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取締役社長 長浜 洋一

2009年度の当社グループの業績等につきまして概要をご報告申し上げます。

2009年度のわが国経済は、中国の景気回復に伴う輸出の伸びや、国内景気対策による個人消費の回復がありましたが世界的には需要が縮小した状態が続き、国内も設備投資の下落傾向があって、景気の二番底が懸念されるなど、全体としては低迷しました。

当社グループの製品分野でも前年度を上回る売上となったものは一部にとどまり、グループ全体の売上高は、前年度比701億円減(12.2%減)の5,035億円となりました。利益面では、前年度下期の危機的な状況を受け、生産効率の向上と全社一体となった徹底的なコスト削減を図ったことで大幅な改善を果たし、営業利益は179億円(前年度比177億円の改善)、経常利益は165億円(同201億円の改善)となりました。前年度大幅な減益要因となった銅差損も大きく改善しました。当期純利益は前年度から215億円改善して25億円となりました。なお、特別損失として、独占禁止法違反に伴う課徴金引当金繰入額44億円や海外製造拠点の統廃合に伴う損失など合計83億円を計上しました。

【当社グループの売上高の推移】
(単位:百万円)
事業部門等第161期
平成20年度
第162期(当期)
平成21年度
増減
情報通信110,390107,319△ 3,071
電子電装223,039208,446△ 14,593
ケーブル・機器関連227,838174,508△ 53,330
不動産7,1467,17226
その他5,2426,079837
合 計573,657503,527△ 70,130

(注)事業区分について、当期より「その他」に含めていた不動産事業を「不動産」として
区分しました。なお、第161期の金額は変更後の事業区分により表示しています。


≪情報通信部門≫

売上面では、光ファイバ・ケーブルが、国内FTTH(Fiber To The Home)関連投資と中国市場にけん引されて順調で、光コネクタやクロージャ等の光ネットワーク向け接続部品も、NGN(Next Generation Network)関連の需要により順調でした。しかしながら、エンジニアリング及び光融着接続機が大幅に減少したため、この部門全体の売上高は前年度比2.8%減の1,073億円となりました。

利益面では、生産技術の改善により大幅な原材料費低減を実現したことに加え、北米での人員削減の効果もあり、営業利益は前年度比40億円増の86億円(前年度比87.6%増)となりました。


≪電子電装部門≫

電子分野の主要製品であるFPC(フレキシブルプリント配線板)は、携帯機器の高機能化による付加価値の高い品種の増加などで、前年度下期の大幅な落ち込みからは脱し、通期では前年度比で微増となりました。しかしながら、需要の低迷が続いたことでコネクタ等の落ち込みが大きく、この分野全体では減収となりました。利益面では、海外製造拠点の人員削減や生産体制のスリム化による償却費の低減によって費用を削減し、この分野全体は大幅な増益を実現しました。

自動車電装分野では、中国市場が好調でしたが欧州の落ち込みをカバーするにはいたらず売上高は減少しました。利益面では、中国市場での増益に加え欧州拠点のリストラ効果があり、前年度比で大幅に改善しました。

これらの結果、電子電装部門全体では、売上高は前年度比145億円減の2,084億円、営業利益は黒字転換を果たし同70億円増の36億円となりました。


≪ケーブル・機器関連部門≫

2009年6月にオランダのドラカ社からOPGW(光ファイバ複合架空地線)事業を買収し、手薄だった欧州、中近東市場向けの製造・販売体制を整えました。架空送電分野の売上は、この買収による増加はあったものの北米市場が大きく落ち込んだため、前年度比マイナスとなりました。ケーブル・機器関連部門の過半を占める産業電線分野は国内建設投資の悪化により大幅減収となり、この部門全体の売上高は前年度比23.4%減の1,745億円となりました。

利益面では、発生費用削減の効果と前年度大幅な損失の原因となった銅差損が大きく減少したことで、営業利益は黒字転換を果たし同60億円増の16億円となりました。銅差損の減少は、相場の安定と調達管理精度の向上によるものです。


≪不動産部門≫

当社の不動産事業は100%出資の子会社であるフジクラ開発株式会社を主体として、1997年から約7ヘクタールの当社旧深川工場跡地の再開発事業を進めてきました。不動産市況の変動などもありましたが、順調にテナントの入居をいただき、本年3月末のオフィスビル2棟の竣工をもって、計画どおり大型複合施設「深川ギャザリア」(総延床面積約27万㎡、就業人口約12,000人)として完成しました。

これら再開発によるテナント収入を中心としたこの部門の売上高は、前年度並みの71億円、営業利益は同5.7%増の34億円となりました。


深川ギャザリア

◆オフィスビル

「タワーN棟」(地上21階・地下1階建て 延床面積約43,080㎡)
    株式会社野村総合研究所様(証券関係システム部門等)ほか

「タワーS棟」(地上21階・地下2階建て 延床面積約40,093㎡)
    株式会社野村総合研究所様(証券関係システム部門等)ほか

「ウエスト1棟」(地上9階建て 延床面積約17,951㎡)
    日興コーディアル証券株式会社様(バックオフィス関連組織等)ほか

「ウエスト2棟」(地上10階・地下1階建て 延床面積約37,505㎡)
    株式会社りそなホールディングス様及び株式会社りそな銀行様(東京本社)

「ウエスト3棟」(地上10階建て 延床面積約21,695㎡)
    一般財団法人 工業所有権協力センター様

◆商業施設

「商業棟」(地上5階・地下1階建て 延床面積約77,218㎡)
    イトーヨーカドー木場店、シネマコンプレックス・109シネマズ木場

「プラザ棟」(地上5階・地下1階建て 延床面積約11,262㎡)
    飲食店街(ロータスパーク)、フィットネスクラブ・ティップネス、フジクラゴルフクラブ相談室


≪その他部門≫

製造設備の販売、貨物利用運送業等で、売上高60億円(前年度比16.0%増)、営業利益は6億円(同89.8%増)となりました。

2010年度の経済環境ですが、内需回復は期待できず、一昨年度の経済危機前の7~8割程度の規模が継続し、また各事業分野では新興国メーカーとグローバルな競争を余儀なくされ、大変厳しい環境になると予想しておりますが、経営計画としましては、通期で売上高5,100億円、営業利益180億円、経常利益165億円と見込んでおります。


なお、配当は、中間・期末とも1株当たり2円50銭の年間5円を予定しております。


今後とも、フジクラの経営にご理解とご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。

以上

取締役社長 長浜洋一