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CSR

フジクラグループのCSR

第三者意見 / ご意見を受けて

第三者意見

本木 啓生 株式会社イースクエア 代表取締役社長

本木 啓生
株式会社イースクエア
代表取締役社長

 フジクラグループの報告書は、本年度より「フジクラグループ統合報告書」として従来のCSR報告書から大きな進化を遂げています。Webサイトとの連動を図ることで、冊子版には盛り込めない開示情報を補いつつ、CSRやサステナビリティを企業経営のなかでどのように捉えているのか、統合思考に基づきフジクラグループの価値創造の要諦をまとめることに成功しているのではないかと思います。

 フジクラグループ130年を超える歴史において中核として捉える価値、今後を見据えた成長ストーリー、さらに社会貢献活動を原点とした価値観に冒頭のページを割いています。つづくトップメッセージにおいて、伊藤雅彦社長が常日頃口にしている言葉や大切にしている行動や考え方がまとめられています。過去130年以上にわたり、“つなぐ”テクノロジーにこだわり抜き、事業基盤として全従業員が認識することで、多くのイノベーションを起こしてきていることや、伊藤社長自らが現場に頻繁に足を運び、グループ一体経営を推し進めてきたことが良く分かる内容となっています。また、価値創造の全体像、創業からの歩みとしてまとめられた第1、第2、第3の創業について、生活の各シーンにおいて“つなぐ”テクノロジーがどのように活かされているかなどの説明からは、社外ステークホルダーのみならず、グループ従業員にとっても新たな発見があるのではないでしょうか。

 8月に発表された品質管理に関する不適切事案は、自主的に全製品における品質管理の点検を行ったことにより判明したものであり、全容解明に向けた対応を継続しています。社外取締役を1名から4名に増員し、指名諮問委員会や報酬諮問委員会を設置するなどガバナンス体制の強化も断行している点からも、会社としての誠実さを追求する気概を感じることとができます。

 昨年の第三者意見にて指摘させて頂いた内容については、概ね反映されていることを確認しております。本年の報告書に目を通したなかで、今後の改善点として次の3つを挙げさせて頂きます。

  • フジクラグループの価値創造の説明として、経営基盤からビジネスモデルを通して社会に価値を提供する流れが説明されています。持続的優位性を維持することは企業経営において極めて重要な課題となりますので、「長期的な信頼関係」と「変化への適応力」についても「技術力」と同様に具体例を示されることを推奨します。
  • CSVの概念を用いて、2030年に向けた世界の共通目標となる国連SDGs(持続可能な開発目標)を通して世界の抱える課題を再認識し、持続的成長の機会として捉えている点は素晴らしいと思います。しかし、「フジクラグループが注力する6つのSDGs目標」で掲げているSDGs目標、「CSV戦略の推進」において取り組んでいくSDGs目標、さらに「CSR重点方策と注力するSDGsとの関連」として掲げているSDGs目標がそれぞれ異なっており、注力すべき分野がわかりにくいものとなっています。自らが注力する様々な取り組みをSDGsとの関連で捉え直していくという姿勢は評価に値しますが、フジクラグループの強みを発揮して取り組むべきは、SDGsの17目標、さらには169ターゲットのなかのどれに該当するのかを思い切って絞り込み、グループ全体で注力した方がより大きな成果につながるのではないかと考えます。
  • フジクラグループでは、4つのマテリアリティと12項目のCSR重点方策を定めていますが、報告書ではこの関係性が分かりづらいものとなっています。マテリアリティとは、元来社会の視点と自社の視点の両軸による重要課題を意味するものであり、CSR重点方策で掲げている12項目そのものをマテリアリティとして再定義しても良いのではないかと思われます。現状において4つのマテリアリティとして挙げている内容を、CSR重点方策の分野として捉え直すとわかりやすく整理されるのではないでしょうか。

 フジクラグループでは、ミッションを実現するための経営戦略の一つとしてオープンイノベーションを掲げ、スタートアップ企業が集う場を提供するイノベーションハブ「BRIDGE」を開設する一方、創業期に創設した知的障害のある子どもたちの支援施設「藤倉学園」を育みつづけるといった社会貢献活動を当然のこととする一貫した哲学があります。時代の最先端を追い求めながらも、創業の精神を大切にするフジクラグループならではのサステナビリティ社会の実現に向けたさまざまな挑戦を見守っていきたいと思います。


ご意見を受けて

滝沢 功 常務取締役

滝沢 功
常務取締役

 当社グループを取り巻くESG(環境・社会・ガバナンス)に関する経営環境は、劇的に変化を続けており、機関投資家を含むステークホルダーからの企業のESG活動への注目も高くなっています。また、国際社会が抱える複雑な課題に最適解を見出すためには、事業活動を通じて社会課題を解決するCSV(共通価値の創造)を通じて、自らの成長と社会課題の解決を同時に果たしていくことが求められています。CSVの専門家をお招きしてダイアログを行うなど、将来起こりうる社会の変化に備えて、フジクラグループがどのようなCSVを行うべきか議論を行いました。このような活動を継続することで、社会への適応力を更に高めていきたいと考えております。

 2018年8月31日に公表いたしました、フジクラ製品の一部における品質管理に関わる不適切事案につきましては、経営トップ主導のもと、全容の解明とともに徹底した再発防止策を策定するなど、二度とこのような事案が起こらないようにグループ全体のガバナンスのさらなる強化を図ってまいります。

 さて、本木啓生様より専門家としてのお立場から広い視野に立った第三者意見をいただき、統合思考に基づいたフジクラグループの価値創造の要諦をまとめることについてご評価いただきました。価値創造モデルの描写は、フジクラグループにとって初めての試みでありました。価値創造モデルについては引き続き、社内で議論を継続し、自らの強みや競争優位性などを理解し、長期持続的な成長につなげていきたいと考えております。

 また、本年度の課題として、「価値創造モデルにおける長期的な信頼関係や変化への適応力における具体例の提示」、「取り組みごとにSDGs目標が異なっており、注力すべき分野がわかりにくくなっている」、「4つのマテリアリティと12項目の重点方策の関係性」についてご提言をいただきました。これらのご提言につきましては、フジクラグループCSR委員会にて、ご提言の一つひとつをしっかりと受け止め、取り組みへの検討を進めてまいります。

 私たちは、社会から求められるESGへの取り組みを更に進め、社会への適応力を高めることで、”お客様に感謝され、社会からは高く評価される企業グループ”となるよう不断の努力を重ねて、持続可能な社会の実現のために、企業グループとしての社会的責任の一端を果たしてまいります。

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