株式会社フジクラ

  1. Home
  2. 研究開発
  3. フジクラ技報
  4. No.118 2010年4月
R&D
フジクラ技報

No.118 2010年4月

 

論文記事

空孔アシストファイバにおけるファイバヒューズ現象

 ネットワークトラフィックの増大に伴い,光ファイバ1 本あたりの入射光量が増えていくことが予想されている.光ファイバへの入射光量が増えると,伝送路や光源に致命的なダメージをおよぼすファイバヒューズが発生する可能性が大きくなる.そこで当社では,ファイバヒューズ耐性を持つ可能性のある空孔アシストファイバ( HAF)のファイバヒューズの評価を行ったので,その結果を報告する.

close
位相シフト超構造ファイバブラッググレーティング

 光符号分割多重アクセス(OCDMA)技術は,ユーザ毎に異なる符号を割り当てることで多重化を行うアクセス技術であり,光アクセスネットワークの高速化・大容量化を実現する技術として注目されている.今回われわれは,位相シフト超構造ファイバブラッググレーティング(SSFBG)を用いた光符号・復号器の改良を行い,また,中央局にマルチポート光符号・復号器,各ユーザ端末装置にSSFBG 光符号・復号器を配置したOCDMA ネットワークを構築し,10 Gbps × 8 ユーザでのフィールド伝送試験を行った.

close
D形偏波保持光ファイバの融着接続

 偏波保持光ファイバで最も多く使用されているのはPANDAファイバであるが,一部用途においては断面がD形の光ファイバが使用される.
 融着接続機開発グループでは,光ファイバ融着接続技術開発としてこのD 形の偏波保持光ファイバを融着接続する方法の開発を行い,その方法を現行融着接続機に新機能として追加した.

close
単心専用光ファイバカッタ

 現場付けコネクタやメカニカルスプライスの市場では,低価格で切断性能が安定した単心専用の光ファイバカッタに対する強い要求がある.また,斜め切断を用いた低反射現場付けコネクタの普及に伴い,現場付け用の斜め切断光ファイバカッタに対する市場要求も高まっている.今回,これらの要求に応えるべく,低価格と安定した切断性能を両立させた単心専用光ファイバカッタと斜め切断光ファイバカッタを開発した.

close
10G-EPON OLT 用デュアルレート光トランシーバ

 次世代光アクセスシステムとして,10Gbit/s という高速な通信を各加入者宅まで提供可能な,10Gbit/s Ethernet Passive Optical Network(10G-EPON)システムの開発が活発である.すでに1Gbit/s のEPON(1G-EPON)が普及している日本のような市場においては,OLT に1G,10G 両方の伝送レートでバースト信号受信機能が必要とされる.当社では,1G,10G 光受信機能に加え, 1G の光送信機能と10G の光送信機能を一体化した光トランシーバを開発し,良好な特性を得た.

close
FPC 上への0402 チップ部品実装技術

 電子機器の小型・薄型化にともない,機器内の基板上に実装される受動部品のサイズは,従来の0603(0.6× 0.3 × 0.6 mm)から0402(0.4 × 0.2 × 0.4 mm)へ移行するものと予測されている.フレキシブルプリント配線板(Flexible Printed Circuit, FPC)は機器内の3 次元配線として用いられるだけでなく,受動部品をはじめとする様々な部品がはんだで実装される.そこで,将来的なFPC 上での0402 チップ部品の実装に向け,基板設計からリフローはんだ付け工程にいたるまでの要素技術を確立した.

close
ポリ乳酸の被覆電線(2)

 植物由来ポリマであるポリ乳酸は,生分解特性だけでなく,化石資源の節約やCO2 発生量低減の観点から,対環境性の良いプラスチックといわれており,その利用範囲も確実に増えている.当社では,前報(フジクラ技報113号,2008年1月)でポリ乳酸絶縁電線を試作し,評価した結果,柔軟性を持つポリ乳酸絶縁電線の可能性を示した.今回,熱の影響に関する新たな知見が得られたので報告する.

close
色素増感太陽電池用カーボンナノチューブ電極

 色素増感太陽電池において,対極は発電極で酸化された電解質を還元する役割を担っている.従来,対極には還元性能と耐食性の観点から白金が用いられてきた.しかし白金電極も,ヨウ素電解液中での耐食性が不十分な面や,コストの面でまだ課題があり,より高耐食で低コストの材料が望まれている.炭素材料はこれらの課題に対する有力な候補であり,中でも魅力的な材料であるカーボンナノチューブに着目し開発を行った.今回,還元性能に優れた電極を開発し,色素増感太陽電池の対極への応用を検討したので報告する.

close
トゥルー3 次元配線

 次世代の貫通配線技術として,基板内部で屈曲や分岐した3 次元構造を有する微細配線-トゥルー3次元配線-技術を開発した.この技術を用いれば基板内部を自由に配線することができるため,従来の直線形状のみの貫通配線と比較して,より高密度で自由度の高い電子デバイスパッケージの実現が期待できる.本論文では,トゥルー3 次元配線の作製方法,および作製したトゥルー3 次元配線の構造的評価や電気的特性について述べる.さらに応用例の一つとして,本配線技術を用いたインターポーザを試作し評価した結果についても報告する.

close

技術トピックス

新製品紹介


PAGE TOP