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すばる望遠鏡用特殊大口径ファイバを受注

2014年02月12日

株式会社フジクラ(取締役社長 長浜洋一)は、東京大学から「すばる望遠鏡用ファイバ200km」を受注しました。
宇宙と銀河・星の起源、宇宙の未来を決定する鍵を握るダークマター(暗黒物質)、ダークエネルギー(暗黒エネルギー)の3次元地図を作り、宇宙の膨張の歴史を解き明かす新プロジェクトSuMIReが発足しています。本プロジェクトでは、高さ4200mのハワイ島マウナ・ケア山頂にある国立天文台のすばる望遠鏡に数千の遠方銀河を観測できる分光器を取り付け、数十億光年離れた銀河を観測して宇宙の起源に迫ります。
すばる望遠鏡では、望遠鏡の主鏡によりとらえられた数千の天体像の光(380nmから1300nm)を同時に観測する必要があるため、数千本のファイバで数十m先の分光器まで低損失で届ける必要があります。分光器により、その天体の光がどのくらい過去に、どのくらい離れたところから来たのかを知るための多くのサンプルデータを取得することが出来ます。さらに、微弱な光を効率良く受光するために、大口径ファイバには高開口数(NA≧0.22)が要求されます。
これまで、短波長域から長波長域まで低損失かつ高開口数の大口径ファイバを実現することは困難でした。当社では、ファイバ構造および製造方法の最適化を行うことで、紫外領域に吸収損失のある石英ガラスの構造欠陥を大幅に抑制し、1300nm付近での低損失性を維持しつつ、観測に重要な波長の一つである395nmにおいて、38dB/km(典型値)という業界最低損失な大口径ファイバの開発に成功しました。
当社のこの低損失な大口径ファイバは、種々の顧客評価試験から、従来の他社製天体観測用ファイバよりも優れた特性を有していることが確認され、今回の受注につながりました。このファイバは、分光分析用など広い波長範囲で低損失特性が求められる分野への適用が期待されます。
当社は、今後も情報通信分野での開発で培った光ファイバ技術を、分光分析装置などの科学技術や医療機器などの非通信分野へ適用することにより、社会の発展に貢献していきます。

ずばる望遠鏡用特殊大口径ファイバ

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