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CSR

CSR統合報告書

フジクラグループCSR統合報告書2015
〔ISO26000 中核主題〕 組織統治

研究開発

研究開発:未来を見据えた新しい研究開発

西出 研二

西出 研二
執行役員
先端技術総合研究所 所長

先端技術総合研究所は、フォトニクス、エネルギー、エレクトロニクスの3つの技術領域の研究組織を一つにまとめた研究所で、技術の中間融合領域も含めて総合的に研究を行っています。この研究所の特徴は、材料や素材の研究開発と各領域の研究開発が連携し活動を行う共創集団であることです。"Material to Products" を合言葉とした研究成果は、自動車部品、ファイバレーザ、高周波機能素子、通信部品などに活かされます。次世代を担う新しい技術の研究と、世界中のお客様から求められる魅力的な製品の実現に向けて、私達は活動を続けていきます。

研究所紹介:先端技術総合研究所

先端技術総合研究所(佐倉地区)

先端技術総合研究所(佐倉地区)

主な研究分野

フォトニクス技術

次世代光通信に向けて、超大容量伝送実験に光ファイバを提供するなど先端的な成果を上げています。これからも光技術を駆使して、新世代コミユニケーションを実現するテクノロジーへの挑戦を続けます。

フォトニクス技術

エネルギー技術

エネルギー技術

エネルギーを無駄なく輸送するイットリウム系高温超電導線材、エネルギーハーベスティング(環境発電)分野で最適な色素増感型太陽電池など、材料開発に始まる環境にやさしいテクノロジーにチャレンジし続けます。

エレクトロニクス技術

センサ・システム、基板の将来技術に関する研究開発や印刷技術により高付加価値のデバイスを作製するプリンテッドエレクトロニクスなどの最先端テクノロジーに注力していきます。

エレクトロニクス技術

研究開発製品紹介

■高出力パルスファイバレーザ FLP-G75Sの開発

パルスファイバレーザは、金属へのマーキング、スクライビングのアプリケーションを中心に、微細加工分野で幅広く用いられており、更なる性能の向上が求められています。当社はこの度、定格出力75Wの高出力パルスファイバレーザ(FLP-G75S)を開発しました。本レーザにおいては、高出力(平均出力75W、パルスエネルギー1.1mJ)、高ビーム品質(M2≦1.7)という、業界トップレベルの特性を両立させました。これにより、難加工領域の加工や、これまでにない高速加工や深堀り加工を可能にし、加工生産性の向上に大きく貢献します。また、従来機種より大幅な小型・軽量化を達成することで、レーザ加工装置・システムへの組み込みの自由度を飛躍的に向上させます。

FLP-G75S外観

FLP-G75S外観

■レーザー学会産業賞

当社の「4kW出力連続波ファイバレーザーをはじめとするファイバレーザー製品群」が、一般社団法人レーザー学会の平成26年度レーザー学会産業賞「優秀賞」を受賞しました。

レーザー学会産業賞

レーザー学会産業賞

レーザー学会産業賞

■大口径光ファイバ切断装置および光ファイバ再被覆装置の販売開始

当社は、工場内での機器組立用や研究用途の工具として新たに「大口径光ファイバ切断装置」(CT-105、CT-106)と「光ファイバ再被覆装置」(FSR-05、FSR-06、FSR-07)を開発し、販売を開始しました。

▼大口径光ファイバ切断装置(CT-105、CT-106)

大口径光ファイバとは、一般の通信用光ファイバに比べてクラッド径が大きい石英系光ファイバです。レーザ等の高出力の光エネルギー伝送が必要とされる分野やセンサー分野で使用されています。クラッド径1250μmまで切断可能な2機種の大口径光ファイバ切断装置を開発し、販売を開始しました。光ファイバの把持力を自動調整する機構を搭載し、フォトニック結晶ファイバ、キャピラリ(中空ガラス管)、斜め切断(CT-106のみ)などにも対応しています。

▼光ファイバ再被覆装置(FSR-05、FSR-06、FSR-07)

光ファイバの融着接続部の保護方法として、被覆の無いガラス部分に紫外線硬化樹脂を用いて再被覆を施す方法があります。通信用光ファイバの接続部の保護で用いられる補強スリーブに比べ、接続部の小型・軽量化が可能となります。用途にあわせ接続部の強度確認機構の選択ができる3機種の光ファイバ再被覆装置を開発し、販売を開始しました。従来装置に比べて、高精度なできあがり形状、消耗品の長寿命化、メンテナンス性の向上を実現しました。

CT-106

CT-106

FSR-07

FSR-07

■チップスタック型WABE PackageRの開発

当社は、複数のICチップを基板の厚さ方向に重ねて内蔵する「チップスタック型WABE PackageR」を世界で初めて実用化しました。「チップスタック型WABE PackageR」は、現在量産中の部品内蔵基板「WABE PackageR」技術を応用して開発した基板です。ポリイミドフィルム多層基板の内部に複数のICチップを縦方向に埋め込むことで、電子回路のサイズを飛躍的に小型化することが可能になりました。ポリイミドフィルムを基材に用いたことにより、ICチップを2個重ねて内蔵した基板の厚さとして0.4mmの極薄化を達成しました。「チップスタック型WABE PackageR」は、ウェアラブル機器や医療・ヘルスケア機器など、電子回路の小型・薄型化が強く求められる分野のご要望にお応えする世界初の技術であり、益々発展する当該分野のお客様に最適なソリューションをご提供します。

チップスタック型WABE PackageRの断面構造

チップスタック型WABE PackageRの断面構造