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CSR報告書

フジクラグループCSR報告書2012
特集

タイ国の洪水被災
電子事業復興への闘い

2011年10月、タイ国を襲った50年来の未曾有の大洪水は、多くの被害をもとらすと共に当社グループの電子事業のタイ国の重要な工場である9つの事業拠点を襲いました。

当社グループの9つの製造拠点を襲った大洪水の要因は、相次ぐ台風がもたらした大量の雨で、その雨の量は平年より50%以上も多いものでした。さらにタイ国平野部の平坦な国土地形にも被害拡大の要因がありました。今回の水の量は、タイ北部の山岳地域から流れるチャオプラヤー川の排出能力を超えていて、ピーク時の水量は琵琶湖の3分の2に相当するといわれています。

洪水期間 10月4日~12月8日の2ヶ月間。
洪水範囲 北部のチエンマイ県からチャオプラヤー川流域でバンコクまでの58県、約600万ヘクタール。
企業の影響 7つの工業団地の日系企業460社を含む700社以上が浸水。
被災者 11月5日時点で446人が死亡し、230万人が被災。
被害金額 タイ国の被害額は8,650億円(11月17日時点)

タイ国の電子事業は、洪水で9拠点が操業停止

2011年10月、タイ国を襲った50年来の未曾有の大洪水は、当社グループの電子事業におけるタイ国9つの事業拠点を襲い、操業停止に至りました。水深は3mにも及び、浸水の期間は2ヶ月に亘りました。当社グループは、速やかに「重大リスク対応委員会」を設置すると共に現地に対策本部を設け、「復旧復興方針」に基づいて、全力で復旧への取り組みを開始しました。社員たちは全力で多くの製品を救出すると共に、淀み汚濁した水中から多くの金型や設備などをサルベージしました。しかし、本当の苦闘は、むしろ水が引いた後にありました。退水後の工場に入った社員たちは、異臭と共にあまりの惨憺たる状況にただ呆然と立ち竦みました。タイ国の社員たちは、当社グループの全面的な支援の下、復旧への使命感を心に苦闘の日々が続きました。それから4ヶ月後の4月に、全ての被災工場は操業を再開しました。

さらなる復興に向けた社員たちの全力の闘いは今も続いています。

電子事業の復興に向けての取り組み

当社グループは、今回のタイ国での洪水被災した電子事業の復旧復興に向けて、「電子事業復旧復興方針」の下、今後は絶対に被災しないための対策を実施しています。タイ国で浸水被災した既存の製造拠点では、防水壁の設置を行い、防水壁設置が難しいところでは2階生産を基本とし、さらに高海抜地区であるカビンブリ工業団地に新工場を新設するなど、絶対に被災させないための対策を進めています。またベトナムの新工場の拡充、中国の工場への製造を移管等も図っています。さらに電子事業の体質強化の面から事業内容の見直しを行い、“選択と集中”を加速する等の諸対策を進めています。私たちは、当社グループの電子事業のメイン事業であるFPC(フレキシブルプリント配線板)を、2012年度末までに完全に復興することを目指してグループの総力を挙げて取り組みを進めています。

 

〔現地事業責任者〕
西田 孝至
FETL 社長

昨年10月にタイ国で起きた大洪水は、“忌まわしい”記憶として私たちの心に深く刻まれています。それは、迫る水の塊に「早く避難しろ!」の私の緊急コールで始まりました。10月4日のYDTの浸水を皮切りに2週間程でグループの9工場が被災し、諸先輩が1984年以来営々と築き上げてきたタイ国オペレーションのハードウエアが水泡に帰しました。その後の2ヶ月に及ぶ浸水の間、社員たちの必死のサルベージで多くの設備や金型などが救出されました。しかし、本当の水の怖さを実感したのは、むしろ水が引いた後でした。壁を突き破った設備や真っ赤に錆びた機械、転倒したタンク、散乱した書類や製品、鼻をつくカビ臭など、その惨状に私たちは呆然と立ち竦むと同時に復旧の道のりの険しさを感じました。現在は、被災工場の全てが操業を再開に至っております。これもタイ国社員の苦闘とフジクラグループをはじめ多くの方々のご支援の賜物と御礼を申し上げます。“一刻も早い復旧と更なる発展”を使命に邁進致します。皆様には、今後も変わらぬご支援ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

 

〔電子部門事業責任者〕
小池 真人
(株)フジクラ 取締役常務執行役員

電子事業部門の工場群が壊滅的な洪水被災を受けてから約10ヶ月が経過し、その間多くの関係者の皆様に多大なご支援をいただき、復旧に取り組んで参りました。現在では御陰様で全ての工場が全面再開の運びに至りました。
 大変困難な状況下でのご支援に対し心より御礼申し上げます。本当にありがとうございました。
 電子事業部門が再びフジクラを支える柱の事業として復活させることが私たちの使命と心得え活動を続けて参りますので引き続き皆様のご支援をよろしくお願い致します。