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データ対照表

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ILO「多国籍企業及び社会政策に関する原則の三者宣言」

■序文

1 多国籍企業は、ほとんどの国の経済及び国際経済関係において重要な役割を果たしている。この役割に関しては、使用者及び労働者並びにそれらの団体のみならず、政府の関心もますます増大している。このような企業は、国際的な直接投資やその他の手段を通じて、資本、技術及び労働のより効率的な活用に寄与することにより、その本国及び受入国に多大な利益をもたらすことができる。また、これらの企業は、政府によって設定された開発政策の枠内において、経済的・社会的福祉の増進、生活水準の改善及び基本的ニーズの充足、直接及び間接の雇用機会の創出、世界中での結社の自由を含む基本的人権の享有に対して重要な寄与をなしうる。他方、多国籍企業の国家の枠組を超えた活動編成における進展は、経済力の集中の濫用並びに国の政策目標及び労働者の利益との衝突をもたらす可能性がある。加えて、多国籍企業の複雑性並びにその多様な構造、活動及び方針を明確に認識することの困難性は、ときとして、本国、受入国又はその双方に懸念を生じさせる。 原則の考え方
2 この「原則の三者宣言」の目標は、新国際経済秩序の確立を提唱する国連決議並びに国連内におけるその後の展開、例えばグローバル・コンパクト及びミレニアム開発目標を考慮に入れながら、多国籍企業が経済的・社会的進歩に対してなしうる積極的寄与を奨励し、その各種の活動がもたらす困難を最小にし、かつ解決することである。
3 上記の目標は、適切な法及び政策並びに政府及びすべての国における政府と労使団体との間の協力によって採用された方策及び行動によって促進されるであろう。
4 この宣言で述べられている原則は本国及び受入国における政府、使用者団体、労働者団体及び多国籍企業自体に勧告される。
5 これらの原則は、そのような方策及び行動を取るに際して、また、ILO憲章及び関連する条約・勧告に規定された諸原則に基づくものを含めて、社会進歩を促進するような社会政策を採用するに際して、政府、使用者団体、労働者団体及び多国籍企業の指針となることを意図している。
6 その目的に資する上で、この宣言は、多国籍企業の厳密な法的定義を必要としていない。本項は、宣言の理解を促進することを意図しているもので、かかる定義を提供することを意図するものではない。多国籍企業には、その所有形態が公的であれ、混合的であれ、また私的であれ、本国外において、生産、流通、サービスその他の施設を所有するか、支配している企業が含まれる。多国籍企業内の他の構成体との関係におけるそれぞれの構成体の自主性の程度は、当該構成体間の結びつきの性質及び活動分野によって、また、その所有形態、規模並びに当該企業の活動の性質及び立地場所の非常な多様性に関係して企業ごとに大きく異なっている。この宣言において用いられている「多国籍企業」という語は、別に規定されない限り、この宣言に規定された原則の遵守を促進するために、必要に応じ各種構成体が互いに協力し、援助し合うであろうとの期待の下に、当該構成体間における責任の配分に応じて、各種の構成体(親会社、現地の構成体、その双方又は組織全体)を意味するものとして用いられている。
7 この宣言は、政府、使用者団体、労働者団体及び多国籍企業がその自発的意思に基づいて遵守することが勧められる雇用、訓練、労働条件・生活条件及び労使関係の分野における原則を規定する。この規定は、何らかのILO条約の批准から生じる義務に制限を加えたり、それ以外の影響を与えたりするものではない。

