株式会社フジクラ

  1. Home
  2. ニュースリリース
  3. 「2030年ビジョン」策定について

NEWS RELEASES

経営

「2030年ビジョン」策定について

2017年3月28日

株式会社フジクラ(取締役社長 伊藤雅彦)は、「2030年ビジョン」を策定しましたので、お知らせ致します。

【策定趣旨】

今、世界はかつてない規模とスピードで変化を遂げようとしています。人口が増大し経済が拡大する中、テクノロジーの進展やグローバル化の加速によって世界は発展し均一化に向かう一方で、環境・資源・エネルギー等の制約は、成長の持続性にとって大きな脅威となっており、さらに現行の経済社会システムに対する閉塞感は、広く世界全体の持続性に対して疑問符を投げかけています。
これから先の世界では、新興国を中心とする「成長」に向けての量的拡大を果たしつつ、先進国が主導する「成熟」を見据えた質的充実を実現する、という二つの課題解決を両立させていくべき時代の到来が待たれています。
当社では、こうしたいわば「未来からの要請」、すなわち「未来社会の課題」に的確に応えていくことが、当社自身の未来を切り拓くためにも必要不可欠であると考え、長期的展望に立ったビジョンの策定に向け、鋭意検討を重ねてきました。
今から13年後にあたる2030年は、現状からの積み上げだけでは到達できない未来ではあるものの、決して手の届かないものではなく、ありたい姿を描き、それに向かってマイルストーンを設定していくに相応しい時間軸であると考えます。
経営理念「ミッション・ビジョン・基本的価値(MVCV)」のもとに、「2030年ビジョン」を広く社内外に示し、その実現に向けて粘り強く取り組んでまいります。

【「2030年ビジョン」の骨子】

スローガン:

フジクラグループは、“つなぐ”ソリューションの提供により、快適で持続可能な“みらい”社会の課題を解決し、継続的に企業価値を高めている

想定する4つの市場分野(課題認識と解決の方向性):

  • ◆Advanced Communication
     IoT、ビッグデータ解析、AI、ブロックチェーン等に代表されるデジタル/ネットワーク技術の目覚ましい進歩は、コミュニケーション、消費、働き方など日常生活の利便性を飛躍的に向上させるにとどまらず、人々の意識の変化と相まって経済社会の構造を根底から変える大きなうねりを起こしつつあります。
     私たちは、こうした構造変革を生み出す社会的な共有基盤を、"Advanced Communication"という言葉に託し表現しました。進化していくセンシングネットワークに立脚した「“その先”のコミュニケーション」を様々な形でお届けすることにより、ヒト・モノ・コトの間の壁を取り払い、快適で活力あふれる社会の実現に貢献していきたいと考えています。

    ◆Energy & Industry
     温室効果ガスによる気候変動は日常生活への脅威となり、また、人口増加や経済活動の拡大とともに資源枯渇や大気汚染が進み、環境・資源・エネルギーの問題は地球の持続可能性をも脅かす存在となっています。SDGs(国連「持続可能な開発目標」)では、気候変動とその影響に立ち向かうための対策や、持続可能な消費と生産のパターンの確保等をアジェンダに掲げています。
     私たちは、"Energy & Industry"の領域において、コミュニティや人々の特性・ニーズを的確に捉え、エネルギーの安定供給につながる持続性の高い電源・蓄電やマネジメントのシステムを構築するとともに、高効率・高密度なエネルギーを用いた加工技術やデジタル技術等を駆使した先進的なものづくりを実現することで、持続可能な地球の実現に貢献していきたいと考えています。

◆Life-Assistance
  •  経済社会の発展により、衣食住や安全・安心といった人間の基本的なニーズは満たされる方向にありますが、その成果ともいうべき平均寿命延伸や生活水準向上の陰で、健康寿命とのギャップによる治療・介護期間の長期化や、過労等のストレス要因の増大による心身両面の健康被害の深刻化など、人類にとって新たな課題が生まれてきています。
     私たちは、人間の「QoL(Quality of Life;生活の質)」に着目し、それを向上させていくためのフィールドを"Life-Assistance"と称しました。QoLプラットフォームを基盤に据え、先端医療や地域・職域に向けた様々なソリューションをお届けすることで、医療の高度化と健康リテラシー向上を実現し、人類の健康寿命延伸と生涯を通したQoL向上に貢献していきたいと考えています。

◆Vehicle
  •  リアルな社会におけるヒトやモノの移動・輸送手段である"Vehicle"は、近年ハード・ソフトの両面で著しい進化と多様化を遂げています。自動運転やライドシェアリングの進展は"Vehicle"の概念や目的をも変える大きな衝撃となることが予想されます。一方で、消費行動の変化によるオンデマンドでのモノの輸送に関するニーズは高いレベルで維持されるものと思われます。
     私たちは、" Vehicle "の領域において、ヒトとヒト、ヒトとモノの関係性が変化していく社会に対して、誰もが移動を楽しむことのできる新しい移動手段や、オンデマンドで低コストなモノの輸送手段、それらを支える交通インフラ・システムをお届けすることで、快適で安全な移動・輸送が可能となる社会の実現に貢献していきたいと考えています。

【当面の取り組み】

「2030年ビジョン」の実現に向けた第一歩として、オープンイノベーションを通じて新たな価値を創出し、新陳代謝を加速するための下記活動を展開します。

・具体的取り組みの推進母体として、2017年4月1日付で現行の「新規事業推進センター」内に「つなぐみらいイノベーション推進室」を設置します。これにより、同センターは現有する新規事業インキュベーション機能に、事業ビジョン・戦略の策定、新たな事業の立案・検証等の機能が付加され、新規事業創出・推進全般にわたり当社グループ全体をリードする役割を担います。併せて、同センター内に「シリコンバレーオフィス」を設置し、テクノロジー、マーケット、スタートアップ企業の情報収集をグローバルな視点で行い、協業の検討・実施、事業構想の策定・検証を進めてまいります。

  • ・4市場分野(Advanced Communication, Energy & Industry, Life-Assistance, Vehicle)において、スタートアップ企業との協業を通じた新たな事業の創出に挑戦します。最初の活動として、Creww株式会社が保有する日本最大級のオープンイノベーションプラットフォームを活用し、公募形式によるスタートアップ企業とのオープンイノベーションに取り組みます(公募期間:本年4月上旬~中旬を予定)。

PAGE TOP