株式会社フジクラ

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FUJIKURA ODYSSEY
FUJIKURA ODYSSEY vol.04

テクノロジー小宇宙

電子機器の進化の鍵を握る“FPC(フレキシブルプリント回路)”開発物語

Phase.2 営業のドラマ

FPCに関してフジクラは後発で、先発メーカの牙城を切り崩すのは至難の業だった。しかしながら営業陣の頑張りが幾多のドラマを生んでいく。

新たな挑戦は、資金にも組織にも恵まれず、孤立無援の逆境からスタートすることが圧倒的に多い。フジクラにおけるFPCのプロジェクトも、その例外ではなかった。例えば、営業の場合。実績がないわけだから、いわゆるルートセールスというアプローチは一切なく、地道にアポイントを取り、ゼロベースから積み上げるしかない。しかもFPCに関してフジクラは後発で、先発メーカの牙城を切り崩すのは至難の技だった。方法はただひとつ。何度も足を運び、ときには拝み倒し、「試作品」を評価してもらう機会をなんとか取り付けるしかないのである。幸い試作品評価の機会を得ても、試作品の出来が悪ければ、そこで門戸を閉ざされる可能性もあった。ましてや当初の研究開発陣はFPCに関しての技術蓄積がほとんどなく、暗中模索の中でのトライだった。事実、クレームの連続で窮地に立たされることも多々あった。しかし、そこで諦めなかった。クレーム一つひとつに対して誠意を尽くし切るアプローチで、信頼を獲得していくのである。

また、営業チームは、ある日、大胆な策に転じる。「どうせクレームで怒られるのだから、ダメでもともと、超一流メーカを狙ってアプローチしよう!」ということで、世界に冠たる企業の門を叩いて歩く。語弊を恐れず言うなら、当時の営業スタッフの開き直りは見事なものだった。「クレームこそチャンスなり!」というスタンスで、客に怒られながら、どこか心の中で「チャンス到来!」と叫んでいたらしい。逆境を好機に変える、その手腕こそが、FPCプロジェクトに勢いを与えていくのである。かくしてFPCの営業陣は、世界に冠たる企業との取引口座を開くことに次々に成功していく。ビッグビジネスへの門戸を、自らの粘りと頑張りで突破していったのである。

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