■一般方針

    役目 フジクラグループの対応
8 この宣言に関係のあるすべての当事者は、国家の主権を尊重し、国家の法令に従い、地域の慣行を十分考慮し、関係のある国際基準を尊重すべきである。またこれらの当事者は、ILO憲章並びに表現及び結社の自由の持続的な進歩に不可欠なILOのおける基本的原則及び権利に関するILO宣言とそのフォローアップ」の実現に貢献し、国内法及び受諾した国際的義務に従いながら、その自由になした約束を尊重すべきである。   CSRの考え方と取り組み
9 ILO条約第29号、第87号、第98号、第100号、第105号、第111号、第122号、第138号及び第182号を批准していない国の政府は、これを批准するよう要請されるが、いずれにしても上記ILO条約及びILO勧告第35号、第90号、第111号、第119号、第122号、第146号、第169号、第189号及び第190号に具現された諸原則を、国内政策を通して最大限適用するよう要請される1。批准条約の遵守を確保するという政府の義務を損なうことなしに、本項で引用されているILO条約・勧告が遵守されていない国においても、すべての当事者はそれらを社会政策の指針として参考にすべきである 国の役目  
10 多国籍企業は、事業活動を行う国において確立した一般政策目標を十分考慮すべきである。その活動は、当該国における開発の優先度、社会的目標及び国家構造と調和を保つべきである。この趣旨で、多国籍企業、政府、そして適当な場合には、国内の関係のある使用者及び労働者の団体との間で協議がなされるべきである。   当社グループの社会貢献の考え方
国内事業所のCSR活動
グループ会社のCSR活動
11 この宣言に規定された原則は、多国籍企業と国内企業との間に不平等な待遇を導入したり、維持しようとするものではない。これらの原則は、すべての者にとっての好ましい慣行を反映している。多国籍企業及び国内企業は、この宣言の原則が双方に関連ある場合には常に、一般的行動に関し、そして特に社会的慣行に関して、同一の行動をとることを期待される。   CSRの考え方と取り組み
CSR活動のベース「ISO26000」
グループCSR理念、基本方針、活動指針
12 本国政府は、関連国際基準のみならず、受入国における社会及び労働に関する法律、規則並びに慣行を考慮しながら、この「原則の宣言」に従って好ましい社会慣行を促進すべきである。本国政府及び受入国政府は、必要が生じた場合には常に、どちらか一方の発議に基づいて協議するようにすべきである。 国の役目  

■雇用

  <雇用促進> 役目 フジクラグループの対応
13 政府は、経済の成長及び発展を刺激し、生活水準を向上し、労働力需要を充たし、かつ失業及び不完全就業を克服するため、自由に選択された生産的な完全雇用を促進する積極的な政策を主要目標として宣言し、かつ追及すべきである。 国の役目  
14 このことは、失業及び不完全就業が最も深刻な問題である発展途上地域における受入国政府の場合、特に重要である。この点に関連して1976年6月にジュネーブで開催された「雇用、所得分配及び社会進歩並びに労働の国際分業に関する三者構成世界会議」で採択された一般的結論及び2003年3月にジュネーブで採択された世界雇用戦略4に留意すべきである。 国の役目  
15 上記の13項及び14項は、本国及び受入国において、多国籍企業が雇用に及ぼす影響に対して十分な注意が払われる際の枠組を定めるものである。 国の役目  
16 多国籍企業は、特に発展途上国において活動する場合には、雇用の確保や企業の長期的発展ばかりでなく、当該政府の雇用政策及び目標をも考慮しながら、雇用機会の増進及び雇用水準の向上に努めるべきである。   国際的イニシアチブ等の導入活用
SDGsへの取り組み
17 多国籍企業は、活動を開始する前に、適当な場合には、その労働力計画をできる限り国家の社会開発政策との調和を保つために、権限ある機関並びに国内の使用者及び労働者の団体と協議すべきである。こうした協議は、国内企業の場合と同様に、多国籍企業と、労働者団体をも含めた全当事者との間で継続されるべきである。   アカデミーの人財育成の基本理念・方針
人財育成活動
グローバルビジネスを支える人材育成
18 多国籍企業は、すべてのレベルで受入国の国民の雇用、職業的発展、昇進及び昇格を優先すべきであり、その際、適当な場合には、そこで雇用される労働者の代表又はこれら労働者の団体及び政府機関と協力し合うべきである。   人権の尊重
フジクラグループ人権方針
ダイバーシティ
19 多国籍企業は、発展途上国において投資活動を行う際には、直接的・間接的に雇用を創出するような技術の利用が重要であることを考慮すべきである。生産過程の性質及び当該経済部門に広く見られる諸条件によって許容される程度において、多国籍企業はその技術を受入国のニーズ及び特色に適合させるべきである。またこれら企業は、可能であるならば、受入国における適切な技術の開発に参加すべきである。   グローバルなフジクラグループ
従業員数(社内カンパニー別、地域別)
海外売上高比率と社員構成
20 拡大する世界経済の中で発展途上国の雇用を促進するために、多国籍企業は、実行可能な場合には、受入地の国内企業と部品及び設備の生産契約を締結すること、その地域の原材料を使用すること及びその地域における原材料加工を段階的に促進することを検討すべきである。このような諸措置は、多国籍企業が、この宣言の原則に包含されている責任を回避するために利用されるべきではない。   フジクラグループの調達活動
フジクラグループCSR調達推進体制
フジクラグループ調達ガイドライン
  <機会及び待遇における均等>    
21 すべての政府は、人種、皮膚の色、性、宗教、政治的見解、国民的出身又は社会的出身に基づくあらゆる差別を除去するために、雇用における機会及び待遇の均等を促進するための政策を遂行すべきである。 国の役目  
22 多国籍企業は、その活動を通じて、18項において企図された方策、又は、歴史的な差別形態を矯正し、それによって雇用における機会及び待遇の均等を拡大しようとする政府の政策を害することなく、上記の一般原則を指針とすべきである。したがって、多国籍企業は、資格、技能及び経験を、すべてのレベルにおける職員の採用、配置、訓練及び昇進の基礎とすべきである。   アカデミーの人財育成の基本理念・方針
グループの研修・セミナー活動
海外現場力育成学校
23 政府は、多国籍企業に対して21項で言及されたいかなる根拠に基づく差別をも要請又は奨励すべきではなく、適当である場合には、政府の側から、雇用におけるこのような差別の回避についての継続的な指導が奨励される。 国の役目  
  <雇用の安定>    
24 政府は、様々な産業部門の雇用における多国籍企業の影響を慎重に検討すべきである。すべての国で、多国籍企業はもとより、政府においても、多国籍企業の活動が雇用及び労働市場に及ぼす影響に対処するための適切な方策を講じるべきである。 国の役目  
25 多国籍企業は、国内企業と同様に、積極的な労働力計画を通じて、その被用者に対して安定した雇用を与えるよう努めるべきであり、また、雇用安定及び社会保障に関する自由な交渉の結果負った義務を遵守すべきである。多国籍企業は、その柔軟性に鑑みて、特にその活動の中断が長期的失業を強める可能性が高い国においては、雇用の安定を促進するための主導的役割を果たすよう努めるべきである。  
グローバルなフジクラグループ 
フジクラグループ各社の分布図
従業員数(社内カンパニー別、地域別)
26 多国籍企業は、雇用に重大な影響を及ぼすような事業活動の変更を検討するに当っては、悪影響を最大限に緩和するために、共同して検討を行いうるよう適切な政府機関、当該企業が雇用する労働者及びその団体の代表に対して、かかる変更についての合理的な予告を行うべきである。以上のことは、集団的レイオフ又は解雇を伴う構成体の事業閉鎖の場合に特に重要である。   グループ事業継続ポリシー
事業継続計画・マネジメント
27 恣意的な解雇手続きは避けるべきである。  
28 政府は、多国籍企業及び国内企業と協力して、雇用関係が終了した労働者に対し何らかの形態の収入を保障する措置を講じるべきである。 国の役目  

