CSRの考え方と取り組み
CSRの考え方と取り組み
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フジクラグループのCSR理念、基本方針、活動指針
当社グループは、グループとしてのCSR活動を2009年4月よりスタートさせました。そのスタートにあわせて、「フジクラグループCSR理念」、「フジクラグループCSR基本方針」、「フジクラグループCSR活動指針」を制定しました。CSR基本方針の制定時には「4つの重点分野」(マテリアリティ)を決定しています。
フジクラグループCSR理念
フジクラグループが果たすべき企業の社会的責任とは、フジクラグループの経営理念MVCVに基づき、「持続可能な企業経営」のために必要とされる活動と「持続可能な社会」の構築に役立つ活動から成立っていると考えています。
フジクラグループCSR基本方針
フジクラグループは、「社会」から成長・発展を望まれ、期待される企業となるため、“つなぐ”テクノロジーを通じて、人、社会、地球環境の豊かな未来への架け橋となることを目指します。そのために私たちは、企業活動のあらゆる面において社会的責任を果すために4つの重点分野を定め、各国・各地域の法令・国際的なルールとその精神を遵守すると共に、社員一人ひとりが「社会」の一員として自分達の役割を自覚し、社会的良識をもって行動します。
【4つの重点分野】
フジクラグループCSR活動指針
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マテリアリティとその活動
マテリアリティ(重要課題)
当社グループは、2009年に「フジクラグループCSR基本方針」を制定しました。その基本方針にある「4つの重点分野」(下記の4項目)を私たちは『マテリアリティ(重要課題)』と定めました。
4つの重点分野
マテリアリティ選定のプロセス
この「4つの重点分野」をマテリアリティとした意思決定のプロセスは、「フジクラグループCSR基本方針」を制定する過程で、専門家や顧客、先進的な企業、取引先、環境、行政、社員などさまざまなステークホルダーのご意見、視点等をベースとした論議を経て決定しました。その決定の根拠は、“企業活動を通じて持続可能な社会の実現と企業の継続的な発展を両立させることがCSRである”と考える当社グループとして、未来に向かって企業を取り巻く「社会」が変わっていこうとも私たちにとってこの「4つの重点分野」の重要性は変わることはない、変えてはならないとの強い意思に基づくものです。
マテリアリティと取り組み活動
当社グループは、マテリアリティである「4つの重点分野」を基軸にしてCSRの取り組みを進めてきました。私たちは、「4つの重点分野」に対応するステークホルダーを特定し、「社会的責任に関する国際規格 ISO26000」が2010年に制定されるとその位置付けを明確化し、また、ステークホルダーの視点や経営に与える影響に基づく「マテリアリティ・マトリックス分析」を行なって、私たちの課題の抽出を行ない、それら課題に対する「ステークホルダーの関心事(外的要因)」と「自社事業への影響度(内的要因)」の2つの視点からの評価・検証を行ないました。さらに第三者意見の専門家のご意見やステークホルダーの声を反映させて「15中期経営計画」のCSR目標の設定とそれを実現する重点施策の策定、取り組みをステップアップさせる年度毎の取り組み課題の選定などマテリアリティからの一連のプロセスの流れの中で当社グループの取り組みを一つひとつ進めると共にCSR報告書の中で報告しています。
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マテリアリティとの関連
当社グループのマテリアリティである「4つの重点分野」とその取り組みであるCSR活動、対象となる主なステークホルダー、社会的責任の国際規格ISO26000等の関係は次に示す図表の通りです。
4つの重点分野 |
ISO26000 中核主題 |
活動の分野 |
重点方策 (中期・単年) |
主なステーク ホルダー |
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1. 誠実な企業活動 | 1 組織統治 |
経営理念 CSRマネジメント 情報開示とコミュニケーション コンプライアンス |
(1) (2)(3)(4)(5) (6)(7) |
・投資家 ・株主 ・顧客 ・取引先 ・環境・行政 ・社員 ・地域 |
5 公正な事業慣行 |
リスクマネジメント 事業継続計画(BCP) 調達活動 |
(19) (18) (20) |
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2. 環境への配慮 | 4 環境 |
フジクラグループ環境管理活動指針4版 (2011-2015) |
(15)(17) (16) |
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3. 人間の尊重 | 2 人権 | 安全で健康的な労働環境形成 | (8)(9) | |
