報窓口に加え、別途外部の専門会社と契約のうえ、「フジクラグループ海外拠点内部通報窓口」を設けており、通報はフジクラ本社で受付けています。
内部通報件数の推移
競争法の遵守
フジクラグループは、「フジクラ独禁法コンプライアンス・プログラム」 により、フジクラグループ全体として独占禁止法を含む国内外の競争関係法令(以下、「競争法令」といいます。)の遵守について、社内体制を整備し、適宜更新及び改善を行っています。 フジクラは、フジクラ独禁法コンプライアンス・プログラムの下位規程として「競合他社との接触基準に関する規程」を定め、従業員が競合他社と接触する場合について、一定の基準を設け、制限しています。フジクラの内部監査部門では、競争法令の遵守について主として競合他社との接触の観点から定期的な監査 を行っています。 また、毎年の継続的な取り組みとして、フジクラグループの役員及び従業員を対象 に独占禁止法に関するeラーニングを実施しています 。
腐敗防止の遵守
フジクラグループは、活動するすべての国と地域において贈収賄を防止すべく、「フジクラグループの腐敗防止に関するポリシー」を定め、フジクラグループ内のルール整備やeラーニングによる教育実施などを通じてこの徹底を図っています。 また、事業における個別のリスク評価は、法務室を主体に、国、地域および業界の状況等の外部環境や、公務員等との接点の度合い(許認可、通関等、顧客等)などを考慮要素として適宜実施し、腐敗行為の発生防止に努めています。 また、上記ポリシーに基づき、公務員等及び販売先、仕入先、代理人その他フジクラグループの業務に関する全ての関係先との間における接待・贈答等について、以下のとおりとしています。
フジクラグループの接待・贈答等に関する具体的な指針
- フジクラグループが接待・贈答等を行う場合の指針
フジクラグループが行う接待・贈答等については、業務の公正性、健全性を確保するため、正当な業務目的に資し、かつ金額・頻度・内容が社会通念上妥当な範囲において、所定の手続きを経た場合に限って行うことができることとしています。
- フジクラグループが接待・贈答等を受ける場合の指針
フジクラグループの役員、従業員が接待・贈答等を受ける場合についても、自らを厳しく律することを旨としています。法令違反はもとより、客観的に見て不正の意図に応えているとみられる接待・贈答等(金額、頻度、タイミング、宛先、内容、目的等により判断)や、習慣上の贈答品等を受領することは原則禁止としています。
具体的には、以下のような接待・贈答等の申し出はお断りしなければならないこととしています。- ①社会通念の範囲を超えて、酒食やゴルフなどの接待を受けること
- ②金銭・商品券類を受け取ること
- ③お歳暮/お中元/贈答品(手土産等を含む)等を受け取ること
- ④個人的に接待・贈答等を受け取ること
輸出管理の遵守
輸出管理(安全保障貿易管理)とは、先進国が保有する高度な貨物や技術が、大量破壊兵器等の開発や製造等に関与している懸念国やテロリスト等の懸念組織に渡ることを未然に防ぐための取り組みをいいます。フジクラグループでは、国際社会のもとでグループ全体が輸出管理(安全保障貿易管理)に取り組むため、「フジクラグループ輸出管理基本方針」を制定しています。
また、フジクラでは、国際的な枠組(国際輸出管理レジーム)に基づき制定された各種法令に従って、輸出管理体制を構築しています。輸出管理の最高責任者は取締役社長CEOであり、輸出管理室を担当する執行役員は取締役社長CEOを補佐します。また、当該執行役員の指導監督のもと、輸出管理室は、全社的な立場で輸出管理に関する業務を行います。各事業部門を担務する執行役員等は各事業部門等における輸出管理業務の責務を負います。
さらに、輸出管理室では全社の輸出管理担当者を集めた連絡会議を年3回開催し、輸管監査の実効性向上や輸出管理の実施状況等の情報共有、輸出管理担当者の意識向上、知識のレベルアップを図っています。
フジクラグループ輸出管理基本方針(2015年10月制定)
- 私たちは、国際的な平和と安全の維持を阻害するおそれのある取引に関与しないことをフジクラ・グループの基本方針とします。
- 私たちは、事業活動を行う国や地域の輸出管理に関する法令を遵守します。
- 上記の基本方針及び法令を遵守するため、輸出管理の体制やルールを構築します。
個人情報保護の遵守
フジクラグループは、お客様をはじめ当社ステークホルダーの皆様のプライバシーを保護するという企業としての社会的責任を遂行するために、業務を通じてご提供頂いた個人情報(氏名、住所、電話番号、メールアドレス等、個人を特定できる情報)について、これを適正に取扱う義務があると考えています。このため、取扱う個人情報について、こちらのとおり基本的な方針を定めています。
加えて、フジクラは、当該方針に基づき個人情報を適正に取り扱うため、個人情報保護のための管理体制および遵守事項に関して「フジクラグループ個人情報保護規程」を定めています。同規程に基づき、業務執行取締役を個人情報保護統括責任者として任命し、全社個人情報保護責任者および各部門に部門個人情報保護責任者を設けています。また、従業員に対しては個人情報保護に関する教育等を行い、個人情報の適正な取扱いに努めています。
インサイダー取引規制の遵守
フジクラグループは、「内部情報管理規程」を設けて、公平・公正な市場の確保のための情報開示ルールを遵守するための社内体制を明確化するとともに、役員および従業員によるインサイダー取引の防止に努めています。
具体的には、情報開示については、フジクラグループ内における重要事実の生成から公表までの情報管理を厳格に定め、インサイダー取引の防止については、役員及び従業員等が当社の株式等の売買を行おうとするときは、事前に法務室長に届け出ることとし、かつ当該届出から一定期間の間のみ、かかる売買を行うことができることとしています。
また、インサイダー取引規制に関しては、フジクラグループの役員及び従業員を対象に毎年eラーニングを実施しています。
税務の透明性確保
フジクラ行動規範としてコンプライアンスに則した行動規範を策定しており、フジクラグループの全ての役員及び社員は、自らの行動について自律的で厳しい姿勢を保つとともに、法令や国際ルール及びその精神の遵守はもちろん、地域社会の文化・慣習を尊重し、常に品位と社会的良識をもって行動します。この基本的な考え方に基づき、税務実務においても、社員に対する啓発などを通じて、コンプライアンスの維持・向上に努めるとともに、税務処理にあたっては、以下の原則を遵守しています。
- 租税に関連する法令その他各国・地域の経理関連法令等を遵守し、常に適切な税務処理と適正な会計処理を行います。
- 税務リスクが高いと想定される取引については、十分な事前検討を行う体制を整備し、税務リスクの低減に努めます。
- 財務諸表は、会社法ならびに関連する法令等を遵守し、公正に作成することに努め、財務情報の透明性をより高めていきます。
国連グローバル・コンパクトへの参加
当社は、2013年7月のCSR委員会(経営会議)の決定を経て、国連が提唱する「人権」、「労働」、「環境」、「腐敗防止」に関する普遍的な国際原則である「国連グローバル・コンパクト(UNGC)」への支持を表明し、同年9月3日に支持する旨の署名を行いました。同時に「国連グローバル・コンパクト(UNGC)」の日本のネットワークである「グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(GC-NJ)」に加盟しました。当社は、"各企業・団体が責任あるリーダーシップを発揮することで、世界市民の良き一員として行動し、持続可能な社会を実現するために、10原則をベースとする世界的な枠組みづくりに参加する"という「国連グローバル・コンパクト」の趣旨・目的を従業員に共有しています。