■訓練

    役目 フジクラグループの対応
29 政府は、関係当事者すべてと協力しながら、雇用と密接に関連した職業訓練及び職業指導についての国の政策を発展させるべきである。これは、多国籍企業がその中で訓練方針を遂行すべき枠組である。 国の役目  
30 多国籍企業は、その活動において、国の開発政策のみならず、その企業のニーズに応えるためにも適当な場合には、適切な訓練が受入国におけるすべてのレベルの従業員に対して与えられることを確保すべきである。このような訓練は、可能な限り、一般的に有益な技能を開発し、昇進の機会を増進すべきである。この責任は、適当な場合には、国の機関、使用者団体及び労働者団体並びに権限のある地域的、全国的又は国際的機関との協力のもとに遂行されるべきである。   グループの研修・セミナー活動
海外現場力育成学校
グローバルビジネスを支える人材育成
31 発展途上国で活動を行う多国籍企業は、当該国の国内企業とともに、受入国政府によって奨励され労働者団体及び使用者団体によって支持される特別の基金を含む諸計画に参加すべきである。かかる計画は、職業指導を提供するばかりでなく、技能の習得及び開発を奨励することをも目的とすべきであり、計画を支持する当事者により共同して管理されるべきである。また、実行可能な場合には、多国籍企業は、国家開発への一助として、政府によって編成された訓練計画を助成するために熟練技能者のサービスを提供すべきである。  
32 多国籍企業は、政府と協力しながら企業の能率的活動と両立する範囲で、例えば労使関係のような適切な分野における現地管理者の経験を増す機会を、当該企業全体の中において提供するようにすべきである。  