3 労働慣行 | ダイバーシティ(機会均等の徹底) | (10)(11) | ||
多様な人材活用 | (12) | |||
ワークライフバランス | (13)(14) | |||
4. 社会との調和 | 6 消費者課題 | 品質管理・品質保証 | (21) | |
7 コミュニティへの参画及びコミュニティの発展 | 地域コミュニティとの連携強化 | (22)(23) | ||
社会貢献活動 | (24)(25) |
新「フジクラグループCSR重点方策」の策定
当社グループは、2009年に「フジクラグループCSR基本方針」を制定し、その基本方針にある「4つの重点分野」([1. 誠実な企業活動]、[2. 環境への配慮]、[3. 人間の尊重]、[4. 社会との調和])をマテリアリティ(重要課題)と定め、それを基軸としてさまざまなCSR課題への取り組みを進めました。その活動は、当社グループが重点的に取り組むべき課題を「CSR重点方策」として主管部署を中心にグループ横断的に進めています。2012年度は、2009年度から3年間取り組みを進めた1回目の重点方策25項目が2011年度に終了したために、2012年度をスタート年とする25項目の新たな「フジクラグループCSR重点方策」の策定を行ないました。その策定のプロセスは、まず2015年度を最終年度とする「15中期経営計画」の中でCSRの目標を「CSRの先進モデル企業として社会に紹介される」企業グループ像の実現を目標としました。私たちは、その目標を実現するために「ステークホルダーの関心事(外的要因)」と「経営に与える影響(内的要因)」を予測し、「マテリアリティ・マトリックス」上にプロットした中から取り組むべき課題を抽出しました。また第三者意見の専門家の意見やステークホルダーからの期待の声なども取り入れ、25項目の「CSR重点施策」は策定されました。
取り組み分野 | CSR重点方策(2012-2015) |
---|---|
経営理念 | (1)経営理念MVCVの実現活動 |
CSRマネジメント | (2)CSRキャンペーン活動強化 |
(3)ステークホルダー・ダイアログを実施 | |
(4)CSR報告書の第三者評価 | |
(5)ISO26000の活用 | |
情報開示とコミュニケーション | (6)CSR情報の公表充実 |
(7)外部とのコミュニケーション充実 | |
安全で健康的な労働環境形成 | (8)OSHMS定着とグループ内展開 |
(9)メンタルヘルスケア体制 | |
ダイバーシティ | (10)グローバル人財の人事管理体制 |
(11)障がい者雇用拡大 | |
多様な人材活用 | (12)女性の管理職比率 |
ワークライフバランス | (13)男性の育児休暇取得(単体)定着 |
(14)多様な勤務形態の検討 | |
環境の負荷低減 | (15)-(17)「フジクラグループ環境管理活動指針4版」 |
リスクマネジメント | (18)BCP強化とBCMへの展開 |
(19)情報セキュリティマネジメントの検討 | |
調達活動(調達先のCSR対応) | (20)CSRサプライチェーン管理 |
品質管理・品質保証 | (21)顧客満足(CS)の強化 |
地域コミュニティとの連携強化 | (22)地域コミュニティとの連携強化 |
(23)社内ボランティア支援 | |
社会貢献活動 | (24)社会貢献基本方針の策定 |
(25)藤倉学園賛助会の活動拡大 |
グループのCSR重点方策と取り組み・評価
当社グループは、2015年度を最終年度として実現しようとする当社グループのグループ像を「CSRの先進モデル企業として社会に紹介されている」と定めました。その目標を実現するために25項目の重点施策を策定し、その重点施策を具体的に進めるための年度毎の目標計画を設定しPDCAを廻しながら進めています。
2012年度は、主管部門を中心に取り組みを進め、その活動実績と評価は以下のようになりました。
〔評価〕○:目標通り進んだ △:目標より遅れた X:目標未達
2012年度 | 2013年度 | |||||
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ISO26000 中核主題 |
重点分野 | 重点方策 | 目標 | 活動実績 | 評価 | 計画 |
1.組織統治 | 経営理念 | (1)経営理念MVCVの実現活動 |
1.階層別研修 2.「1000の模範行動」キャンペーン 3.MVCV活動調査 |
・社員研修実施 ・活動事例コンテスト開催 ・優秀職場表彰 |
○ | ・MVCV実現活動の推進 |
CSRマネジメント | (2)CSRキャンペーン活動強化 |
1.CSRキャンペーン件数 目標:15件 2.社員向け情報発信 目標:100回 3.情報誌「CSRワールド」発行 目標:12 |
・キャンペーン実施件数:21件 ・社内イントラで情報発信:106件 ・国内海外拠点へ情報紙発信:12回 |
○ | ・新キャンペーンを1つ増やす | |
