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CSR

CSR統合報告書

フジクラグループCSR統合報告書2016
〔ISO26000 中核主題〕 組織統治

知的財産

グループのブランドロゴ

私たちのブランドロゴの歴史は、藤倉電線護謨合名会社から藤倉電線株式会社に改組した1910年に制定し、使用を始めました。100年以上も前のことです。その後、創業100周年の1985年にこれまでの社章を改めて新社章を制定しました。それから25年を経た2009年に現在のブランドロゴ(登録商標)を制定し、まず当社で使用を開始し、2011年3月より国内は連結子会社、海外では100%出資比率のグループ会社へ拡大をしています。

当社グループの「ブランドロゴ(登録商標)」は、私たちのブランドイメージを伝える最も基本的かつ重要な要素で、①コーポレートシンボル、②専用書体「Fujikura」、③コーポレートカラーの3つの要素からなっています。私たちの「ブランドロゴ」は、お客様や社会に対する信頼の証(あかし)として、またグループの求心力として、当社グループを表す象徴的な役割を担っているとても重要なものと捉えています。

当社グループは、世界の多くの国と地域で事業展開を進めています。グローバル市場において、戦略的に事業展開を進めるためにもブランドロゴの整備を進めていて、現在、私たちがブランドロゴを登録並びに申請をしている国の数は150を超えています。

フジクラグループブランドロゴ

フジクラグループブランドロゴ

ブランド価値向上のための活動

当社グループは、ブランド価値向上のための活動に積極的に取り組んでいます。2012年にグループの統一ロゴとして定めたブランドロゴは、現在、国内外の70を超える製造事業会社や販売会社で使用しています。海外でのブランドの認知獲得のために、輸出品や海外生産品へのロゴ表示を積極的に進めています。

ブランドロゴは全ての国で商標登録するよう手続きを進めています。これまでに、欧米、BRICs、VISTA、ASEANといった主要国への出願を終えており、2015年度はイスラエル、ラオス、カタール、モナコ、ペルーなどの国で登録されています。出願・登録をあわせた国は2015年度に165ケ国に達しました。

登録商標(商標権)は、ブランドロゴの不正な使用やfujikuraドメイン名の悪意利用に対して、利用の停止やドメイン名の取消しなどに活用しています。2015年度は、カザフスタン、ロシア、南アフリカで対応を行いました。インターネット上でのブランドロゴの無断使用や不正使用は、年々増加傾向にあります。今後もインターネットや世界各国での侵害行為の発見に努め、当社グループの財産を侵害する者に対して厳格に権利を行使していきます。

展示会

展示会

フジクラグループ・ブランドロゴ方針

当社グループは、2011年3月より国内、海外のグループ会社へグループのブランドロゴの活用を拡大するにあたり、グループのブランドロゴ方針を定めました。

フジクラグループ・ブランドロゴ方針

フジクラグループは、グローバルな事業展開を戦略的に進めるため世界統一のブランドロゴを定めます。

知的財産の研修・セミナー

知的財産の活動の一環として社員の知識向上を図るための教育活動として、外部講師によるグループ社員向けのセミナーを実施しています。また、社員研修制度の各階層別研修等でも知的財産に関する研修を行っています。以下は、フジクラの2015年度の研修・セミナーに参加した社員数、時間、時間に相当する金額(人財育成のための費用)は以下の通りです。

講演会・セミナーの種類 受講参加者数
(人)
総受講時間
(時間)
投資金額
(千円)
知財研究講演会 122 549 2,196
必須研修、選択研修 176 2,128 8,510

※経団連アンケートから単価4千円/時間を使用

知的財産戦略

知的財産に関する基本方針

当社は、研究開発で得た成果を積極的に特許や意匠等の知的財産権の取得により保護し、事業の優位性を確保するとともに、第三者の知的財産権を十分に尊重しながら事業展開しています。一方で、当社が保有する特許権、意匠権、及び商標権等の無断使用などについては、法律に基づいて、然るべき措置をとっています。自社の商品やサービスに関する模倣行為に対しては、知的財産権を行使し自社のブランド価値を守ります。また、全社員の経験と習熟度に応じた知的財産研修の定期開催及び、知的財産研究会による社内の知財活動事例報告や外部講師による特別講演等を通し、当社グループの知的財産意識向上を図っています。

2015中期 知的財産部門計画

当社の2015中期経営計画に対応した、2015中期知的財産部門計画を2010年度に策定し、下記のビジョン、重点課題を掲げて取り組み、成果をあげました。

1)ビジョン

知的財産部門が、競合優位性を確保するための知的財産活動を通して、事業部門、研究開発部門より頼りにされ、技術経営になくてはならない部門になっている。

2)重点課題

  • 特許の質の向上
  • 特許の事業貢献度の向上
  • ブランド価値の向上
  • 知財人材の専門性の向上

事業戦略に沿った知的財産戦略

1)権利取得の促進

国内外特許の最適出願モデルのあるべき姿の実現を促進しています。具体的には競合他社との相対的知財力(質と量)を常に認識し、排他性の高い権利創出を目指しています。

2)グローバル特許網の構築

日本に出願した特許は原則的に外国に出願し、事業戦略に沿ったビジネス国のファミリー特許群として権利化を図り、質の高い特許権を取得し、自社活用、他社活用比率を高めています。外国出願特許比率を増やし、特に訴訟リスクの高い中国や米国で訴訟に活用できる強い特許権を取得しています。