■労働条件・生活条件

  <賃金、給付及び労働条件> 役目 フジクラグループの対応
33 多国籍企業が提供する賃金、給付及び労働条件は、関係国における類似の使用者が提供するものに比較して、労働者にとって不利でないものであるべきである。   グローバルビジネスを支える人材育成
外国人社員の登用
34 多国籍企業は、他に類似の企業が存在していないような発展途上国で活動するときには、政府の政策の枠内で、できる限りよい賃金、給付及び労働条件を提供すべきである。これらは当該企業の経済的地位に関係することであるが、少なくとも、労働者及びその家族の基本的ニーズを充足するに十分なものであるべきである。また、労働者に対して住宅、医療または食糧のような基本的生活上の便益を提供する場合には、これらは良好な水準であるべきである。   当社グループの女性管理職比率
海外グループ
35 特に発展途上国において、政府は、低所得層や低開発地域が多国籍企業の活動からできるだけ多大な利益を得ることを確保するような適切な方策を講じるように努めるべきである。 国の役目  
  <最低年齢>    
36 多国籍企業は、国内企業と同様に、児童労働の効果的な撤廃を確実にするために、就業の最低年齢を尊重すべきであり、また、緊急に処理を要する事項として、自らの能力の枠内で、最悪の形態の児童労働の禁止及び撤廃を確保するための即時かつ効果的な措置をとるべきである。   人権の尊重
ステークホルダーと人権配慮の活動
  <安全衛生>    
37 政府は、多国籍企業及び国内企業の双方がその被用者に対して適切な安全衛生水準を提供することを確保すべきである。機械の防護(第119号)、電離放射線(第115号)、ベンゼン(第136号)及び職業がん(第139号)に関するILO条約を批准していない関連する勧告(第118号、第114号、第144号、政府にあっても、これら諸条約及びそれに及び第147号)に具現された原則を最大限適用するよう要請される。職業病の一覧表並びに労働安全衛生に関する現行のILO出版物リストに掲載されている実務規程及び手引きも考慮に入れるべきである。 国の役目  
38 多国籍企業は、国家的要求に従い、特別な危害についての知識も含めて企業全体の中における関連する経験に留意しながら安全及び衛生について最高の水準を維持すべきである。また、多国籍企業は、当該地域での活動に関係のある安全衛生基準であって、当該企業が他の国においては遵守しているものに関する情報を、当該企業における労働者代表に対し、また、要請のある場合は、当該企業が活動しているすべての国における権限ある機関及び労使団体に対して提供すべきである。特に、新しい生産品及び工程に関係する特別な危害及びこれに関連する保護措置を関係者に知らせるべきである。また、多国籍企業は、類似の国内企業と同様、産業における安全及び衛生上の危害の原因を検討するに際して、また、その検討から得られた改善策を企業全体として適用するに際して主導的役割を果たすことが期待される。   フジクラグループ安全衛生基本方針
フジクラグループ安全衛生推進体制
フジクラグループの安全衛生活動
39 多国籍企業は、安全及び衛生に関する国際基準の準備及び採択に関して、国際機関の活動に協力すべきである。  
40 多国籍企業は、国内慣行に従い、安全及び衛生について権限ある機関、労働者代表及び労働者団体並びに確立された安全及び衛生に関する組織と十分に協力すべきである。適当な場合には、安全衛生に関する事項は、労働者代表及び労働者団体との協約の中に組み入れられるべきである。  