(3)ステークホルダー・ダイアログを実施 | 1.ステークホルダー・ダイアログ実施 | ・「期待される環境経営」で開催(2013/12/11) | ○ | ・ステークホルダー・ダイアログの実施 | ||
(4)CSR報告書の第三者評価 | 1.第三者評価検討と事例調査 目標:5件 | ・事例調査:5件 | ○ | ・CSR報告書の第三者評価検討 | ||
(5)ISO26000の活用 |
1.CSR報告書の分類基準に導入 2.ISO26000対照表作成の検討 |
・報告書、CSRサイトの基準に導入済み ・対照表作成しCSR報告書に掲載 |
○ | ・ISO26000の活用と事例の分析 | ||
情報開示とコミュニケーション (コンプライアンス) |
(6)CSR情報の公表充実 |
1.CSR報告書WEB版の充実 2.社外向けCSRサイトの充実 |
・CSR報告書WEB版(150頁相当、和・英) ・社外CSRサイトを全面改定・充実 |
○ |
・社外ホームページのCSRサイト充実 ・CSR報告書WEB版充実 |
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(7)外部とのコミュニケーション充実 |
1.ステークホルダーへの対応 2.地域へ「千年の森」情報発信 目標:50回 |
・学校等の自然学習、いも堀り体験 ・「千年の森」情報発信:68回 |
○ |
・ダイアログの開催 ・提言への対応 |
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2.人権 3.労働慣行 |
安全で健康的な労働環境形成 | (8)OSHMS(労働安全衛生マネジメントシステム)の定着とグループ内展開 | 1.OSHMSの定着とグループ内展開 | ・グループ安全会議で安全責任者へ説明 | ○ | ・OSHMSのグループ各社へ展開 |
(9)メンタルヘルスケア体制 |
1.ストレス・チェックの実施・分析 2.ストレス耐性テスト実施、個別ヒアリング |
・全社員のストレス・チェック実施 ・対象者へのストレス耐性テストと上司へフィード・バック |
○ |
・アクション・プラン作成 ・ストレスチェックの継続 ・教育研修の実施 |
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ダイバーシティ(機会均等の徹底) | (10)グローバル人財の人事管理体制 |
1.処遇制度検討 2.候補者の選定、集合研修の検討・実施 3.国際間異動のガイドライン策定 |
・検討継続 ・候補者をノミネートし研修の企画作成 ・駐在員規程見直し実施 |
△ | ・グローバル人財の人事管理体制 | |
(11)障がい者雇用拡大 |
1.目標1.8%以上へ採用活動の継続 2.国内グループ会社の雇用拡大 |
・合同面接会参加、内定者なし ・3月末で1.82%、重度1名採用 |
○ |
・障がい者雇用拡大 ・障がい者雇用環境整備 |
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多様な人材活用 | (12)女性の管理職比率 |
1.グループ全体の管理職比率調査 2.単体の比率アップ、採用活動の継続 |
・検討継続 ・企画専門職4名採用、業務専門職へ変更1名 |
△ | ・女性の管理職比率アップの推進 | |
ワークライフバランス | (13)男性の育児休暇取得(単体)定着 | 1.定着への啓蒙活動の継続 |
・取得者希望者なし ・労働組合と連携して活動の継続・強化 |
△ | ・男性の育児休暇取得定着 | |
(14)多様な勤務形態の検討 |
1.勤務形態の意識調査の分析 2.実現性や実効性等の検討 |
・社員意識調査分析で勤務形態検討 ・労働組合と検討会 |
○ | ・多様な勤務形態の検討 | ||
4.環境 | 環境の負荷低減 | (15)~(17)「フジクラグループ環境管理活動指針4版(2011-2015)」 環境編に掲載 | ||||
5.公正な事業慣行 |
リスクマネジメント 事業継続計画(BCP) |
(18)BCP強化とBCMへの展開 |
1.事業部門BCPの深耕、教育資料更新 2.スタッフ部門のBCM体制維持 |
・品種別のBCPの見直し、教育訓練 ・グループ災害対策本部訓練実施 |
○ |
教育訓練の実施・BCPの評価・検証 品種別、拠点BCPの拡大 |
(19)情報セキュリティマネジメントの検討〔ISMS準拠〕 |
1.ISMSの現状・内容調査 2.ギャップ分析、導入の検討 |
・世間の取得状況等調査済み ・ISMSの実施項目洗出し済 ・ISMS認証の期間、費用、差異まとめ |
○ | ・情報セキュリティマネジメントの検討〔ISMS準拠〕 | ||
調達活動 (調達先のCSR対応) |
(20)CSRサプライチェーン管理 | 1.グループ調達方針の教育 | ・グループ及び取引先へ実施 | ○ | ・CSRサプライチェーン管理 | |