3)戦略的な特許出願による当社技術の優位性確保

各戦略ビジネスユニット(SBU)毎に、「IP(Intellectual Property)部会」を定期的に開催し、事業課題と知財マネジメントを結び付けるための、事業戦略に基づく知財戦略の構築や競合社と自社の特許ポジションの見える化と強化活動等を、事業部門、研究開発部門、知財部門が一体となって推進し、事業の優位性を維持し、または高めるように努めています。

発明に対するインセンティブ向上

会社全体の知財力を高めるため、発明・創作者には知的財産の質に応じたインセンティブを与え、発明・創作のモチベーションの向上に繋がるような仕組みを構築し、運用しています。

知的財産の取得・管理、営業秘密及び技術流出防止に関する方針

知的財産の取得・管理

当社は、研究開発で得られた知的財産を技術の優位性を確保する経営資源の一つと位置づけ、国内外での権利取得・管理を開発部門、事業部門、知財部門とで連携を取りながら積極的に進めています。取得においては、発明の本質や取得可能な権利範囲などについて発明者と徹底的な議論を行い、さらに、その発明の事業貢献を考慮した上で出願・権利化を行っています。権利化した知的財産についても、その権利の事業価値を踏まえ、権利の維持要否を毎年判断し、事業として常に最適な知財ポートフォリオを維持するよう取り組んでいます。また、独自に開発した知財管理システムにより、出願から権利消滅までのさまざまな管理を効率よく行っています。このシステムから得られる情報は、開発部門、事業部門、知財部門でタイムリーに共有化され、知的財産の管理以外にも特許戦略の立案や社内の各種制度に利用されています。

営業秘密管理、技術流出防止

当社は、営業秘密の管理に関する規程に基づき、その管理を適切に行ってます。特に営業秘密の技術(ノウハウ)に関しては、秘匿技術に関する社内規定を制定し、秘匿技術の重要度に応じた個別の管理を行ってます。事業に影響するような重要度の高い秘匿技術については、その秘匿技術の内容に応じた流出防止策を行い、万が一不正に秘匿技術流出が発生した場合でも、不正競争防止法の救済が得られるように管理しています。また、他社がその技術について権利化した場合でも、自社が実施できるように先使用権を得るための対応を行っています。その秘匿技術は定期的に見直しを行い、必要に応じて権利化に転じることもあります。

知的財産活動

当社の知的財産活動

当社では、事業に貢献する知的財産活動を推進していくために、活動の体制強化と特許の質の維持・向上が極めて重要であると考えています。事業部門、研究開発部門及び知的財産部門のメンバーからなる会議を主要事業毎に定期開催して、知的財産戦略の進捗を確認し、今後の活動計画を定めています。また、各研究開発部門に知的財産部門を兼務する人員を配置して両部門の連携を高めることにより、知的財産活動の体制を強化しています。事業に貢献する知的財産活動とする為には、権利行使に耐え得る質の高い特許等の知的財産権づくりはその基本であると考え、強化を図っています。一例ですが、発明者が発明の届出をする前に知財担当者と相談する仕組みを制度として定着させています。この仕組みは、相談を活性化させ、発明の発掘、特許とするために必要な情報の特定、特許出願の迅速化などに効果を発揮しています。

リスク管理

当社は、第三者の知的財産権を十分に尊重しながら事業展開しています。この方針に基づき、研究・開発部門と知的財産部門が一体となって、特許等の他人の知的財産権と当社製品・技術との関係を調査しています。具体的には、研究・開発部門の開発テーマに関する国内外の特許情報を定期配信するシステムを導入し、対策の要否を調査することを研究開発部門に義務付けるとともに、知的財産部門に調査専門の人員を配置し、特許調査を支援するほか、在籍する複数の弁理士が、製品の技術的範囲の属非判断に関わっています。また、必要に応じて外部の専門家にも判断を依頼しています。一方で、当社が保有する特許権、意匠権、及び商標権等の無断使用などについては、法律に基づいて、然るべき措置をとっています。

知的財産要員の育成

知的財産要員の育成については、国内外の知的財産研修の利用、知的財産に係る国家資格取得の奨励などにより、必要な専門知識の向上を図っています。

知的財産の教育

技術者だけでなく事務職も含めて必要な知的財産のスキルレベルを階層別に設定し、それに向けた知的財産研修を行っています。発明の発掘、検索、四法、契約、侵害判断、特許戦略などの研修及び実習により、幅広い分野でのスキル向上を図っています。

発明規程

職務発明の取扱いを定めた「発明取扱規程」を社規として定めています。特許法の改正など知的財産をめぐる環境の変化に応じて見直しを行い、適切な制度の維持に努めています。

特許保有件数・出願件数

国内特許保有件数

将来の事業や現事業の優位性を意識した特許取得を積極的に行っています。過去5年間の国内特許保有件数は年々増加傾向にあり、2015年度には、国内特許の保有件数が2597件になっています。

国内特許保有件数の推移

海外特許保有件数

事業のグローバル化とともに海外特許の保有件数は年々増加しており、2015年度には、外国特許の保有件数が1395件になっています。特にアメリカ、中国での特許が増えています。

外国特許保有件数の推移

国内特許出願件数

過去5年間の国内特許出願の公開件数は、量から質への転換を進めていることもあり、減少傾向にあります。2015年度の公開件数は419件となっています。

国内特許出願公開件数の推移

外国特許出願件数

海外での事業を優位に進められるように、毎年300件程度の外国出願を行っています。また、PCT出願を有効に利用し、複数の国で十分な権利がとれるよう活動を進めています。

外国特許出願件数の推移