■労使関係

    役目 フジクラグループの対応
41 多国籍企業は、関係国において類似の企業が遵守している労使関係の基準よりも低くない基準を遵守すべきである。   グローバルビジネスを支える人材育成
  <結社の自由及び団結権>    
42 国内企業に雇用される者と同様、多国籍企業に雇用される労働者は、事前に認可を受けることなく、自ら選択する団体を設立し、及びその団体の規約に従うことのみを条件としてこれに加入する権利をいかなる差別もなしに有すべきである。また、これらの労働者は、雇用に関する反組合的な差別行為に対して十分な保護を受けるべきである。 労働組合の役目  
43 多国籍企業又はそこで雇用されている労働者を代表する団体は、その設立、任務遂行又は管理に関して、相互が直接に又は代理人もしくは構成員を通じて行う干渉に対して十分な保護を受けるべきである。  
44 地域の事情に鑑みて適当な場合には、多国籍企業は代表的使用者団体を支持すべきである。   グローバルビジネスを支える人材育成
45 多国籍企業に関して、当該企業又はそこで雇用される労働者を代表する団体に対して、自ら選択する国際的な労働者団体及び使用者団体に加入することを認めることが重要であることに鑑み、未だ第87号条約第5条の原則を適用していない国の政府は、それを適用するよう要請される。 労働組合の役目  
46 受入国政府が外国からの投資をひきつける特別な奨励措置を提供する場合、かかる奨励措置は、労働者の結社の自由又は団結権及び団体交渉権に対する制限を含むべきでない。  
47 企業活動の機能並びに労働者代表及び労働者団体との関係を規律している正常な手続きを害さない限りにおいて、多国籍企業の労働者代表は、互いに協議し意見交換するために会合するのを妨げられるべきではない。   働きやすい職場環境づくり
グローバルビジネスを支える人材育成
48 政府は、国内の地域的又は全国的関係団体の招きによって、共通の関心事項を協議するために外国から来る労使団体の代表の入国を、その資格で入国しようとしているという理由だけで制限すべきではない。 国の役目  
  <団体交渉>    
49 多国籍企業に雇用される労働者は、国内法令及び慣行に従い、団体交渉のために認められた自らの選択による代表的団体を有する権利を持つべきである。   人権の尊重
働きやすい職場環境づくり
グローバルビジネスを支える人材育成
50 労働協約により雇用条件を規制する目的をもって行う使用者又は使用者団体と労働者団体との間の自主的交渉のための手続の十分な発達及び利用を奨励かつ促進するため、必要がある場合には、国内事情に適する措置がとられるべきである。  
51 多国籍企業は、国内企業と同様に、効果的な労働協約の発展を助けるために必要な便宜を労働者代表に提供すべきである。  
52 多国籍企業は、活動している各国において雇用している労働者から正当に授権された代表が、交渉事項に関する決定権限を与えられた経営陣の代表と交渉を行うことを可能にすべきである。  
53 雇用条件についての労働者代表との誠実な交渉において、又は労働者が団結権を行使している間は、多国籍企業は、交渉に不当な影響を与えること、又は団結権の行使を妨げることを目的として関係国から事業活動の単位の全部又は一部を移転する権能を利用すると威嚇すべきではない。また、多国籍企業は、労働者代表との誠実な交渉または労働者の団結権の行使を害する目的で、他国における関連企業から労働者を移転すべきではない。  
54 労働協約は、その解釈及び適用をめぐって生じる紛争を解決するための規定、並びに相互に尊重された権利及び責任を確保するための規定を含むべきである。  
55 多国籍企業は、労働者代表に対し、関係の構成体と有意義な交渉をするのに必要な情報を提供すべきであり、また現地の法律及び慣行に合致する場合には、労働者代表に対し、構成体又は適当な場合には企業全体の業績に関する真実かつ公正な見解をもち得るような情報を提供すべきである。  
56 政府は、法令及び慣行が許す場合には、労働者団体の代表に対し、その要請に応じて、団体交渉過程における客観的な判断基準の設定に資するような、当該企業の活動が属する産業に関する情報を提供すべきである。これに関連して、多国籍企業も国内企業と同様、政府が当該企業の活動に関する関連情報を要求した場合には、これに建設的に応じるべきである。 国の役目  
  <協議>    
57 多国籍企業においては、国内企業におけるのと同様に、労使間及びその代表者間での合意によって設けられた制度には、国内の法律及び慣行に従い、双方の関心事項についての定期的な協議が含まれるべきである。当該協議は、団体交渉に代替されるべきではない。   働きやすい職場環境づくり
人権の尊重
  <苦情審査>    
58 多国籍企業は、国内企業と同様に、その雇用する労働者が有するすべての苦情が次の規定に適合する形で処理される権利を尊重すべきである。すなわち、単独に又は他の労働者と共同して行動する労働者は、苦情を申し立てる理由があると考えるときは、いかなる不利益をも受けることなく苦情を申し立てる権利及び適当な手続きによりこの苦情の審査を受ける権利を有すべきである、という規定である。これは多国籍企業が、結社の自由、団結権及び団体交渉権、差別、児童労働並びに強制労働に関するILO条約の原則に規律されていない国で活動する場合には特に重要である。   働きやすい職場環境づくり
人権の尊重
  <労働争議の解決>    
59 多国籍企業は、国内企業と同様に、その雇用する労働者の代表及び団体と共同で、労使間の労働争議の防止及び解決に資するために、国内事情に適し、任意仲裁の規定を含む可能性のある任意調停制度を確立するように努めるべきである。かかる任意調停制度は、労使同数の代表を含むべきである。   働きやすい職場環境づくり
人権の尊重

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