6.消費者課題 | 品質管理・品質保証 | (21)顧客満足(CS)の強化 | 1.顧客品質情報のソフト作成と共有化 | ・2012年5月運用開始、マニュアル作成と説明会 | ○ | ・CSの強化 |
7.コミュニティへの参画及びコミュニティの発展 | 地域コミュニティとの連携強化 | (22)地域コミュニティとの連携強化 |
1.地域ステークホルダーへの対応 2.地域ステークホルダーとの連携 |
・地元シネマフェスティバル支援 ・秋田小坂町文化遺産「康楽館」支援 他 |
○ | ・地域コミュニティとの連携強化 |
(23)社内ボランティア支援 | 1.社内のボランティア活動への支援 |
・「生きもの倶楽部」でHP制作 ・障がい者スポーツ社員を支援 ・タイ洪水被災で日本語児童書を贈呈 |
○ | ・社員ボランティア支援 | ||
社会貢献活動 | (24)社会貢献基本方針の策定 | 1.「社会貢献基本方針」の検討 | ・団体や他社事例の調査・分析 | ○ | ・「社会貢献基本方針」の策定 | |
(25)藤倉学園賛助会の活動拡大 |
1.啓蒙活動の実施 2.賛助金の拡大キャンペーン |
・新入社員がボランティア活動実施 ・賛助会加入促進キャンペーン:2回 ・学園製品即売会:2回 |
○ | ・藤倉学園賛助会の活動拡大 |
2012年度のCSR重点的な活動の自己評価
当社グループは、2012年度の「CSR重点方策」25項目の活動実績に基づく自己評価を行なった結果は、前述の表と環境編の表の通りとなりました。2012年度のCSR活動全体を通しての自己評価は、2015年度を最終年度とする4年計画の初年度の取り組みとしては課題は残すものの「ほぼ計画通り」と自己評価しました。目標未達のテーマについても改めて取り組み課題が明確に見えており、次年度2013年度では目標未達の部分を含めて活動レベルを上げ、CSRへの意識をより高めてグループ全体の底上げも図っていきます。
自己評価の方法
当社グループでは、人事・総務、環境、品質保証などのコーポレートスタッフ部門が主管部門となりグループ横断的にCSRの重点方策への取り組みを行なっています。活動方法は、2015年度を最終年度とする中期目標とそれを具体化する年度計画に沿って活動し、その成果に基づき自己評価を行なってCSR報告書で公表しています。その自己評価の均一性を保つために3ステップでの評価を行なっています。その自己評価のプロセスは、①主管部門が重点方策テーマ毎に4段階で「自己評価」を行ないます。⇒②20名のCSR委員会委員による4段階での「他者評価」を行います。⇒③以上の21回分の評価内容を総合的に分析して主査(担当役員)が最終評価する、という方法です。
CSR活動の推進
当社グループのCSRマネジメント推進体制は、「フジクラグループCSR委員会」を中心に4つの社内カンパニー制の下で事業拠点、販売拠点、国内・海外グループ会社が国や地域のコミュニティと連携して企業としての社会的責任ある活動を進めています。
私たちは、各国、各地域のグループ社員の活動の推進のために社内イントラネットの「CSRホームページ」や事業拠点やグループ社員へ情報発信する役目のCSR情報紙「CSRワールド」(日本語、英語、各国語)などを活用しながら情報を共有化し、活動レベルを合わせて“お客様に感謝され、社会からも高く評価される企業グループ”を目指し“人にやさしい、地球環境にもやさしい社会”の実現を進めたいと考えています。
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CSRホームページ
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CSR情報紙「CSRワールド」
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グループCSR活動の「総称」の設定
当社グループは、環境への取り組みや地域への貢献活動などさまざまなCSR活動を行なっています。中には子供を含む家族やOBも参加する活動もあります。これまでこれらの活動をグループ全体で集約、また社員で呼び合えるような共通の「総称」がなく、グループ全体の活動がばらばらといった感じでした。総称の設定をするきっかけは、2012年12月に開催した第1回の「ステークホルダー・ダイアログ」において、ステークホルダーから「社員や家族、OB、また地域の方も参加される活動にグループとして総称を付けて、グループ全体の活動として推進されてはどうか。」とのご提言を頂きました。フジクラグループCSR委員会は、このご提言を受けてグループとしての活動に「総称」を設定することを決定しました。総称決定にあたっては、同委員を中心に多くの名称案が集まり、それらの案を同委員会で論議し決定しました。
設定した名称は以下の3つです。
1.環境に関わる「総称」・・・「グリーン&クリーン チーム Fujikura」
2.社会貢献に関わる「総称」・・・「人と社会を“つなぐ” チーム Fujikura」
3.従来からの「会社」が取り組む環境活動の「総称」・・・「グローバル フジクラ セーブ アース アクティビティ」