ICや受動部品を基板に内蔵する、いま注目を浴びる新技術。

フジクラが世界でトップクラスの実績を誇る「FPC(フレキシブルプリント基板)」。このFPCをさらに進化させ、次世代の高密度実装技術としていま研究開発に注力しているのが「部品内蔵基板」です。これは文字通り、FPCの中にICチップや受動部品(コンデンサや抵抗など)を内蔵した多層基板。昨今、携帯電話などに用いられるプリント基板には、製品の性能向上や小型化のために、実装密度のいっそうの向上が求められています。

従来の基板表面にICチップや受動部品を配置する方法では実装密度に限界があり、それをブレイクスルーするのがこの部品内蔵基板。ここには、フジクラがこれまで築き上げてきたさまざまな技術が融合されています。

たとえば、基板に内蔵するためにはきわめて薄型のICチップが要求されますが、そこにはフジクラの「ウエハレベルパッケージ」の技術が活きています。また、フジクラでは基板の多層化において、穿孔によるメッキでの導通ではなく、さらに実装密度を上げるべく導電性ペーストを用いた多層化を追求。現在開発が進められている部品内蔵基板も、導電性ペーストで部品が接続されており、さらに基板を薄型化することに成功しています。

独自の製造方法を開発し、世界最高レベルの性能をすでに実現。

導電性ペースト接続によってポリイミドフィルムを基材とした部品内蔵基板を開発しているメーカーは、国内ではフジクラだけであり、これは私たちの大きなアドバンテージになっています。すでに要素技術はほとんど完成しており、2011年に、フジクラの部品内蔵基板は4層配線板で薄さ220μm、5層配線板では260μmを実現しました。これは世界でもトップレベルの数字です。また、抵抗やコンデンサなどの部品も同時に内蔵できる技術も確立し、2013年にはついに量産化を迎えました。

まずターゲットとしているのは携帯電話。フジクラの部品内蔵基板が普及浸透すれば、携帯電話のさらなる小型化が見込まれます。そうした未来を描いて、研究所では若手の技術者たちが日々、実験と検証を繰り返しており、部品内蔵基板の信頼性をさらに向上させるべく奮闘しています。フジクラの新しい事業の柱が、もうすぐ生まれようとしています。

2001年新卒入社。
以来、一貫してプリント基板の研究開発に携わる。
現在はチームをまとめるリーダーとして、
メンバーのマネジメントにも力を奮っている。

2005年より私はこの部品内蔵基板の研究開発に取り組んでおり、現在は開発チームのリーダーを務めています。当初、導電性ペーストによる導通で、基板に内蔵した部品を接続させるというチャレンジは、過去に例がなく突拍子もないことでした。しかし、研究開発を重ねていくと、光明が見えてきた。それから現在に至るまで、さまざまなノウハウを蓄え、いまやフジクラがこの分野をリードする存在になっています。

私自身も過去、エレクトロニクス実装学会などで開発成果を発表する機会が何度かありましたが、その際に国内外のメーカーから「ぜひ詳しい話を聞かせてほしい」というオファーが寄せられることもたびたびあり、世間からも注目を集めていることを実感します。これからは量産化のステージに突入していきますが、自分たちが開発したテーマを事業にまで結びつけることができるのは、技術者として本当に大きなやりがいを感じます。

フジクラは、技術者の意思を尊重してくれて自由に開発に取り組める環境です。やりたいことが明確で、それを自分の手でドライブしたいという熱意のある方には、とても面白い仕事が経験できる場だと思います。